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2005年06月26日
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カテゴリ: 汝自身を知れ。
ここの処、スクーターの走行距離が凄い。一ヶ月で4000キロぐらい。
自動車では珍しくないが、二輪でこれだけ走る人間も滅多にいない
のではないか。DS4に放火されて、購入したマジェスティーだ。
ホコリをかぶせておくわけには行かない。今日も、軽く200キロを
走っている。おかげで楽天日記はお留守がちだが、読者のことは
忘れているわけではない。走っている方が、もっと楽しいだけだ。

CLXXVIII
There is a pleasure in the pathless woods,
There is a rapture on the lonely shore,
There is society, where none intrudes,
By the deep Sea, and music in its roar;
I love not Man the less, but Nature more,
From these our interviews, in which I steal
From all I may be, or have been before,
To mingle with the Universe, and feel
What I can ne’er express, yet cannot all conceal.



18歳の頃から、バイロン主義者で生きている。いまもバイロンの精神で
生きているつもりだ。大阪弁でいうと「すかたん」である。琵琶湖の周りを
走っていると、そんな十代の頃に読んだバイロンの叙事詩の一節が脳裏に


「琵琶湖は、海だ」
まさか、と誰しも思う。しかし、広くて楽しい。
湖北の琵琶湖は、大阪人が一度見知ってしまうと魅了されてしまうそうだ。
実は、自分がこちらに越してくる前に友人が湖岸のドライブにはまっていると
言っているのを聞いた記憶がある。なんのことはない、自分も轍に嵌った。



「ごきぶりを叩くすかたんすかたんを」   小寺 勇





西堀栄三郎の「石橋を叩けば渡れない」の中に、


「お前は、ここで、いったい何をしているのだ」と聞くので、「研究をしているのだ」
と答えると、「それは儲かるか?」と、また聞きます。
儲かるわけはない。また、儲けようと思ってやったおいぼえもない。
もちろん、大阪の人間にしてみれば、「儲かりまっか?」ということは、「お早う」とか
「今日は」とかいう程度のきわめて軽い気持ちでいったのでしょう。
これは私にしてみると、これは相当ショッキングな質問でした。

「いや、ぼくは別に儲かると思ってやってはいない」
「それなら、お国のためになるのか」
「さあ、お国のためになると思って、やったおぼえもない」
「それなら、人類のためになるいのか」
「いや、そうも思わない」
「それじゃあお前は、どういう気持ちで、昼も夜も、三日も四日も夜通ししたりして、
一生懸命研究しているのか」
「さあ、私にもようわからんけれど、何か心の中から、ムラムラと出てくるものが
あって、その気持ちに動かされているようなもので、まあ、しいていうならば、
子供がおもちゃで遊んでるようなものかな」


三高、京大出の秀才。あのアインシタインを京都で出迎えた時には、案内方に抜擢
されたほど近在に鳴り響いた西堀栄三郎が、必要に応じて大学へ再度研究に足を向けた
時期の逸話だそうだ。大西堀にして、親戚は研究の正体を「子供のおもちゃ」だと
いう西堀の韜晦表現を真顔で額面どうりに受け止め、激怒して帰宅したそうである。

スクーターで今日も走りながら、思い起こすことがある。


愉しく暮らしているなど、彼らの眼には、非国民だか、極道のようなものに映るらしい。
事実、ここ数十年なんら音信もない。

オヤジは、その親族の長男で本来は墓守りを主宰するべき立場だったが出奔して大阪で
商売を始めた。儲かることが愉しい、と田地田畑をほり出して大阪の闇市に跋扈したの
である。その息子が、儲け度外視して愉しくくらしているなど、仰天ものらしい。

理解がしやすいものらしい。「儲け度外視」というのは、極道のさらに外部(ばけもの)、
ギャング以下なのかもしれない。しかし、自分にいわせればバイロン主義者というものは
こういうものなのである。

西堀栄三郎の研究ですら、親戚が激怒する。ましてスケールが遥かに矮小な自分が、
親族から口もきいて貰えないのは考えてみれば当然なのである。

そういえば、むかし関経連の外郭団体だった阪神淡路産業復興推進機構の調査役に
紹介されたイスラエル政府経済担当公使Levy Elad氏。氏がニューオータニに宿泊したときに時間を
くれるというので駆けつけた。彼は、冒頭から「モウカリマッカ」と口火を切った。
ほどなくモウカラナイかもしれないビジネスプランを持ち込んだ私よりも、そんな奴を
紹介した阪神淡路産業復興推進機構に呆れたらしい。

考えれば、近江商人もユダヤ人も儲からないことは蛇蝎のように嫌う。そんな滋賀の風土が
西堀や自分のような極楽トンボを産み出すのも玄妙である。








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最終更新日  2005年06月27日 18時03分20秒
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