宇宙は本の箱

     宇宙は本の箱

言葉の基点


ところで人生という言葉が似合い始めた十代も後半の頃から、私の中の言葉が歩き始めた。
そしてそれは一部の人にでなく大勢の心に届くほどに進歩したが、気がつけば私の周りにいたのは物事を斜に構える者が多かった。そのような者には私が美しい存在に見えたのだ。だが、彼らもまた誤解する人種には違いなかった。

理解できないと言われるぶんには問題はおきなかったが、誤解されるということはしばしば問題をひき起こした。その誤解がどこから来るのか、言葉でそれが解決できることのように若い頃は思いもした。が、何十年も年を重ねてようやく。。。


私の喋る言葉は、子供の頃からすでに何十年生きた人間のように妙に説得力のある子だと言われていたが、私が公の場で信頼を勝ち得てきた理由もそこにあったが、大方の者は私と同じ言葉は持たなかった。それは今でもだ。

そうしてこの年になれば、もう誤解を解く手立てはどこにもなく、解く必要すらないことに思い至る。それはもう空しいことだ。



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