宇宙は本の箱

     宇宙は本の箱

死に 切る。


どうしてそうも毎日、昔々の無償の愛を思い出させられ泣くのか・・・
隣で主人が、また泣いてるんかと言っても、その事の意味がわかるまで涙が止まらなかった。

生きたい者と死にたい者と。

そのことがわかった日に涙は流れなくなり、私はメールを送った。

それは、一度の違いは三百五十九度と繰り返し言ったと同じことだったが、
そんなことは言ったって最早詮無いことだった。
生き甲斐を探す者と、死に甲斐に生きる者は生まれた時から違う。
そのことを殊更言ってみたところで、持たされたものが違う。
だから似てはいても喋る言葉は微妙に違う。似てはいても何気ない言動はまったく反対にならざるを得ない。一体誰の目に同じように見えたかという事。

あわれ・・・かの・・・
そこまでしか私は言わなかった。
人は誰も死ぬ道は選ばない。

地球の動く音が聞こえた時決したのは、
死ぬことを見せていただきました、とあの人が言ったからで、
死ぬ魂がそこにあったからで、
私が受け取ったその感覚をとても言う気にはならなかった。

生きようとする者と、死のうとする者とは自ずから違う。



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