宇宙は本の箱

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ニヒリスト達の夜の詩集


あれらの事を形而上学的に受け取らずして瀧口修造型といっても意味はない。私はシュールレアリストをいいとは思っても興味なんかないのだ。そこんところを間違えるものがいる。私は一般大衆的なものの中のあるものをいいというが、それはそれだけのことなのに、そこんところを間違えるものがいる。
どうして良いと評価することと好きとが一致しなければならないわけがあろう。
私はべつにニヒリストだったわけではない。私はまだ十代だったし、絶望の中の希望に生きていたものの当然の顔でしかなかった。




おれ達の筏を呪う限りない十字架
それはおれ達の精神を壊し
おれ達の墓地を用意する

この無のための限りない声
経帷子のための声
おれ達の柱石を崩壊させるための声

限りない<借><負債>
負債だ 負債だ 負債だ
威張りくさる限りない糊          

                       ― アンリ・ミショオ ―



おれ達に力をつける お前の毒を注いでくれ
おれ達は その火炎に脳髄を激しく焼かれて
地獄であろうと天国であろうと構わぬ、深淵の底に飛込み
未知の世界のどん底に 新しさを探し出そうと欲するのだ

                        ― ボードレール ―





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