(2)◆映画アルバム・大川橋蔵傑作写真集◆から (1959年映画ファン9月号)


❶ 2022.5.1掲載
1. 2.
   1.表表紙                    2.裏表紙
3. 4.
  3.新吾十番勝負 葵新吾              4.恋山彦 伊那の小源太  
5. 6.
5.花吹雪鉄火纒 長次                   6.大江戸七人衆 秋月壮四郎

❷2022.5.9掲載

明眸、静かなほほえみを浮かべて、橋蔵さんはなにを想う。

行く夏のなごりを惜しんで、線香花火に興じる橋蔵さん。

ソンブレロを手に、ご機嫌の橋蔵さん。夢は旅へのノスタルジア。

❸ 2022.6.14掲載

美しく哀しい平家の運命を象徴する平敦盛を演じた橋蔵の気品ある美しさは永く映画史に残るだろう

橋蔵は白井権八の悲劇的な青春を哀愁で彩どった

美貌、気品、意志の光に満ちた橋蔵さんの徳川万太郎

殺気をはらんだ真剣な表情は、彼の殺陣の根幹です

❹2022.7.8掲載

義賊・ねずみの面目を見事に演じた橋蔵さんの英姿!

橋蔵のやくざ姿の魅力は、激しさの中に深い人間的苦悩を含んだ哀愁にある。草間の半次郎、大前田栄次郎等の傑作はかくて生まれた。

どんな役柄でも橋蔵は自分のものとして演ずる。名優--橋蔵さん。

華やかな若侍、橋蔵十八番中の十八番。トップスタアの貫禄十分です。

➎2022.7.15掲載

葵新吾は、昭和34年度に放った橋蔵の傑作だ。時代劇の革命来るを思わせる。

"私は一真を斬る"恩師梅井多門の亡きがらに誓う新吾。決定的瞬間の一駒です。

剣に生き、剣に死のう。多感な青春の苦悩と夢を綴る橋蔵の人間像の美しき一瞬。


❻2022.8.15掲載

勅命を奉じ綱吉の暴政に単身挑戦する小源太の英姿!!

江戸にのぼる日、小源太とお品は初めて結ばれたのだった。

無二斎は虚無の闇の中に一条の光(小源太)を見たのだ。

小源太の正義と怒りの一剣は、吉保を斬ったのだった。

凡ゆる希望を失った無二斎は、酒の中に生きがいを求めていた。

おむらの愛情も無二斎の虚無を救うことはできなかった。

小源太の無垢の心は無二斎の虚無を救った。ついに剣は抜かれた。

"虫けらどもっ! こいっ!"無二斎の一刀流は血を求めて鳴った。




❼2022.9.12掲載
☘「新吾十番勝負」2部
剣に己の生涯を賭けようと決意した葵新吾の波乱に満ちた青春を橋蔵は、香り高い演技で熱演している。勝負の一つ一つに己の未熟を発見しながら人間の成長を願う新吾の純粋な若者の姿は、時代劇を一つの思想時にまで高めたものとして、高く評価されるべき傑作であった。

お咲の心情に新吾は人生を見るのであった。

第五の勝負・大阪城代の悪計に新吾の正剣はついに抜かれた。

第四の勝負・怪盗日本駄右衛門の剣に新吾は一つの人間を見た。

第三の勝負・木刀でやくざを殺した新吾は己の未熟を知るのだった。


❽2022.9.30掲載
☘怒涛の対決
昭和34年度、夏のオールスター時代劇巨篇であり、橋蔵は波乱の生涯を送った義賊、雨傘の勘次に扮して人情味溢れる演技を見せている。
*子分佐吉と娘義太夫呂月との幸福を信じながら勘次は縄についた。

☘天下の副将軍
月形龍之介の黄門、橋蔵の格さんはともに当り役であったが、この作品では橋蔵は格さんを里見浩太郎にゆずり、隠密役伊之吉を演じている。いきな板前姿に身をかえた橋蔵は、江戸っ子の面目を発揮して好評だった。



☘紅顔の密使
舞台を陸奥にとったこの作品は、剣と恋と冒険にいろどられた大活劇で、西部劇を彷彿させる巨篇であった。鎧に身をかためた橋蔵の若々しい魅力は、異色篇の名に恥じぬ堂々たるものだった。





❾2022.10.  掲載
🎞️天下無双の剣
ひょうきんで、茶目ッ気を失わない橋蔵の明朗な性格は、そのまま二枚目半の役に会うのであろう。この作品で、橋蔵が演じた義賊稲葉屋次郎吉は、右太エ門の本多左近の重厚さと好対象で、時代劇ファンを堪能させた。

風流ししゃ、本多右近の手足となって悪に挑戦する義賊、次郎吉!

御用提灯の灯の中に、次郎吉はすっきりと立った。
🎞️おしどり道中
橋蔵が"喧嘩笠"から久々で、主演する本格的股旅篇。橋蔵股旅ものの名コンビ佐々木康監督がメガホンをとり、東映初出演の青山京子がおもん役を演じている。橋蔵・京子のコンビは初めてながらすばらしかった。

草間の半次郎に真の男の姿を見たおもんの胸に恋が燃えた。


🎞️新吾十番勝負 1部
宿命の子、葵新吾は将軍の子として生まれながら、一切の栄達の道を捨て、剣位一途に己の人生をかけるのだったが、気品溢れた青年の苦悩を橋蔵は見事に演じて、彼の傑作の遺作ものとしたのであった。

ふとした心の乱れが一つの星を呼ぶとは吉宗も知らなかった。



➓2022.11.11 掲載
🎞️忠臣蔵
昭和34年度新春大作、岡野金右ヱ門といえば、四十七士中でも代表的な美男義士。まさにうってつけの橋蔵役であり、ひばり扮するたかとの美しくも哀しい夫婦の誓いは、全国映画ファンの涙をさそうに充分だった。

殉死を誓った四十七士の前に、内蔵助は、はじめて仇討をつげたのだ。

死を決した金右ヱ門とたかは来世の夫婦の誓をするのだった。

🎞️丹下左膳
橋蔵はこの作で映画入り初の同心役、越前守の腹心、伊吹大作を演じている。黒の羽織に朱房の十手を斜めに構えた雄姿は魅力に溢れ、前作につづき大友柳太朗の丹下左膳と気の合ったコンビぶりで、迫力にとんだ数々の場面を見せている娯楽巨編である。



左膳の妖剣か、大作の正剣か?

🎞️喧嘩笠
「見るとおり、ただの一人よ」歯切れのよい啖呵、鯉口三寸、男の意地に死ぬ気で斬りまくる大前田栄次郎は、橋蔵にまた新しい魅力のひとつをくわえた賞賛された。




🎞️紅鶴屋敷
スリラー物の本家ヒッチコックに対抗しようと意気ごむ鬼才沢島監督の作品だけに、従来の若さま侍とは趣を変えている。伝統の紅鶴屋敷に伝わる連続殺人事件の鍵をとく若さまのすばらしい推理を、橋蔵は静かに演じて従来の型を破った。







⓫2022.12.3 掲載
🎞️修羅八荒
二条城の闇に消えた四千万両の行方と三輪与一郎の下手人を求めて、旅を急ぐ浅香恵之助と三輪滝太郎の波乱に満ちた日々を、右太衛門と橋蔵は夫々の個性にみちた演技で描き出した時代巨篇であった。



🎞️くれない権八
白井権八の悲劇的な青春は、まさに橋蔵にうってつけの役柄であるが、橋蔵はあくまで人間権八の心理の綾まで描き出すというキメの細かい芸を見せた。悲劇的な権八と比呂恵のラブシーンも出色のできであった。



🎞️鳴門飛脚
不知火の新三に扮した橋蔵は、二枚目半の役柄を巧みにこなして絶賛の拍手を受けた。

🎞️旗本退屈男
右太衛門主演三百本記念作品に出演した橋蔵の胸には、深い感慨があったに違いない。



⓬2022.12.31掲載
🎞️若君千両傘
橋蔵はこの作で里見浩太郎、花園ひろみ等の若手スタアと共演したが、役柄も兄貴株であり、演技面においても数々のアドバイスを与え、若手スタアから兄のように慕われている

🎞️花笠若衆
橋蔵・ひばりの"おしどりコンビ"が久々に放った歌と剣の娯楽巨編である。二人のコンビ作には、他に見られない明るさと華麗さが発揮されるのは二人の性格と芸の力であろう

🎞️大江戸七人衆
花のお江戸にその人ありとうたわれた七人衆!義理と人情の世界に、弱気を助け強気をくじく男の中の男、秋月荘四郎に扮した橋蔵のすばらしい魅力は、浪人ものに新しい境地をひらいた。

🎞️旅笠道中
この作は、"喧嘩道中"と同じスタッフに花園ひろみを加えた草間の半次郎ものであるが、橋蔵の格調高い演技と全篇を流れるリリシズムにより、股旅ものの最高と激賞された傑作であった。



⓭2023.2.2掲載
🎞️丹下左膳
林不忘不朽の傑作"丹下左膳"は、これまでも度々制作されてきたが、この作はその決定版として製作された。柳太朗の左膳、橋蔵の柳生源三郎、ひばりの萩乃という最高の顔合せは最高の娯楽映画として大成功をおさめた。

🎞️緋ざくら大名
橋蔵の魅力の一つは匂うばかりの気品である。桑名十一万石の次男坊、松平千代三郎に扮した橋蔵は、生々しい気品と持前の義侠心にとんだ演技で熱演し、若様ざむらいとは違った味の雰囲気を画面に描き好評をはくした。

🎞️任侠東海道
昭和33年新春を飾る恒例のオールスタアものである。橋蔵は清水一家の熱血児増川の仙右衛門に扮して、錦之助の鬼吉、千代之助の半五郎などと、若手トップスタアの貫禄を如何なく発揮した。

🎞️花吹雪鉄火纏
双肌に龍のいれずみ、火を吐くような意気なたんか、若鮎のようなきりりとした動作。美男橋蔵の十八番の男度胸の纏ものは、橋蔵ファンならずとも、ため息のでるすばらしい一大絵巻物であった。



⓮2023.3.8掲載
🎞️はやぶさ奉行
若武者、浪人、若君、やくざ・・・行くとして可ならざるはない橋蔵は、この役で侠盗ねずみ小僧を演じて、その役のこなし方のすばらしさに遠山の金四郎千恵蔵師を驚嘆させた。

🎞️鮮血の人魚
橋蔵十八番中の十八番、若さま侍捕物帳の第六作目である。溢れる気品、とぼけの中にきらめくするどい推理は、秘剣一文字崩の殺陣とあいまって、不動のシリーズものになった。

🎞️ふり袖太鼓
野武士と橋蔵この野心的な配役は批評家の注目の的となったが、美男すぎると危惧された橋蔵は、たくましい行動のうちにも詩情を失わず、野武士の新しい型を見事に演じた。

🎞️水戸黄門
度々映画化された作品を演じるのはきわめい難しいといわれる。渥美格之進に扮した橋蔵は、格さんのもつ静と動のコントラストを巧みに演じて、格さん役の最高と激賞された。

🎞️緋ぼたん肌
直参旗本の嫡子と生まれながら、義理のため義弟に家をゆずり、遊侠の群れに身を投じた緋ぼたん源次は、橋蔵の持前の性格にぴたり。魚が水を得たような伸びのびした演技は好評。

🎞️二人大名
大名と船頭。しかも船頭の身でありながら、悪人にかつがれて大名をつとめるという、性格身分のまったく違った二役を橋蔵は見事に演じ分けて、演技派としての実力をしめした。

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