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大野に土つけた！阪神・良太、流れ変える先制２ランが決勝弾

　（セ・リーグ、阪神３－０中日、２４回戦、阪神１６勝８敗、１５日、甲子園）夜空の真ん中へ、白球は高々と舞った。どよめきに包まれながら、バックスクリーン左へ。独特の、豪快なフォロースルーに導かれた結果は、もちろんアーチだ。新井が難敵・大野をとらえた。

　「積極的にということと、自分のスイングをしようと思いました」

　二回無死一塁だ。敵失の直後、中日に生まれた隙を逃さなかった。大野に対して、これまで６打席無安打だったが、初球のツーシームを中越えに先制２ラン。８月１９日の巨人戦（東京Ｄ）以来の４号が、そのまま決勝弾になった。

　「大野くんは、すごくいい投手。甘い球を（ひと振りで）打ててよかった。序盤に点を取れてよかったです」

　今季１１勝の大野には虎も苦戦してきた。昨季から４連敗。今季は過去５度の対戦で３勝を献上して、チーム打率・１６７。和田監督は「流れを変えるような一発だった。今季３敗か、大野には…。あと１４試合、これまで攻略できていない投手も何人かくる。何とか降ろせるよう、負けをつけられるように」と、力を得た。今後も広島・前田ら手を焼く好投手との勝負が待っている。竜のエースを撃破した勢いを持ち込みたいところだ。

　チームにとって５試合ぶりの先制、９試合ぶりの本塁打となった。風穴を開けたのは「６番・三塁」だ。９月序盤は今成が固定されかけたが、左投手に対しては再び新井の起用が続く。背番号３２は目をぎらつかせた。

　「出させてもらう以上、とことん準備して、できることをしたい」

　いまは目の前の試合しか見えない。古巣の中日では和田、谷繁監督兼選手と、大先輩の現役引退が明らかになった。竜時代は２軍暮らしが大半。それでも、キャンプなどでチャンスを見つけて、和田に助言を仰いだこともあった。お世話になった人をねぎらう気持ちは忘れない。だが、あいさつなどは時が来てから。「行けていないです。いまはちょっと…」。集中すべきことはひとつだ。

　「１球１球に気持ちを入れて、熱く、みんなで戦っていきたいです」

★故障者にエール

　チーム一丸を強調した新井は離脱した仲間の気持ちも背負った。「狩野さん、上本の思い。２人の分も気持ちを持って、常々やっています」。右手を骨折した狩野とは、代打コンビとして戦った時期もあった。左太もも裏肉離れの上本は広陵高の後輩でもあり、かわいがっている。「というか、すぐに上がって来ると思う」と、エールを添えた。

データＢＯＸ
　◎…新井が中日・大野から今季４号を放った。本塁打は８月１９日の巨人戦（東京Ｄ）以来。４本の内訳は、先発で３本、代打で１本。
　◎…阪神は大野に対し、２０１３年８月２３日以来の勝利。今季はここまで大野を苦手としており、６試合対戦して、大野の３勝１敗、防御率０・７６、完封勝利１度、完投勝利１度と抑えられていた。
　◎…大野から本塁打を放っている阪神の選手は、７月８日の甲子園でのマートン、８月１３日の京セラドームでのゴメスに次いで、新井が３人目。

阪神・良太がスタメン起用に応える先制２ラン「自分のスイングができた！」

　（セ・リーグ、阪神－中日、２４回戦、１５日、甲子園）スタメン起用に応えた！「６番・三塁」で先発に名を連ねた阪神・新井良太内野手（３１）が二回、無死一塁から大野の初球、真ん中低めの変化球を捉えると、打球はバックスクリーン左に飛び込む４号２ラン。阪神が２点を先制した。

　１０日の巨人戦（甲子園）、１２日の広島戦（甲子園）で先発起用されながら計６打数１安打と結果を出せていなかった男に待望の１発が出た。「打ったのはツーシーム。自分のスイングができました！」と喜ぶと、「ここからも引き続き、気を引き締めていきます」と話した。

悪癖消えた！虎・マートン、１９打席ぶりＨ＆トドメ犠飛で不振脱出

　（セ・リーグ、阪神３－０中日、２４回戦、阪神１６勝８敗、１５日、甲子園）悪癖が消えた。少なくとも、それが顔をのぞかせることはなかった。二塁打＆ダメ押し犠飛。マートンは軌道修正してくれた全員に頭を下げた。

　「チーム全体の勝利だよ。藤浪もいい投球をした。新井もいいところで打ってくれた。大和の走塁にも助かった。素晴らしい走塁だった。全員の勝利だよ」

　一回二死では左翼線二塁打。９日の巨人戦以来、５試合１９打席ぶりに「Ｈ」ランプを灯すと、大野の一塁けん制悪送球もあって得た八回一死三塁の好機で右犠飛。浅い打球だったが、大和の足と三塁ベースコーチを務める高代作戦兼内野守備走塁コーチの好ジャッジも見事に重なった。

　１３日の広島戦（甲子園）ではストライク判定を不服とし、ベンチで声を荒らげた。開幕直後と同じ症状の再発に周囲はあきれた。しかし、首脳陣はその中でＭ砲の再生に全力を尽くす方針を固めた。この日の練習では山脇外野守備走塁コーチがノックを放ち、捕球から送球に至るまでの一連の動作を熱心に指導。山脇コーチは「コミュニケーションや」と話した。

　打撃練習中は和田監督が熱視線を送り、平田ヘッドは「結果が出なければ、こっちの責任だから」と一蓮托生であることを強調した。試合中はオマリー打撃コーチ補佐や通訳が隣に座りケアに全力を注いでいた。

　虎将は「集中力さえ保てれば最低でもきょうぐらいの打撃ができる選手。あす以降も集中してやってほしい」と注文を忘れなかったが、立て直しへの第１段階としては成功だ。２ランを放った新井の顔に水をぶっかけて祝福したマートン。やっぱり、笑顔が似合う。　

阪神・大和、ダメ押し点生む激走＆超速タッチで二盗阻止

　（セ・リーグ、阪神３－０中日、２４回戦、阪神１６勝８敗、１５日、甲子園）ダメ押し点は、大和の好アシストから生まれた。

　「どうかなと思ったけど、（三塁コーチの）高代さんが、『行くぞ！』といってくれたので、いけました」

　高代コーチは「微妙な距離だった。（右翼手の）平田が真下に入ったからな」とギリギリの判断だったことを認めた。

　三回の守備では、一走・亀沢の二盗に対し、鶴岡から送球を受けると、素早いタッチでアウトにした。好守にわたって、渋い活躍が続く。

阪神・俊介、先発に応えた大野撃ち！少ないチャンスで存在感

　（セ・リーグ、阪神３－０中日、２４回戦、阪神１６勝８敗、１５日、甲子園）左腕対策として、俊介が「７番・中堅」で先発出場した。起用に応えるように、新井に被弾直後の大野から中前打。低めフォークをすくい、ライナーで運んだ。普段は守備固めなど、途中出場が多いが、少ないチャンスで存在感を示した。

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