宇宙は本の箱

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今夜のねぐらは橋の下


「橋の下」なんて言い方、懐かしい。今や、
「おまえは橋の下から拾って来たんでぇ」なんて言っても通用するような橋がない。
弟なんかちっちゃな時、本当のお母さんに会いたいと言って、毎日毎日、あの丸いトンネルのような橋げたの中を覗きに行ってたんだった。
昔はああいう所で生活していたのもいたし、親に叱られて、土管っていうの、
ああいう所で泣いてたのもいる。ホント、懐かしい!
中小企業や零細企業の悲惨さを見れば、ブルーテントより、ああいう所があった方がいいような気がしないでもない。


「あのおじさん、いつから来なくなったんだっけ?」
「うん・・・たしか、前のバブル崩壊で左遷されてバイトもやってて・・・それで自分が死んだあとの為にどうしてこんなに生命保険払わなくっちゃいけないのって話の時、収縮って大体今の会社の半分位が潰れるわけで~、潰れないとしてもそれは見た目だけの話で、内実は潰れちゃってる、そういう所まで行くわけで~、なんて話をしたら、そんなことあるわけない!って、機嫌損ねちゃったわけです」
「半分ですか?」
「今だってもう半分潰れてるのと同じ事なんじゃないの?ガタイ大きいの多いから傍目には分からないだろうけど、大大の裏では毎日倒産閉店なわけで、大企業とゲリラ隊だけ生き延びるなんて言うけれど、おっきい商業施設なんかが出来ると、その蔭で周辺都市の小さな所ががらんどうになってるわけで・・・。
誰が生き延びようと死のうと、恐慌なんていうのは誰も経験したことないんであって、昭和恐慌とはまたずいぶん違うのね、日本やアメリカは。中国や印度やなんかは昭和恐慌参考にしてもいいんだけど、学者とかマスコミなんていうのは外国かぶれ多くてね、昭和恐慌なんて冷静に読んでみれば分かるよ、日本はアメリカのあと多いじゃないってこと。アメリカがあと追い。日本は世界の雛形だもの、ね。
考古学だって馬鹿くさいの。なんでも自分の国のが外国から持ち込まれたものだって思うの。
持ち込まれたものの方が稚拙だってわけなんだ。この国に渡来して来た異国人は皆レベルが相当低かったって?あまり楽しくない想像を学者ってめぐらすもんなんだわ~」

話はえんえん・・・
来年は土管の橋でもこしらえてあげる政府でありたい?



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