穏やかな爆弾
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僕が、配達着として履いている作業ズボン。『カーゴパンツ』って言う奴ですか?足首の所を、ゴムでもって窄めてあるヤツなんですけども・・今日、夕刊を配っていると何かの拍子に、そのゴムが切れてしまいました。こうなると構造上・・裾は広がるわ。丈は伸びるわ。ちょっとした松の回廊状態です。とは言え・・少し歩きにくい程度の煩わしさだったので特に対策を練ることもなくずるずると裾を引き摺るのを我慢しながら配達に専念することにしました。今にしてみれば・・この判断が、あんな惨劇を招く結果になろうとは・・。暫くずるずるを続けていると細い路地で、自転車に乗った女子高生の一群と遭遇いたしました。先程から降り始めた小雨のおかげで彼女らが開いた傘で路地はその肩幅をより一層、狭くしています。このまま、すれ違うのはあまりにも危険だ・・と判断した僕は、道の脇にバイクさんを停車しその連なった自転車の群れをやり過ごす事にしました。他人様の駐車場の入り口で少しばかり道が広くなっているところにバイクさんを促し、停止させる僕。跨ったままの姿勢を支えるために、脚を伸ばした次の瞬間・・。「殿中でござる」と開かれたズボンの裾が見事にバイクさんのステップに引っ掛かりました。まずい!!そう認識しても、支えるはずの脚をがっちりバイクに固定された後じゃ成す術もありません。傾いてゆく己の体。その傾斜に抗うための障害物も少し広い場所に停止したおかげで、なにもありゃしません。た~お~れ~る~そのまま、バイクさんとともに真横に散る昭和48年生まれ・・。ばきっ!!(肘・痛打!!)どがっ!!(二の腕・痛打!!)ぐきっ!!(手首・捻挫!!)早速に、新しいズボンを買いに行ったのは言うまでもありません・・。追記すれ違った女子高生達は、さぞかしびっくりしたことだと思います。前方からバイクでやって来た新聞屋が自分達の目の前で停車したかと思ったら突如、何も抵抗することなく『ぱたっ』って倒れて雨の降る濡れた駐車場で、転がりまわっているのですから・・。でも・・「大丈夫ですか?」って温かい言葉なんて期待しておりませんからせめて、笑ってやってください。何事もなかったように、通り過ぎるのはやめてください。・・居た堪れないから。
Apr 19, 2003
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