ヘンリーの国際関係学
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<ESSでの経験から学ぶ教育(3)仕事を渡す>ちょいと間が空きましたが、僕が部活動を通して得た「教育」という考え方について(1)(2)に続いて書いていこうと思います。今回のテーマは「仕事を渡す」ということです。僕が3年生になった時、これから来る新入生に向けて「体験入部」を企画することになりました。これはセクションごとに、「セクション紹介」を兼ねた企画であり、僕が所属していたのはディスカッションセクションも、とても説明が難しい、ディスカッションの内容や魅力を紹介することになりました。当時、うちの大学のESSディスカッションセクションには、同学年に僕しかおらず、1つ下の後輩が2人居るだけでした。なおかつ、僕は神戸地区のESS連盟の役員や、演劇部を兼ねていた為に十分な時間がある状態ではありませんでした。それゆえ、「仕事を分ける」とは、ほぼ必然の事態ではあったのです。それでは、「僕がどのような事を注意して仕事を渡し、どのような結果になったのか」を見ていきましょう。[1] 全体と流れを伝えるまず、僕は一人で全ての説明の流れを考えました。何を、どのような順序で説明し、どう時間配分するのか。そして、後輩を呼び、「流れ」を理解してもらいました。簡単に全体を説明した後、担当分野を選んでもらい、それが全体でどういう役割を果たすのかを説明しました。「流れ」を理解してもらうことで、作業自体がバラバラであっても、全体としての統一感を出すことができました。[2] 笑顔で信用する新入生に対しての企画である以上、ESSの未来が掛かっているようなものです。部活動として、この企画で行なうことは責任重大です。ゆえに、「責任感」を自覚してもらわないといけません。ですが、かと言って「失敗したら、アカンで!!」なんて言おうものなら、後輩は萎縮してしまい、「守り」に入ってしまい、面白い企画を自由に考えることができないでしょう。「大変だと思うけど頑張ろうな」と、笑顔で、後輩と同じ目線で、語りかけることが大切です。信用していることも伝えてあげると、なお良いと思います。「大丈夫。今まで見てきて、お前ならできるって知ってるから」といった感じで。笑顔で励ましながら、信用している事を伝える事で、間接的に「責任感」を自覚してもらうことができました。[3] 必ずチェックするいくら後輩を信用して、仕事を任せたとしてももし、それが本番で失敗すれば、任せた僕の責任です。それゆえ、後輩の出来をチェックするのは当然の義務です。本番の数日前に全員を集めて、時間を計りながら予行練習を行ない、悪い所、不十分な所を遠慮なく指摘します。その際、代替案を言うのですが、「こうしろ」では無く、「こういうやり方もある」という言い方にします。(これについては、ESSでの経験から学ぶ教育(4)で詳しく書きます)問題点の指摘以上に重要なのが「ここが良かった」という言葉です。「悪かった」だけでは、前向きな努力家でも凹んでしまいます。「ここが良かったよ」と、良かった部分をきちんと褒めてあげて、指摘された問題点を、「もっと良くしよう」と思える気持ちを喚起します。各自、修正点を抱えて、各自でやり直した後、本番前にもう一度集まるのが良いでしょう。僕らの場合は、後輩の出来があまりに良くて、簡単な修正のみだったので、そのまま本番に挑みました。先輩がチェックし、最終責任を持つことで、後輩たちも安心して企画を考えることができるのです。また、問題点を頭ごなしで叱責するのではなく、指摘しながら、褒めながら、良くなる方法を教えてあげることで、「もっと良くしたい」という気持ちを、指針を持って叶えていけるのです。[4] 結果後々に入部した新入生の話を聞くと、出来は上々だったようで、「ディスカッションが楽しそうだっていう気持ちが伝わりました」と教えてもらいました。それ以上に、僕が成功だと感じたのは、当時の2年生の2人が、自発的に考え、工夫し、向上心を持って行動し、僕と同じか、それ以上の結果を出してくれた事です。そこで磨かれた力は、本業のディスカッションにも及び、僕の引退後には、僕以上の活躍を見せてくれる事になりました。当時の新入生である後輩からも、彼ら2人はとても慕われている事を聞きます。今でも2人の活躍話を聞くと、技術的には、大した事は教えられませんでしたが、イチバン大事な事は伝えられたかな、と自分の事のように嬉しくなってしまうヘンリーなのでした。あ、余談ですがこれを書いた後に、「踊る大捜査線2」を観たんですが、あの映画の中の室井管理官って、割とこんな感じでしたよね。仕事を部下に任せて、自分が責任を取るあたり。……美化?
January 12, 2005
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