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2009.10.29
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カテゴリ: ★★★★★な本





<感想> ★★★★★



ってな感じの作品でした。 あまりにも暗すぎて滅入ってしまう・・と思いつつ、

独特の文章表現にハマって2冊読みました。 直木賞受賞作なので、もしか

したら・・という思いはありましたが、私小説とエンターテイメントのハイブリッ

トとも言える本書は、小説を読む楽しみを改めて感じさせてくれた一冊になり

ました。


冒頭で独特の文章と書きましたが、ひとことで言うなら湿度と匂いを感じるこ

との出来る文章です。 時に嫌悪感さえ覚えますが、この点は秀逸としかい



送ってきたようで、その人生観が端々にうかがえます。 


現代文学の作家さん達はすごく器用で、小説とエッセイをきっちり書き分けて

読者サービス(顧客確保)をするわけですが、私小説にこだわる車谷さんはそ

んな姿勢を微塵も見せません。 作家というよりは文士という言葉がしっくりく

る稀有な存在です。


さて、本書の舞台は兵庫県の尼崎。 職業を転々としながら辿りついた「私」

は冷暖房もテレビもないアパートの部屋でモツを串に刺す仕事にありつきま

す。 周囲を取り巻くのはアンダーグラウンドに片足を突っ込んだ人ばかりで、

良くも悪くも昭和を感じさせます。 


前半ではそこに渦巻く情念のようなものを他所者である「私」の視点で描いて

いきます。 とにかく暗いんだけど、それぞれのキャラクターの繰り出す言葉



「・・男の腐れ金玉が勝手に歌歌いだすほどの器量良しやわな。・・・」

これには唸ってしまいました。(笑) 

不穏な空気が漂ってくる後半では、その情念が激しく動き始めます。 そのあ

たりから一気に加速していくわけですが、私はこの点をエンターテイメントと

して捉えました。 


読後感の良し悪しも読者によって異なると思います。 それを踏まえるなら万



いなくハマると思います。






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最終更新日  2009.10.29 13:54:39
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