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2007.08.05
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カテゴリ: 洋書

 Irving A. Greenfieldによる海洋アクション小説シリーズ第16弾。


粗筋

核兵器を海洋でストックパイルさせる、という陰謀を阻止する為に米海軍の潜水艦を盗み出し、陰謀を潰した米海軍少将ジャック・ボクサー。
 陰謀を阻止し、世界を救ったジャック・ボクサーだが、米海軍からすれば、所属する潜水艦を盗んだ「海賊」である。米海軍は総力を挙げてジャック・ボクサーが登場する潜水艦を追跡する。
 逃げ切れないと判断したジャック・ボクサーは、投降を決める。彼は直ちに米海軍によって拘束された。
 ジャック・ボクサーは、民間において裁判に当たる軍法会議にかけられる。そこで、彼は有罪判決を受ける。懲役刑になると思いきや、世界を救った功績から、不名誉除隊で済んだ。
 一方、核兵器ストックパイルの陰謀を進めていたフォン・ステンプラーは、ジャック・ボクサーの敵に思いながら、次の陰謀を進めていた。インドネシアのジャワ沖にある油田開発海域にある油田開発基地を次々襲撃し、原油の価格を釣り上げる、というものだった。
 フォン・ステンプラーは、原子力潜水艦を入手し、手下を使って油田開発基地を次々襲撃。多大なる被害を出した。
 これを「米国の危機」と判断した米国大統領は、海軍を追われたジャック・ボクサーに対処させることに。
 ジャック・ボクサーは、米海軍から提供された潜水艦を使い、フォン・ステンプラーの潜水艦部隊を殲滅した。


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解説

いわゆるペーパーバックヒーロー物。
 本作が16作目で、状況からすると最終作らしい(事実、16作で完結。第1弾は1984年に出版されたから、年2作のペースで8年余り続いたことになる)。

 内容的には、典型的なB級アクション。
 したがって、勧善懲悪ものとなっている。
 つまり、「善」の側はとにかく好意的に描かれ、「悪」は救いようのない極悪人として描かれている。
 それはそれで悪くないのだが……。

 本作の主人公ジャック・ボクサーは、控え目に見ても「善人」には見えない。
 自分勝手な行動を取るだけの異端者。
 それも、皮肉的に描かれていれば救いがあるのだが、作者は本気(というか本気であるように描いている)ので、救いがない。
 運がいいだけの、嫌味なキャラとしか映らないのだ。
 なぜ作中では本人がヒーロー気取りで、周囲がヒーロー扱いするのか、理解できなかった。

 本作のストーリー構成にも問題が。
 本作は、前作(第15弾)をそのまま引き継いでいて、米海軍に包囲されている場面からスタートする。
 その後、ジャック・ボクサーは拘束され、軍法会議にかけられ、有罪判決を受ける。
 本の大部分がそれで占められていて、ジャック・ボクサーがフォン・ステンプラーの襲撃部隊と対峙する場面は、後の思い付きで付け足したような、エピローグ的なものになってしまっている。
 法廷シーンは、短ければ緊張感溢れたものになるが、本作のように延々と続くと退屈。

 そもそも潜水艦を舞台にするのが問題のような。
 潜水艦対潜水艦の戦い、てあまり絵にならないし。
 退屈さをカバーする為か、セックスシーンなども盛り込んであるが、それも付け足し感が見え見えで、イマイチ。

 終わり方も唐突で、「え? もう終わり?」といった感じ。
 原稿の長さが出版社側から制限されていて、ガンガン執筆している内にそれに近付いて来た事に気付いた。削ることが出来なかったので、無理矢理終わらせた、としか言いようがない。
 黒幕であり、陰謀の首謀者であるフォン・ステンプラーは、結局主人公ジャック・ボクサーによって始末されるのではなく、味方(催眠術を使う精神医学者)の裏切りによって始末されてしまう。フォン・ステンプラーが用済みになった味方を次々と始末していたので、精神医学者が予防線を張っていたのだ。
 首謀者にしては呆気ない終わり方。
 しかも、主人公ジャック・ボクサーは首謀者が死亡したことを知らない、というお粗末なもの。

 本作は、1990年代初期の海洋サスペンス小説ブームにあやかって生み出されたシリーズのようだが……。
 結局レベルの低いB級アクション(C級になるのか)の域を出ていない。
 224ページで、スラスラと読めるのが唯一の救い。



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Last updated  2007.10.06 18:25:20
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