宇宙は本の箱

     宇宙は本の箱

正念場



  「あなた方、一人一人の中に その力があるのです」

人の心にひたひたと染み込んでいく声。
静かなおだやかな声でなければ、潜在意識の深い所には入っていかない。


先生。
先生にはじめてお会いした八月から、ちょうど暦が一周致しました。
先生でなければ、この身があのようには反応しなかったのだという事を、
幾人かの聖者の元で思い知る日がありました。
そのくらい、先生は、私にとって、他の人とは違いました。

はじめて「○○と心に決めて黙祷!!」という声の元に端坐したその日、
私は坐ったままでも人間は飛べるのではないかと思ったものでした。
その時の事、それ以来の事はすでにあちらこちらに書きましたから、もう今朝は書きません。
その直後の、いかにも哲人たる筆跡の先生からのお葉書、お手紙。
誰もがうらやむ先生からの幾通かの書簡、ここに残ります。

先生。
八月八日に夢を見たのです。
先生の夢は、私が三枚の紙にそれぞれの住所を書いて枕元に置いて以来でした。
いえ、今度の夢は先生の夢というより、
先生が「六次元」という言葉を残されて良かったという、そういう夢なのでした。
先生。
先生の懇請のお手紙を見るたびに、
私は自分のこの性格、のようなものを変えるべきか変えざるべきか、
みたいに思ったものでした。
私がそこまでする必然があるのかどうか。
思いが足らない、ただそれだけの事かもしれません。

けれど、先生に会って「○○と、心に決めて黙祷!!」と言う声を聞くと、
その温かさ、その美しさに、ハッと胸打たれるのでした。
念を入れられる度に皆を包みこむオーラの色。
瞬時に現われる光の玉。


先生。
不遜ながら、それでも私はちょっと疑り深い私のままですから、
これからが先生の正念場だと思います。
先生。
いよいよこの時が来たと、どこまでも不遜ながら、そういう思いを禁じえません。
これからの私は端坐するたびに先生を呼んでみましょう。

坐るたびに先生を想いましょう。

無我一念。



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