新発想ビジネスヒントフォーラムWEB2.0

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2006年09月21日
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面白い人と会った。

「人間至るところ青山あり」とかいうが、その生きたお手本のような人だ。
もともと大阪市職員だったそうで、苦学して市職員になって待遇にも満足
していたのに、よりによってそのぬるま湯さに辟易して職を辞したという。
言葉にすれば簡単だが、普通は辞めないだろう。しかし、二十代には得てして
魔がさす瞬間があるものらしい。それから民間とも呼び難いレベルの企業で
相当苦労されたらしいが、それでも履歴を汚しながらなんとその後数社を
へて二部上場企業に雇用されたらしい。ある種のツキもあるのかもしれない
が、その配属先を聞けば誰もが仰け反るようなポジションだ。


数十年前のその手の人士といえば、紳士然としてはいても一皮めくればヤの字
だろう。事実、相当怖い眼に遭遇することばかりだったらしい。いくら世間に
通った会社とはいえ、尻尾をまいて退散する筈の配属を、その方は逃げ隠れが
できない事情もあり、背負うことにしたのだという。その方は、Sさんという
事にしておく。

予想どうり、相当大変だったらしい。しかも、その企業は「総会屋を怒らせるな」
「金は包むな」という方針を厳命したのだという。金を取りに来るから総会屋
なのだから、金を包まなければ怒り出すに決まっている。そこを怒らせずに、
金をださないというワザを一つづつ体験で身に着けていったのだそうだ。

そうこうするうち、ある時毎回定期的に訪ねてくるのに一切金を無心しないという
総会屋がいることに気づいたそうだ。そこで、おそるおそるいつも訪問されるが、

良いとしか言いようがない。取り方次第では、挑発しているようなものだ。
相手はスキあらば金にしようと仕掛けて来る。鬼畜も、鬼畜、プロの鬼畜なのだ。

Sさんの話では、総会屋らはもともと広域暴力団員で、総会屋になる前に組織
暴力団で徹底的に、見習いから始めてこの種のシノギで稼げるようになるために
合理的な研修を受けてきているのだという。それは人事部に近い、総務部員も

で切れ味のいい仕事をするためには、目的に合致した訓練のメソッドを持って
いるし、その目的の実現と貫徹の為のトレーナーも、指導法も育成メニューも
すべて体系的に保有しているのだという。

そんなプロの総会屋に、動機を聞くなど空恐ろしい話だが何か直感が働いてその
総会屋には、質問してもいいような気がその時Sさんに湧いたそうだ。

すると、その顔見知りの総会屋のいわくそれはSさんが真剣に話を聞いてくれる
からだ。そういう風に答えたという。男は、やはり交渉の場で緊張の連続だ。訪問
する企業で、いつも緊張ばかりしていると交渉の場の語りにキレもさがる。
そこで、気晴らしの語りも、自分の話術の訓練のための語りの場も欲しくなる。
しかし、まともに話に取り合わない総務部員や、ロクすっぽ話を聞いていない
窓口では、気晴らしにもならない。ところが、Sさんがいつも丁寧に話を聞いて
くれるので、その総会屋は自分のリズムを整える目的でSさんの会社へ回って
来ていたのだという。Sさんに、そう話したそうだ。

これが契機になって、Sさんは総会屋の心理や方法論について相当学習していった
と言う。総会屋に限定してとはいえ、企業のリスクのひとつについての習熟が
深まれば、社の中でも中枢に関わる内容だ。当然、経営にも近くなる。早晩総務の
要職を経由して、同社の役員に。果てはその業界についての企業側対策で知らぬ人
がいない、という処まで行かれる。人が嫌がることも、いとわずに徹底して通じる
という事で、人生が大きく展開するということもあるのだとおっしゃる。

Sさんの偉いところは、そのポジションに満足されることなく人事、労務、総務
と入社以来のコースでは習得できなかったスキルも、経営中枢に信頼を形成するに
つれて、配属先として願い出てそれぞれのポジションでも十全な錬度を得て、
さらに難易度の高い、クレーム処理の所属長にも挑戦。自社系列の食品で、発生
した不良品が引き起こした大事件に挑んだという。(つづく)








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最終更新日  2006年09月22日 07時48分25秒
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