新発想ビジネスヒントフォーラムWEB2.0

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2005年12月21日
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また強烈な寒波が押し寄せてくるようだ。

窓の外は、冷蔵庫よりも遥かに冷たく凍てついている。都会では
みられない現象が続いて、案外楽しめたりする。

地方の図書館を重宝しているが、正月までたっぷりと貸し出しを
してきたので落ち着いた時には、何冊か読み進んでネットでは経験
できない興味深い視点と出会うのが愉快だ。雑用をおえれば、結構
時間ができたりする。活字は、そんな時間には向いた道具といえる。

以前に、買い物するのを嫌気して購入しなかった吉本隆明がアスキー
から出版した「超20世紀論」も図書館に転がっていた。持ち帰って

本当に凄いと思うことと、テキヤのおやじが世間話しているような無責任
な語りが一緒に並んで出てくるので困惑することが多い。それが一部で
熱狂的に受けている理由なのかもしれないが、ちょっと勿体ない気持ち
がする。上下二巻を通読して、あたらしい発見はそれほどなかった。

ただ、ちょっと面白いと思った箇所がある。

-----ご自身にとって、”理想の女性”とはどんな女性ですか?

たとえば、東京の銀座通りを歩いていて、目の覚めるような顔立ちや姿を
した女性が向こうからやってきて、すれ違ったとしますね。その瞬間、
「あっ、いいな」と思うでしょ。それは一瞬の片思いですね。
でも、たいていの場合、「あっ、いいな」と思うのは距離が離れているからで
あって、距離が詰まり、肌が接するほど近くなったら、幻滅しちゃうという
こともよくあります。
それが、距離が詰まり、性的な行為をするほど近づいても、最初に感じた
一瞬の片思いみたいな気持ちをずっと持続できる---そういう女性がいたならば、
それが僕の”理想の女性”だ、ということになると思います。
でも、生涯、そういう”理想の女性”に一度も会えずに終わるというのが普通
ですね。だから、そういう女性に会えたら、「すごいなあ、もう、いうことは
何もないよ」っていうふうになると思います。






この発言は、長い吉本ウォッチャーらに満喫されるコメントなのだろうと思った。

前にも触れたかもしれないが、吉本隆明の思想体系はこの人独自の丹精込めた箱庭の
ような緻密な形成がなされており、その内部にどっぷりと脳みそごと持ってゆかれた
人たちが、やはり自ずと党派的な記号の消費形式となる。その内部に踏みとどまって
無限に巡回していれば、情況がどのようにめまぐるしく転変を遂げてもここの読者は
現在と折り合いする必要もなく、吉本の発言を追いかけていれば「癒される」という

延々と呟き続けることができるというものなのだろう。

聞き手は、田近伸和というわたしと同世代の作家だそうだ。しかし、吉本への質問の
角度というのか、スタンスが自分の学生時代の友人たちが口にしそうなことばかりで
笑えた。





田近伸和(たじか・のぶかず)

一級建築士。「日経アーキテクチュア」記者を経て、フリーランスの道に入る。
現代科学、現代思想をジャーナリズムの立場から独自に追究している。『未来のアトム』
(アスキー)では、ロボット工学、脳科学、人工知能などの研究者に二年間にわたる取材
を行い、新しい人間観を探究した。






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最終更新日  2005年12月22日 02時21分30秒
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