本当の自分
母であり父であり、兄弟であり姉妹であり、失われた親友であり恋人であり、私の伴侶とはそのようなものなのだと。だから、私は誰もいなくても少しも寂しくはなく、ことさらそのようなものをもう欲さないのだ、と。
友達とは誰のことか？親友とは誰のことか？
親友はわかるよ。昔、私にも親友と呼びたい者がいた。
家族より恋人より、もしかしたら自分より信頼に値する、尊敬に値する者だった。。。
何年かの後、Ｓは母親に言った。
お母さんは私の母であり父であり、同時に親友であり恋人であり・・・。
あら大変！も～～、そうならもっと母親を大切にしなさいな！
私は傍らでそれを聞いて噴出した。
大手自動車会社の面接で、「友達は何人いますか？」と、馬鹿げた質問をした面接官がいて、サンタさんが困っていたことを思い出す。
三人では少なすぎるか、五人か十人か・・・。
サンタさんは多いに迷ったという。
何をもって友達っていえばいいねん！基準はなんや言うねん！？
馬鹿な質問をするやつもいたもんだ。
おばちゃんならどう答える？
うん。相手の目を見るじゃないか。こいつはすごいや！って思ったら「いない」って言うね。
つまんねー奴だと思ったら、適当な説明つけて、適当でいいじゃん。
履歴書でもね、その仕事に、その会社に、自分本気なら嘘は書かないんだ、私の場合。
友達関係でも恋愛でも、自分本気なら絶対嘘は言わないんだ、私の場合。
私は基本的には嘘はつかないで生きているけど、大切な所では絶対嘘は言わない。
大切なところで、本当の自分認められないなら意味ないじゃないか、私はそう思う。
大抵の人は私のことが分からないって言うよ。おっかしいでしょ？私はいつも丸裸で、本当のことしか言わないのにわからないって言う。おっかしいの。そう思わない？
サンタさんが首を縦にふった。
ねぇ、本当の自分の姿をさらせない奴ってどんな奴？根性ババ色？
おっと！これはうちの妹の好きな言葉なんだ～。
はっは！
サンタさんが笑う。
あの日もこんなふうに晴れた日だったかな～。
今日はやけに暖かく、山が綺麗だ。
サンタさん、お元気ですか？（ちょっとへんだけど）
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