小役人の人生徒然遍路日記

小役人の人生徒然遍路日記

PR

×

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

hidem12

hidem12

Calendar

Comments

マリリンたちのパパ @ ご訪問ありがとうございます こんにちは ご訪問ありがとうございます …
とっていわく @ Re:区切り遍路1回目 1番~19番を終えて(05/17) はじめまして >今回の旅で、何か変…

Freepage List

2006.05.05
XML
カテゴリ: 遍路
12番札所 焼山寺
 今日は遍路転がしと言われる難所の道だ。ホテルから焼山寺まで約15km、焼山寺から次に宿泊するホテルまでは約16kmの道のりだ。
 早朝3:30、ホテル発。近くのコンビニで朝食を買い、駐車場で食べた。夜明け前の寒さに震えながら食事をとった。
 まず、焼山寺への登山口のある11番藤井寺へ向かう。まだ真っ暗な中、ところどころにある街灯の明かりを頼りに歩く。昨日のマメの応急処置のおかげか、何とか足は大丈夫。歩けそうだ。
 4:30、 藤井寺 到着。山門に、今日の旅の無事を祈って頭を下げ、登山口のある境内の奥へと向かう。まだ暗い中、近くに見える遍路の道しるべを頼りに登山道を入っていく。登山道の両脇には、お地蔵様の祠のようなものが並んでいる。良く見ると、88ヶ所の札所をおまつりしてある祠のようで、○○番○○寺と書いてある。だとすると、88の祠があるんだろうか?暗がりの祠は少し気味が悪く、思わず「南無大師遍照金剛」とつぶやきながら、祠の前を進んでいく(少しお遍路らしく、信心深くなってきたかな)。
 祠の列を過ぎ、急な登りを越えると、少し、空が白んできた。また少し登っていくと、徳島平野を見渡せる高台に出た。夜が明け始めた平野の風景。とてもきれいだ。一昨日は前に見える山のふもとを東から西へ、そして昨日はあの山のふもとから、こちらの山のふもとまで歩いたのだ(上写真)。
 そこからまた1時間ほど山道を登り、6:00 長戸庵 着。12番までにある3つの庵のうちの1つ目だ。納札を納め、参拝し、小休止の後、再び歩き出す。遍路道にたくさんついている道しるべや励ましの文字。一定間隔で置かれているお地蔵様。焼山寺までの遍路道は本当に趣がある。登り道はきついが、土の道はコンクリートの道よりも足にはやさしいようだ。
 急に下り坂になり、そこを下り、7:30 柳水庵
 柳水庵はその名の通り、水が湧き出ている。庵を参拝し、空になったペットボトルにお水をもらう。更に柳水庵の敷地を歩くと、畳が敷いてあり、寝具が一式あるプレハブ式の建物があった。これが無賃で泊まれる善根宿というものか。壁には多くの納札が貼ってあり、多くに人がここで泊まって旅をしているようだ。
 次は、一本杉庵(浄蓮庵)を目指す。一本杉庵までの道は、途中まではなだらかな山道だが、1/3過ぎたところで急激な登りとなった。ザックの重みで腰が痛くなるし、足もまた痛み始めた。休憩の頻度も高くなるが、あまり足を止めすぎると、逆に足が動かなくなる。ここで初めて、後ろから別のお遍路さんと出会う。顔つきもスポーツマンっぽく、とても早いペースで歩いている。聞くと、6時ごろ藤井寺を通ったとのこと。私より1時間半も早いペースで驚く。
 最後のきついのぼりを登りきると、石段が現れ、その上に、大きな杉木を背に、とても大きな弘法大師の像がこちらを向いて立っている。本当に急な坂を登りきったところに出現した大師像なので、「救われた~」という感情がこみ上げてくる。それを狙ってこの像建ててのだろうか。。だとしたら、大正解。本当に、ありがたく感じてしまった。8:35、やっと、 一本杉庵 に到着。
 一本杉庵から焼山寺は、前半下り、その後また登る道になっている。前半の道を下りきると、ちょっとした民家が数件ある集落に出る。その遍路道の脇の民家の犬が、すごく元気に吠える。集落を抜け、後半の急な登り道に入った後も、その犬の鳴き声が何度か聞こえる。後から来ている他のお遍路さんたちもきっと吠えられているのだろう。それにしても、藤井寺脇を過ぎてから約5-6時間。一応、標準的な所要時間ではあるが、我ながら、ここまで時間がかかるとは思わなかった。最後のきつい登りを登りきると、緩やかな山道へ。焼山寺は近い。
 山道になって、アスファルトの混じった道になるとまた足が痛み出した。金剛杖を支えに、足を引きずるようにひたすら歩く。ようやく焼山寺の駐車場を過ぎ、車で来た人達に追い越されながら、本堂を目指す。途中、托鉢をしているお遍路さんに出会い、「少ないですが…」と、お賽銭用の10円をお接待。「歩いてきたの?何時から登ってるの?」と聞かれ、「4:30に藤井寺です」と答えたら、びっくりされた。
 焼山寺は本堂までの道がとても長く感じた。ようやく石段にたどり着き、山門前の大師像に一礼。やっとここまで辿り着いた。10:30着。

 焼山寺は山中のお寺だが、境内は広く、特に今日はGWということだけあって、結構にぎわっていた。着いて早速、手を清め、鐘を撞き、本堂・大師堂で読経。私が大師堂で読経している前を、ろくにお参りもしないで関西弁でぺちゃくちゃ関係の無いおしゃべりをしている車遍路と思われるグループが居て、少しむっとしてしまった。ひどいのはこのご一行だけだと思うが、文明の利器を利用して気軽に来ている分、参拝くらいは礼儀正しくやって欲しいと思う。読経後、納経帳に朱印を受ける。途中、一本杉庵の手前で追い越していった早足のスポーツマンっぽいお遍路さんと会う。彼は途中で道に迷って、結局私のほうが先に着いたらしい。神奈川からのお遍路さん。同じ首都圏からということで、親近感を覚えた。
 ここまで来た自分へのささやかなご褒美に、自販機で缶コーヒーを一本買って一服し、休憩兼昼食。30分ほど休んでいると、歩き遍路の人達が続々と到着してきた。例のご夫婦でお遍路をされているお二人にもまたお会いした。奥さんの白衣を見ると、少し汚れていたので、お聞きすると、途中、転んでしまったとか。それでも、長い山道、無事到着されて良かったと思う。このお二人、ちょうど私の両親の歳に近いお歳にお見受けできるので、なおさら、ご無事で安心した。他、5番地蔵寺で蜜柑をおすそわけしていただいた方ともお会いした。皆、無事に12番までの難所を乗り越えて到着できたんだなと、なんだかうれしく感じた。

12番~玉ヶ峠~ホテル
 休憩後、今晩のホテルへと出発する。

 鍋岩まで、下りの道となるが、舗装された道で、下るときのつま先への衝撃が強く、またすぐに足が痛くなってしまった。鍋岩では、お遍路用の休憩所のようなものがあり、ここで休憩。早朝からの歩きでかなり限界状態で、トイレに入るのに輪袈裟を取るのを忘れて(不浄のところでははずすことになっている)しまっている。
 しばらく休憩していると、例のご夫婦もやってきた。今回はこの鍋岩で打ち止め、ここからバスで帰られるとのこと。お別れを言って、出発する。初日から何かとお会いしていたので、少し寂しい気がする。今後、またお会いする機会があるのだろうか…。
 鍋岩から、アスファルトの道と分岐して、玉ヶ峠への登山口へ。また土の道なので、足の痛みは緩和されたが、てもきつい登りが続く。焼山寺前の登りもきつかったが、午前中よりもスタミナが残っていないため、更にきつく感じ、何度もくじけそうになる。焼山寺からまだ2kmも進んでないのに大丈夫なのか、不安になる。
 何とか、玉ヶ峠を登り切ると、今度はアスファルト地獄だ。つま先に直に圧力がかかる下りの舗装道路が延々と続く。途中で合流するであろう川や道路は遥か下方に見える。これをず~っと下っていかなくてはいけないと思うと、気が遠くなる。
 歩けども歩けども、ずっとだらだらと下る舗装道路。車も全く来ないので、道端に座り込んで休憩を取ったりして進む。途中、民家の前に「お遍路さんおいしい水をどうぞ」と書かれた水場があった。冷たい水がとてもありがたい。何人ものお遍路さんも同じように助けられたのだろう。近くの柱に、何枚かの納札が貼ってある。私も、お礼の気持ちを込めて、納札を貼っていく。

 足を引きずり、とぼとぼと歩く。焼山寺からここまで歩く人はほとんど居ないのか、それとも、私よりももっと速いペースで行ってしまっているのか、他のお遍路さんを全く見かけない。道はだんだんと車が多くなって来て、私の脇をビュンビュンと通り過ぎていく。頼りは、もう足ではなく、手で突く金剛杖だ。杖を突きながらやっとで前進していく。遅くても、止まらず、一歩一歩。そうすれば、少しづつでもゴールに近づく。(今になって思えば、人生もそんなものか。焦らず、無理しすぎず、自分の及ぶ限りの力で一歩一歩進むしかないのだ。私はすぐ焦って、空回りして、挫折してしまう。ある句に「怠らず行かば、千里の果ても見ん。牛の歩みのよし遅くとも」というのがあった。まさにこのことなんだなと、今、振り返ると思う)
 焼山寺から歩くこと6時間(17:50)。ようやく宿にたどりつく。
 今晩の宿にはお遍路さんは私の他、1組しかおらず、ホテルの1階の一人部屋は私1人。他、家族連れの宿泊客のみだった。宿のご主人のご好意で、洗濯機を貸してもらい洗濯。そして、昨日同様、マメ治療をした(かなり増えていた)。
 今日は足の痛みもあったが、特に不必要なものは持ってこなかったにもかかわらず、リュックの重みも感じるようになった。要らないものがないか、もう一度確認する。一番かさばって重たいものは雨具のポンチョだった。これは山用の機能的なものではなくて、素材も結構分厚い。さよならしようか迷ったが、明日の夕方から雨らしいので、そのまま持つことにした。
 朝3:30からの歩き。とても長い一日だったが、遍路の難所と言われる道を、ぼろぼろになりながらも予定通り、歩き通すことができた。明日も30km近い行程。足の回復を願いつつ、就寝。

3日目 全行程約31km





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.05.16 14:31:00


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: