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2008.02.23
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カテゴリ: Music/drama/movie, others
<春一番>


昨日も暖かでしたが、きょうもぽかぽか。しかしまたこの後寒気が戻るらしいので、
重い(最近は軽めですが)コートをしまえるのはもう少しあとのようです。

さて体調はだいぶよくなりました。ご心配かけました。食欲はやはりいまひとつで、
まだコーヒーやビールがまったく飲みたくないので完全ではないのですが、咳もでず喉や
関節の痛みは退いているので大丈夫です。皆さんも気をつけてくださいね。

<『ファントム』(青山劇場)>

さて、昨日は2月22日で、猫の日(にゃんにゃんにゃん♪)だったそうです。でも数ヶ月以上前から決まっていた予定で、体調もなんとかOKだったので、猫はお留守番、予定通り青山劇場に出かけ、アーサー・コピット版の『ファントム』を観てきました。薬を飲んでいったこともあり、
マスク・のど飴持参しましたが、咳こむことや鼻水・くしゃみもなく、ほっとしました。

<キャスト>


クリスティーン・ダエー・・・・・徳永えり
フィリップ・シャンドン伯爵・・・パク・トンハ
   (ルカス・ぺルマンとのWキャスト)

アラン・ショレー・・・・・・・・・HISATO
ルドゥ警部・・・・・・・・・・・・中村まこと
ジャン・クロード・・・・・・・・・永島 克
文化大臣・・・・・・・・・・・・・コング桑田

カルロッタ・・・・・・・・・・・・大西ユカリ
ゲラール・キャリエール・・・・・・伊藤ヨタロウ
ベラドーヴァ(映像出演)・・・・・・姿月あさと

〔アンサンブル〕

荒木里佳、稲田みづ紀、浦壁多恵、杵鞭麻衣、 金城尚美、山本悠記子

感想は書くのが非常に難しいです。「俳優大沢たかお」がロングの鬘でクラシカルな衣装(マント、仮面、金の装飾つき長上着、そしてニーハイブーツというダークなプリンス風でまさに私好み!)を着こなして舞台上でオーラを放つ様子や悲しみをまとった表情・演技を堪能できたことは幸せです。確かに181cmの長身で細く動きも美しくしなやかで舞台映えしました。

わたしもテレビドラマでは大沢さんのファン。その点だけをみれば珍しいものをみせてもらった、やっぱり大沢たかおは素晴らしい、素敵な俳優さんでした、といわざるをえないのです。

で、そういう点でこの作品は「ずるい」と思う。

なぜかというと、主演ファントム役の佇まいや演技がとてもよかった、素敵だった、という反面作品としてみると個人的に違和感を感じる部分が多く、よかった、よくなかった、というひとこと評価はしづらいのです。



音楽は悪くないと思う。ALWとは違った味わいもあり、劇的で難解、印象的な名曲も多い。そして表舞台の装置をぐるりと回すとファントムの心の闇を象徴する裏舞台が登場するしかけも工夫があるし、コーラスはよかった。

また開演前や上演中に、通路をキャストがふつうの客に混じって歩く。
パリの地図を片手にさまよう人、大きいお腹を抱えて帽子をかぶってためいきをつく女性、警棒をもった警官、怪人のお面を手にせむしのように体を折り曲げ震えながら歩く老人、などさまざまな格好の俳優さんたちの姿がみられた。

わたしはその通路のすぐ後ろの席(M列)で、隣が空席だったため、俳優さんが話しかけてくれたし、前をとおるパクさんや浦壁さん、コングさん、中井さん、角川さんなどの顔を観察できた。劇中にも自分たちがその瞬間オペラ座の観客であるかのように思わせるようにキャストを通路に配したり、工夫がある。

ただそのような演出上の工夫あれこれも、主要キャストがしっくりと役柄になじむ音楽表現ができ、音で人を感動させることができるミュージカルとしての質が高い、という前提があってはじめて効果を奏すもの。

主演大沢たかおさんはファンだから贔屓目に見てしまうとしても、このモーリー・イェストン
の陰影に富んだ複雑なメロディーの数々を人を大きく動かすほどの説得力をもつ歌声で歌いこなすことはたやすくない。決して声がでていない、とか音程がよくない、というわけでななく、むしろボイトレで鍛えたであろう太めなしっかりとした声で歌えている。ただそれは楽譜どおりに音をだすレベルと自分のものとして体に染み込ませた上で音の強弱や色合いや息づかいによる巧みな声のコントロールで大勢の観客の心にはいりこみ、動かすというレベルにいたるには距離がある。普段あたりまえに観ているミュージカル俳優たちがいかに難しいレベルのことをやりとげていたことか、と驚くほどだ。
フォルテはただ大音量をだすことではない。心の表現としての自然なフォルテと機械的に大きな声を張り上げることとの距離。このへんは言葉で表現するのは難しいですね。

ということで大沢さんが一生懸命歌うのを観られたのは貴重でしたが、やはり1曲目から歌そのものには拍手できず、歌より演技が光る。そう!ファントム、いや血の通った悩める人間エリックの演技は非常によかった。間の取り方、静かだがしっかりとした温かみと潤いのある声(好きな声です)でのセリフの数々と独白に泣きました。
どうせならミュージカルでなく、普通のお芝居であったら感動が2倍だったかも、と思うほどでした。

大沢さんはもう40近い立派な落ち着いた大人の俳優さんだから、ファンもそれなりに落ち着いているのかと思っていたのですが、曲のできに関わらず、歓声に近いような興奮を伴う熱いファンの拍手の連続に、軽いファンであるわたしはちょっと吃驚。
人の振り見て・・ということわざもあるので、自分自身がのめりこんで熱くなっているとこんなふうに映るのかも、といささか反省というか自戒もこめて。

さて、ファントムの相手として大切な役柄であるクリスティーヌですが、こちらも四季や映画版(ALWだが)で美しく伸びる安定した繊細なソプラノや気品を当たり前と思っていましたが、いろいろな意味でだいぶ寸足らずの印象。ミュージカル経験、舞台経験もなしでは無理もないですが、キャラ的にもファミリーミュージカル向けの幼い印象で、声を張り上げる箇所が耳につき情緒的に聞こえず、個人的に受け付けられませんでした。声自体は綺麗ではあるのですが、声の伸びや歌による説得力、しっとりした魅力等、クリスティーヌのイメージが自分のなかでできているせいかも。

さらにパリ、オペラ座のプリマドンナであるべき女性、カルロッタが歌ったりセリフをいうとどうしても「ここはパリ」と思えなくなる。土壌が違う人のようです。プロフをみたら、ソウル系ゴスペル系の歌手の方のようですが、ゴスペルというより演歌?、○童よし○バージョンのカルロッタ。このキャラや声、歌い方、すべて微妙でした。この方はそれなりに濃い個性、魅力、面白みがあり、客席から笑いがもれたりしていましたが、別の作品であればもっとしっくりとその浪速ソウルフルな魅力を発揮できていたようにおもえて残念に思いました。

伯爵役のパクさんはエリザベートのルドルフの頃に比べてなんだか歌が・・。前はもっと上手だったように思えたのですが。役も表現も影が薄めで印象に残る歌もなく(オペラ座の怪人のラウルの歌のようには)残念でした。

ファントムの悲しい過去があきらかにされ、仮面をはがすときはつらかった。某Mなんとかでフェルセンが嗚咽する場面を思い出した。子宮内の胎児のように体を曲げて床に寝たまま歌うファントム。寝ていたほうが体に力がはいらずすっと歌声がでていたのはちょっと皮肉。
父親とデュエットを歌うシーンもありなかなか泣ける。ただ、クライマックスでは大沢さんがフライングまでするのですが、これも必要があったのか?
下手から壁がでてきて、大沢さんが入り、周りではロープがだらだらとでてくるので、見せ場を作ろうとしているのはバレバレ。父親役は熱演していて、最期のシーン(大沢さんはドラマでも死ぬ役が多いのです)はなかなか感動的でしたが、ロープ使うあたりを含め、画面転換のもたつきもいささか興ざめでした。

アンサンブルさんたちはレミゼでおなじみの実力派が多く名を連ねていたせいで、コーラスはとてもよかった。ただ彼らが個人としてその実力・個性・歌声を発揮できるシーンは殆どなかったように思えて、こちらもレミゼアンサンブルファンとしては非常に残念でした。
その点レミゼやミスサイゴンなどの一流ミュージカルでは、プリンシパルだけでなく、ひとりひとりへのスポットのあてかたが絶妙であることを再認識しました。

22日は千秋楽ということもあり、大沢さんのご挨拶もあり、カーテンコールは盛り上がりました。主演が主演らしく、カテコでも最後に十戒の大海原がふたつに割れるように道がつくられて後ろから登場する、というのは気持ちがいいもの。リア王の平みきさんや新感線の染五郎
さんなどを思い出しました。

ただ、カーテンコールがはじまると同時に最前列センターあたりから真っ先にスタンディングしはじめ、前がみえないからと次々に立ち上がるので、これは迷惑。スタンディングするにもタイミングというのがあると思うのですが・・。
主演へのコールや拍手の異常な興奮はまるでソロコンサートのようで、ファンといいながらも温度差の違い、表現の違いに大きく戸惑い、いささか引き気味なわたしでした。
(祐一郎さんの作品でも決して早くから立つ、なんて蚤の心臓なのでできませんし)

ファントムの旋律がけっして悪くなかったし(とほぉーぜんながら(笑)誰かさんのファンとしては脳内変換しまくりでしたし・・・^_^;))、クリスティーヌにお稽古をつけるために
音階練習をする場面(ラララ・ララララ♪)など、まるでエリザベートの不幸のはじまり、のような劇的なメロディーが発声練習になっているのが、妙にツボってしまったり・・。

大沢さんを楽しめたか、といわれたら、YES、作品としてはビミョウ、というところでしょうか。ちゃんと(笑)もともとの音楽を確かめるために、オリジナルCDを買ってみようかしらん、と考え中です。気になる部分がないわけでなないのです。

Oosawatakao Phantomgousei.400.jpg

<レベッカ>

『レベッカ』の演出家の山田克也さんの 日誌 によると、おととい、そして昨日とお稽古に
祐一郎さんも参加されたようですね。マキシムの歌はどんなかしら?

それそろ5-6月分の各種先行も始まっています。
健康で希望の公演日にいけるといいなあ、と思いますが、予定は未定で、まだ5-6月は
見えない部分が多々あり、さていろいろとどうしようかな、と思っています。





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Last updated  2008.02.26 22:17:08
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