宇宙は本の箱

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本然の生命<1> 川口由一



必要度を知って成長し、最善の季を選んで花咲き、我を忘れて石とはならず、お米はお米となり、

自然の法からはずれて我が侭を言わず、巡り来る春に備えて数多くの美しい生命を孕ませ、

我が一生を閉じるを恐れ悲しまず、己を全うし、新たな子供達へと続きます。


この天然自然の神ながらの営みは真であり、善であり、美であり、妙なるところであります。

ここに人間の手を加える必要はありません。

加えてはいけません。 


畑の野菜達、野にある草々、山に息づく木々、飛び交いさえずる小鳥達、花に舞う蝶達、

野山に遊ぶ動物達、草草の足元地の中にあります小さな虫達、

そうして地球上に命栄える人間達もみな同じです。


清らかに澄み渡るお米の生命は体内に広がり、人を養う精となり、元気が発するようになります。

然とありがたい感謝の思いがしみじみと涌き出て、満ち足り、心安まってまいります。

誰しも得ることの出来る、誰しも至れることの出来ることです。

そのように生かされているからです。

人もお米も野菜も、もとよりそのように生かされているからです。

人は何もむずかしいことをしなくてもいい、今までしてきたほとんど多くのことは余計なことだったのです。

よしと思っていたことが反対に、天然自然の営みの障害となり、神ながらの心を病ましめていたのです。


余計なことをしてはいけません。

余計なものを欲しがってはいけません。

余計なところに魂をまかせてはいけません。


長い長い人類の歴史からみればつい最近ですが、いつからか、ついつい知らぬうちに随分と人は余計なことをするようになりました。最近に至ってはますます急速度でするようになってしまいました。その結果、人間にとって、生命あるすべてもものにとって、大変に困ったことが次々と重なり増え続けています。余計なことのために人はウンウンうなり、その結果、自らも含めてあらゆるものの生命の営みに障害を招き、損ね、病ましめ、壊し、やがては破滅に至ることまでかかえこんでしまいました。




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