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A…12冊 B…50冊 C…119冊 D…100冊 E…56冊 F…31冊 傍ら人無きが如き妄弁に一年を失ひて、腹中の饑、甚し。 //
2011.04.05
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「私も、天災にしろ事故にしろ、ほとんど無防備の生活をしている。子供が居ないせいもあるけれど、蓄えも作ろうとしない。無考えであり怠惰であるけれど、どうもそれだけではないらしい。災害というものに対してなんとなくあっけらかんとした気構えがある。もちろん一言でわりきるわけにはいかないし、平常からそんな言葉を用意しているわけではないのだけれど、いざ悪い目をひいてしまったとき、内心のどこかで、(……ばれてもともとさ!)と思いそうな気がする。」無頼であるということはどういうことなのか?自由に生きたいなどと簡単に言うけれど、或いは、自由であれと知識人は言うけれど、自分のしたいように生きるということと自分がこのようにしかできないということは、コインの裏表だ。自在に生きると言ってみたって、面倒で、どうしようもない自身の気質やら能力やらと付き合いながらのことだ。「ばれてもともと」とは数々の鉄火場で鎬を削ってきた者が、最後の、クリティカルな一点で、自身を掬いとるような、そんな言葉だ。「I'll be none the worse than before」とは、常に己をどん尻に据える覚悟が吐かせる言葉であり、また同時に、その言葉は、聞く者、読む者の心をたしかに打つ。そういう力を持っている。good for nothing で居続けることはしんどいことだ。糞意地もあるだろうし、やせ我慢もあるだろう。だが、その潔さは、どこまでも清々しい。こうして、俺たちは、それでも、もそもそと生きていくのだ。 A【送料無料】いずれ我が身も
2011.03.05
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その暮らしぶりはさすがに洗練されているが、写真よりも文章にたっぷりと間があって落ち着いた気分で、意識的に美しく暮らすということの意志とは如何なるものであるのかを思索させてくれる。知的生活の方法などという慌ただしい企画が多いが、本書のようなしっとりとした気分にさせてくれないのはどうしたことか。つまりは、欲張りであるからか。C【送料無料】玩物草子
2011.03.04
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ポストモダニズムと専門主義の両者にインテグレーションへの志向がないという指摘、また、両者の無意識の(或いは隠微な)イデオロギー性についての指摘は、さすがに保守主義者の面目である。さらに、現在の「多様な?」学問領域に最も影響を与えていると言っていいフーコーの構造主義の陥穽とポスト構造主義の行き詰まりに関しても数ページでさっとまとめられている点はさすがの力量。リベラリズム批判も的を得ている。教養の内実を問うとなると、そこで語られている筆者の「体験」の綾の無さが気になる。「少年時代の夕暮れの情景、ぽつぽつと点く明かりと夕食の支度の匂い、こうしたものが無意識に感受性の土壌を調えてゆくのです。それがあって初めて「教養」というものが意味を持ってでてきます」。社会科学から出た保守主義は、ようやくにここまで書けるようになった。本当にやっと、である。それでも本著に、本当に魂の太り、志を高めていくような「学問の力」の在り様が書かれているとは思えない。それはそのまま近代日本の保守主義なるものが志を持ち得るのか、という問いと重なるのだ。C【送料無料】学問の力
2011.03.03
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相変わらずこの著者の書くものは文学を扱っていても文学になっていない。と、いうようなことを書けば最も苛立つという資質の持ち主。権威主義批判はあらゆる事象に権威を発見することに於いて最も卑小な権威主義に堕ちていることがある。ともかくも、この著者の「よく調べている」ということから来る事後の鳥瞰者であることの傲岸さは辟易する。テクスト論なるもののしょうもなさをきちんと捉えているところだけが、信用できる。E【送料無料】現代文学論争
2011.03.02

小泉の北朝鮮との交渉時によくTVで見かけた外交官、大変人気があるらしい。「シュッとしている」からだ。それは前原議員も同じこと。本書の優等生的な回想記を、本当に冷静になって読み進めれば、「外交交渉」という名目で徐々に国が売られていく様が如実に分かる。この人が悠々と語っているのは紛れもなくそういう光景であり、救いがたいのは、本人が自身でそこそこの外交的仕事をしてきたと思っているというその一点に尽きる。外務省(そして文部省)とはそんなもんだと分かっていても、これは恐ろしいことだ。オフェンス力を謳っているが、著者の主張はどこまでも「~しないと生き残れない」という近代150年、延々と続いてきた情勢論でしかない。勿論、官僚に本質論を期待しても詮無いことだが、それでもこの程度の志で現代日本では通用するのかと思えば情けなりもする。ともかく美辞麗句に見え隠れするのは、恐ろしく能天気な小人の危機意識である。きついかもしれないが、ここだけは厳しくあらねばならない点ではなかったか。F
2011.03.01
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タイトル通り、この出版社お得意の、例の如き、二流研究者が「装置」「創出」「演出」などという用語を使って「作られた伝統」を暴くのだというやつ。研究としても視点が少なく、論証も甘いし、読みも浅い。それよりも明治天皇のご巡幸に際し、内務卿大久保が出した通達、即ち、道筋に橋をかけたり、綺麗にしたり、汚いものを隠したり、往来を差し止めたり、献上物など、一切を不要としたこと。また、行在所に関しても修繕新築の必要なし、あくまでも民情を知ることが目的であるという通達である。これを以て、何を導き出すのか。それともこれも民衆の天皇としての「演出」であるのか。昔の人は、えらく意図的でずるがしこく演出したり、伝統を創出しようとしたものだ。このような見せ掛けの「研究」は最早、知的怠惰と言われても仕方がないであろう。F【送料無料】明治の皇室建築
2011.02.28

例えば「お櫃」と題された文章にこのような一文がある。「女は尻が重い。年若い女でも、尻を振る一撃をくらうと、やわな男は吹っ飛んでしまうが、結婚して主婦になると、尻の重さがさらに増す。とくに、ご飯どきがそうだ。普段は、家事や家の雑事に追われて忙しく立ち働く主婦も、お櫃を抱えて座ると、テコでも動かない威厳の様なものがあった。空威張りしている亭主が小さく見えた。その尻の重さは、封建的な家父長制度の中にあっても、一家の家計をまかない、台所の一切を取り仕切る主婦の威厳と誇りの象徴だった。」巧い文章である。道具とそれを使う暮らしの表情と質感がよく出ている。C
2011.02.27
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「畏怖と蔑視」の章、中世の非人に関する分析は、特に絵解き的要素が加わって著者の真面目。だが、最後の天皇になると驚くほどの失速。これでは、きびしい。D【送料無料】日本の歴史をよみなおす
2011.02.26
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ヤングアダルトノベルか何か知らんが、幼稚すぎる。アダルトでも何でもない。中学生かなんかが、自身の詰まらなさや日常の退屈さを自己確認する(つまり自慰行為だ)以外のなにものでもない。何よりも文章、プロット、ストーリー総じて紋切り型で埋め尽くされており、一体何の紋切り型かといえばマンガとドラマに他ならない。漫画的世界が著者の頭にあって、そのままを翻訳しながら書き進めると、このような片腹痛い、恥ずかしいくらいの台詞がぽんぽんでてくるということになるのだろう。文章でしかかけない世界ではない。この「あたし」ノリ(アイコ的世界)の甘ったれた、うら悲しい人物像を戦後民主主義云々や高度近代社会云々と論じても詮無いことだ。こんな代物が教科書や入試に出てくるらしいから、末世である。幼稚天国。浅野温子ファンとしては、筆名の変更をと願う以外に言うことなし。F【送料無料】ガールズ・ブルー
2011.02.25
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生後九日で母を失い、10歳の時には父親がジュネーヴを逃亡、ジャン=ジャック・ルソーの幼年は下僕、丁稚の毎日だった。16歳でジュネーブから出奔、変転きわまりないその放浪はかのルソー像とは程遠い。官吏の手伝い、音楽家等々、流浪と不満と失意と野心と憤懣と虚栄。ルソーを支えたのはジュネーヴの民であることの誇りだったと本書は言う。最後期の著書を除き、自著には「ジュネーブ市民」と記した点に注目しているが、青年ルソーの伝記としても読みやすいし、いとも容易く人権・理性・市民などを謳う我々は、どれだけの失意とそれを裏返す希望からそれが口にされたのかについて思いを馳せるべきであろう。ジュリアン・ソレルよりも文学的な甘く苦い人生がそこにあった。C【送料無料】誇り高き市民
2011.02.24
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「竹久夢二、武井武雄、初山滋、加藤まさを、蕗谷虹児、中原淳一、いわさきちひろ、長新太、安野光雅などなど、明治から現代までの代表的な童画家45人の足跡を簡にして要を得た文体でつづった、ありそうでなかった貴重な日本児童出版美術史の労作」。明治期の御伽噺にはお伽絵が、大正期からの童心主義にはそのタイプの絵が、そして戦後には子供=人間主義が色濃く挿絵に影響する。作品が挿絵に影響を与え、挿絵のイメージは読者の幼年期の思い出を形成するのであるから、実は此の分野の研究はもっと進められて然るべきなのだが。時代変遷がよく分かり質の高い書である。C 【送料無料】日本の童画家たち
2011.02.23
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同朋衆の活躍と立花師の花伝書作成、池坊の出現、江戸の園芸ブーム、近代芸術としての活花まで、華道の変遷がすっかり分かる。記述も平明。同朋衆の発生は如何ならんという疑問が残ったが、類書見つからない。C【送料無料】「花」が語る日本史
2011.02.22
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茶化していないし、こそこそリアリズムがあるし、やろうとしていることはわからんでもないが、「直球の速度を上げないと習作で終ってしまう」という典型。一歩、いや半歩でも「春樹的世界」の前を行くには、実は否応にも直球勝負が必要なのだ。男性作家でこのへんで勝負するためにはね。春樹は直球150キロでる。がんばって欲しい。D【送料無料】四十日と四十夜のメルヘン
2011.02.21
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文庫化に際し再読。再読に堪えるのはブライアン・ウィルソン、スプリングスティーン、そして矢張りスタン・ゲッツ。また、スプリングスティーンとレイモンド・カーヴァーへの共感は、非常に興味深いし、アメリカ文化論として秀逸の感アリ。ヤッパリというか、何というか、読者達は、春樹的世界の誠実さ(実は誰よりも率直であった)の強度にやられっぱなしになるに違いない。さすが。B【送料無料】意味がなければスイングはない
2011.02.20

東洋学の泰斗の生前最後の著作。在りし日の京大支那学の回顧から、身辺雑記まで珠玉の小文集。洒脱慷慨皮肉も所々で、愉しい一本となっている。特に中国とロシアを「叱る」政治に関するエッセイは、現下東アジアに燻る領土問題に照らして見れば鋭く的確なものだ。清朝盛期の越南との領土問題を挙げ、大国としての余裕が中共にはない、と。唯物的に貪欲になった中国に対し、歴史を読まなくなったからというのは蓋し炯眼であろう。歴史を鑑みると中国人は言うが、自身に利する歴史だけを見る、自身に利するように歴史を書き換え・隠蔽するというは歴史を知らないと同語である。C
2011.02.19

142篇の絵本の紹介文集成。一篇1000字くらいか。あたりも触りも無い内容で、あっさりしていて良い。絵本は直ぐ読めるので、表紙写真とこれくらいの文章があれば十分、余り御託並べられては困る。少し時代が古いのが尚更に本著の魅力。C
2011.02.18
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千利休を盲目に信奉することから離れ、と言っているが、功罪の罪の部分は記述なし。しかし、よく練られた編集となっており、飽きさせない企画だと言えよう。監修者が若いからこのような立体的な視角を本に出来たのだろうが、しかし、プロダクト・グラフィック・イベント・プロデュース・ユニバーサルデザイン・クリエイティヴ・プロデゥーサーと言う用語の頻出は、逆に80年代的な「古さ」に繋がる。ここのところが分からんと茶道は田舎臭くなるばかりだ。巻末の「千利休 茶会道具一覧」という物凄い表は、洗練ではなく、それこそ「データベース」化した茶道への視点を如実に語っている。現代に「茶人」などと名乗る監修者の若者が作ったものだろうか。とにかく下品である。利休がわび茶の伝統を創始したことの意味は、後の日本人の美意識にとって如何なることなのか、というテーマはなかなかに判り易いようで、難しい。堺の商売人、身長は180センチの大男だという。D【送料無料】Pen BOOKS 千利休の功罪。(ペンブックス6)
2011.02.17
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当然(?)と言ってよいが読みは浅いし志は低い。しかし、浅田彰、中沢新一、蓮實重彦、柄谷行人から、福田和也、大塚英志、宮台真司、そして東浩紀とニューアカから現代までのアウトラインはよく捉えていて、好きこそものので、めんどくさいことを書いてくれたということだ。東浩紀の一人勝ちとは誰が云っているか知らんが、本著で読む限り、普通の事しか言っていない(勿論それにデリタの出汁があるのだから三ツ星レストランに並ぶ人には旨いのだろうが)。ええ歳して、子供の横でゲームしてマンガ読んでフィギア弄くっていて幼稚臭いという偏見を(偏見なるが故に)大事にしたいものだ。NAMもゲームも、テロも世界資本主義も、本ブログも、ナショナリズムも、管理社会も、マイクロソフトあってのこと。E【送料無料】ニッポンの思想
2011.02.16

八歳の童女による出産、幼児虐待、衆道(同性愛)、暴動といった奔放で残酷な江戸の一面を史料を用いながら軽いタッチで捉える試み。外国人たちが見た江戸が子どもの楽園だったこと、子女の手習いの文化が身分制を超えて浸透していく状況、若者衆と任侠道の関係など等、興味深いテーマが盛りだくさんで、章タイトルも読む気を起こさせる。だが、それでも本書が、柳田の卑小版としか云えないのは、「幸いなことに、歴史家は個人の心理の深奥に分け入ろうなどとは、てんから考えていない」とする点に尽きる。風俗の底に見える欣求や希望、是絶望にさえ目が行き届いているとは云えない。ヤッパリ戦後トイウコトダ。D
2011.02.15

和製サッチャーとして政界に打って出ればという声も多い著者。今こそという感も頻りである。本著は、…内容としては、薄い。本屋が手抜きをしている。中学生くらいになったら読んで欲しい。D
2011.02.14
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文学だけではなく、音楽・映画・絵画・建築までを含めた選考というのは、壮大で斬新なアイディアである。こういうスケールだけが大きな企画にはもってこいの恥知らずが好きなことを言い合っているのもまた微笑ましい。ハックルベリー・フィン」がどうして入らないのかというサイデンステッカーの「異議」が微笑ましい。E【送料無料】千年紀のベスト100作品を選ぶ
2011.02.13
縄文土器を古代の遺物であるとか、生活道具ではなく、芸術作品として見るというそのことの「近代性」に対して鈍感すぎる。これでは和辻哲郎の縄文版でしかない。もちろん、畏怖や超越への眼差しという親切もあるが、それでも記述は終始何か鯱ばっている。E
2011.02.12
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ナンデモアリのぐだぐだな高度消費社会に於いて、それでも過剰な意識で美意識を洗練させ、価値を選定し、階層を区切ろうとすること。果てしなきビゥルディングか、儒者風の克己鍛錬道か。いずれにしてもなかなかにしんどい事だ。後半は内輪話。編集者は悦ぶのだろう。D【送料無料】悪女の美食術
2011.02.11

冒頭の児童文学の一つの定式、「行きし帰りし物語」は面白い視点だ。それ以外は、ちょっと軽いか。E
2011.02.10
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「引かれ者の小唄」や「乳母日傘」、「おさんどん」「野暮天」等等、口にするだけで「感じ」がある渋い言葉が選ばれている。さすがに広告業界の第一線で活躍した著者ならでは、と言える。こういう言葉のセンスを持っているものが、悲しいかな消費社会を洗練させ、かつ肥大させもするのだ。高校生の国語の副読本として配布すれば、実はものすごい「効果」を齎すのではないか。伝統の味わい深い言葉を口にしてみること、それは確かな生の輪郭を与えると同時に、成熟への第一歩となるのではないか。C【送料無料】懐かしい日本の言葉ミニ辞典
2011.02.09
古い本だが、まだ若書きの飢えや憤怒が混じっていて、どころどころ胸を打つこともある。著者若かりし日、会社の近くの安食堂のラーメンは一杯30円、ホイジンガの『中世の秋』は1500円だったという。ミラーの『わが読書』、ブランショの『文学空間』が紹介されているのも時代を感じてゆかしい。D
2011.02.08
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どんくさくて、かわいらしい。こちょこちょ動いて、ぽてぽてこけて、ぐずぐず反省する日常というものの、何という甘美さ、なんといういじらしさ。B【送料無料】父の縁側、私の書斎
2011.02.07
「おけい物語」は明治期のアメリカへの殖民を一人の薄倖の少女を中心に、見事な物語歴史、歴史ルポとしてまとまっている。司馬遼太郎に押されてか、明治史には欠かせない木村毅は忘れられた存在になりつつある。ちくま辺りがコレクションとして文庫化すべし。C
2011.02.06

日本人は柱、西洋人は壁を大事にする、という指摘は面白い。E
2011.02.05
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ぴりりとするような詩人の言葉に、どこを捲っても巡り合わない。面白そうなのだが、いまひとつつっこみが足りない気がするのはエッセイゆえか、筆力か。E【送料無料】よむ、詠む、読む
2011.02.04
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さすがにかの父上を持たれた人、現代名のある茶人文化人から茶の湯の手ほどきを受けるが、どこかで屁とも思っていない観あり。そりゃそうだろう、檀一雄イズムにとって茶の湯とは「木ッ葉」の如きもの。最後に亭主としてようやく迎えた初茶会、父君の「命なり怒涛の果に残る道」の色紙を書けるところはさすが、これまでの手習いを卓袱台ひっくり返すように蹴散らした。しかし、含羞から来るおどけ(ああっという言葉がよい)の文章と、見事な淑女の写真とのギャップがものすごいが、兎にも角にも檀ふみ写真集として座右の書也。B【送料無料】檀ふみの茶の湯はじめ
2011.01.26

布・木・石・金属など様々な素材に自由に塗ることができるアクリル絵具。その独特の風合と材質感を生かした使い方やテクニックを、新鋭アーティスト達の作品を紹介しながら一覧できる。編集アイディアとしては素晴らしい。C
2011.01.25
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巻末の実測図が類書に無いところ。吉田健一、立原道造、岡部伊都子、植田正治ら15名の暮らした家、作家だけでないのがおもしろい。D【送料無料】作家の家
2011.01.24
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徳富蘇峰『近世日本国民史』竹越与三郎『二千五百年史』三宅雪嶺『同時代史』から大川周明『日本二千六百年史』、そして松本清張、司馬遼太郎。著者の健啖な読書人ぶりが率直に書かれていて興味深いし、著者が而立の齢になって大学に入学してから私淑していた坂本多加雄との交歓記もその人柄を偲ぶに心せつなくもなる。著者と師は1才違いと分かって驚き、そしてじんわりと感迫りくるのだった。著者の学ぶということ、自身の興味と志のまま学ぶ姿勢は大変参考になる。幕府衰亡論の章、竹越三叉の章は読み応え十分あり。C【送料無料】おもしろい歴史物語を読もう
2011.01.23
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タイトル通りの本。核兵器のしくみがよく分かる。原子爆弾という言い方は不適切であることが分かった。もうちょっと開発の歴史などが触れられていればと思うが、物理の人だから仕方なし。読了後、分かったということ以外の何の気分も無い。それが近代兵器というものなのだろう。鉄砲や槍、刀、或いは戦闘機や軍艦との違いははっきりしている。D【送料無料】核兵器のしくみ
2011.01.22

絵が存在する第一の役割、それは図像の訴求力にある。つまり、メッセージであるということから始めれば、近代の美術界のクオリティー中心主義(名前・真偽・稀少性)とは違う美術史が書かれるだろう。著者選りぬきの古今東西の図像が興味深く、講義方式で面白いのだが、矢張りバブル期のチョケタ文章が今になって古い。絵の構造主義的読み解きは、この人を端となすのだろうか。チラシや広告といった民衆のメディアから時代を読み解くというスタンスは、今や何もすることがなくなった(何も言うことがなくなった)文学研究に受け継がれている。E
2011.01.21

明治人堀井新冶郎によってガリ版、即ち謄写版印刷機の発明された。正に日本の言論界(同人雑誌から広告、アジビラまで)に与えた影響は計り知れない。宮沢賢治、或いは、第一次大戦時のドイツ人捕虜のガリ版のエピソードは興味深かった。D
2011.01.20
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俳句をやる人の旅であり、紀行文だ。嘱目を探るかと思えば、風景にちゃんと身をゆだねられる。匂いを嗅ぐ、喰う、そして歩く。ディレッタントの気障な旅とは違い、数寄者の自身が動くことの阿呆らしさ故のかなしみが伝わりもする。D【送料無料】日本詣で
2011.01.19
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書道に於ける行書先行論は納得がいく。寧ろ、昔の人は楷書の方が書けなかった。一方、文章はまず楷書よりと言う。至言也。日本の文章は短文が優秀であるというのも実は今に忘れられた指摘である。学校機関に於ける文章上達の手引きとして「褒める」ということを挙げた後、山本元帥の「ヤッテミセテ/イッテキカセ/ヤラセテミテ/ホメテヤラネバ/ヒトハウゴカジ」の文句を引用して本書は締めくくられる。C【送料無料】日本の文章
2011.01.18

それほど実践的でもなく、総論も当たり障りなし。虎の巻とは言い過ぎか。E
2011.01.17

エッジの効いた写真。ジャーナリスティックになることを避け、縦横に中国の息を感じることが出来る。矢張り、アジアは傷ついているということを切々と思う。近代によって。久しぶりにいい写真集に出会った。B
2011.01.16
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農文協の本はいつも面白い視点を提供してくれる。新建材の洋風の家が如何に安くつくかという視点は大切なことだ。こうして戦後日本人のライフスタイルの変遷をみると、アメリカの物質に単純にヤラレタだけということがよくわかる。C【送料無料】窓を開けなくなった日本人
2011.01.15
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戦後教育批判(というか戦後教育の完成としての今日の頽廃への批判)としては完璧といっていい。姿勢として、批判のアウトラインとして完璧であり、客観性や証拠云々と論う必要は無い。もちろん、略記でしかないが、それでも堂々たる言論として評価されるべきだろう。ところどころ考えされられる記述も多い。戦後教育の合理主義批判、金八先生教育が生んだ得体の知れない自己肯定主義、引きこもりがゲームを手放さないのは自分が主役だから、等等。優秀な生徒の親のタイプとして、「学校(特に公立学校)の主張は主張として聞き流し、戦後教育的価値観からは『正しくない』家庭の教育方針をしっかりと持っている」。また、「『最近の若い連中は、知識があるかもしれんが、国を思う心がない』と嘆く保守派の方がいますが誤解です。彼らは日本に誇りを持つだけの知識がないのです。情緒的なモヤッとした愛国心は意外と持っています」などという文章の「聞き流し」「もやっとした」の言葉の切れには感嘆した。もうちょっと行けば「アホが先生やっとるから」ということになるだろうが、さすがにそれは慎まれている。SMAPの歌う(そして全国の小中学生の頭に流れている)「一人一人がオンリーワン」の幼稚さから逃れるのは、いよいよ難しい。そのことを心から痛感している著者の言葉だ。A【送料無料】戦後教育で失われたもの
2011.01.14
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リアリズム小説を担うのは高度近代化社会にあって、女性しかないということを改めて思わせる秀作。めんどくさく厄介なのは、最早「己」の生ではなく、女であることそのもの。形而下の生生しさは乳と卵に極まるということだろう。文章は町田康の影響があるか知れないが、ともかくこの作者がちょけてるようでちょけていないのは確か。書くべきことを逃げを張らずに書こうとしている。町田康ならケツまくって、さかしく落ち着くところ。そこが決定的な違いである。まことに男はケツの穴がちいさくなった。芥川賞選考にあたって石原慎太郎が拒絶したということもそのことの証明だろうか。本著者は、あほがあほやることのあほらしさを、直截の、無限の愛情で抱き締められる作家であると感じた。B【送料無料】乳と卵
2011.01.13
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保守主義という文脈から柳田国男の思想を捉えなおすというもの。日本保守主義という称えがようやく使われるようになったかと読みすすめれば、矢張りというか何というか、一種の「翻訳」に行き着いてしまう。社会科学の限界と言えばそれまでで、これ以上はどうしようもないのだろう。いくら概念操作をしても柳田の触れ感じた「直の日本」を捉えることはm難しい。橋川文三などが政治学概念を以て保田與重郎を語るのと同じことになる。しかし、著者が保守の姿勢を語ろうとする、或いは保守の守るべき「内実」を語ろうとするに、大横綱に当ろうとしたその知的真摯は評価しなければならないだろう。佐伯啓思、松原信一郎、宮本光晴、などといった西部邁のソシオエコノミックスの影響を受けた研究者たちの、幅の広さと言論の力量は、「尻」の軽いポストモダンの輩には無い「腰」の靭さを持っている。C【送料無料】柳田国男の政治経済学
2011.01.12
前半は、高峰秀子や樋口清之、陳舜臣ら12人とのやきものを巡る対談、後半は、文学の中に出てくるやきものに関するエッセイ。どれも品あってまた情緒ある文章。出口直日との対談は特に興味深かった。たま、木下杢太郎の詩にこうした文脈で出会うと、そのノスタルジアに思わず知らず痺れが来る。C
2011.01.11

矢張りうつわの極は壷だと観じるのは、何も入っていないことでも立っていられるその存在感なのだろうか、それとも何ごとも入ってしまうという豊かなる気分の為か。C
2011.01.10
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百マス計算などの「陰山メソッド」で有名な著者だが、言っている内容は極めてオーソドックスなものだ。何度でも主張されてよい事ばかり。朝は米を食えという点はいい。が、大阪府知事が全中学生に給食をと言っているのを、大阪府教育委員会委員である著者は如何に考えているのかを知りたい。D【送料無料】学力は家庭で伸びる
2011.01.09
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結局本著も殆ど使えないデータ。日本の大学という存在は、大学自体の教育システムや研究成果を比較するようなものではない、ということか。正も負もなべてTVが価値を決める世である。F【送料無料】ニッポンの大学
2011.01.08
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