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2008.04.13
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カテゴリ: 邦画

 高視聴率を誇ったテレビドラマの映画化。
 篠原涼子が型破りの女性刑事雪平を演じる。


粗筋

 雪平の車が何者かによって爆発炎上。学校に向かおうとしていた娘の美央が巻き込まれ、大怪我を負ってしまう。美央は警察病院に入院することになった。
 その警察病院が、テロリストらによって占拠される。
 テロリストらは警察の裏金80億円を要求。警察は当然ながら拒否。テロに屈する訳にもいかなかったが、それ以上に裏金があることを認める訳にはいかなかったのだ。しかし、テロリストらは院内の細菌研究所に保管されてあった黒色壊疽菌を手に入れた。壊疽菌をばら撒けば、東京都民の8割が1週間後に死亡する。テロリストらは、これを盾に再度80億円を要求。
 テロリストらを阻止できるのは、娘の救出する為院内に独自に潜入していた雪平だけとなった。
 雪平は、裏金など不正の隠蔽に動いているだけの警察上層部の為に動くつもりはなかったが、壊疽菌を感染してしまった娘の命がかかっているとなっては、テロリスト阻止に動くしかなかった。
 問題は、警察内部に内通者がいることで、警察の動きがテロリストらに筒抜けになっていることだった……。


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感想

調理の仕方によってはエキサイティングな作品に成り得たのに、色々盛り込もうとした為に焦点がぶれ、締りがなくなってしまった、典型的な日本映画。
 様々なことが起こっているが、全く感情移入できないので、終わった頃にはどうでも良くなっていた。

 登場人物がとにかく悪い。
 主人公の雪平は、型破りでありながらも検挙率ナンバーワンの敏腕刑事、ということになっているが、その優秀さが微塵にも感じられない。娘を溺愛するあまり理性に欠けた行動ばかり取る馬鹿親にしか見えなかった。この程度で敏腕刑事になれるなら警察は本当に人材不足。こんなイカレ女に銃を持たせていいのか、とも思ってしまった。
 敏腕、という割にはただ院内の階段を上がり下りするだけで、テロリスト阻止にこれといったことはしていない。壊疽菌をばら撒く爆発物の処理も、結局仲間の刑事に担当させるし。
 これなら、むしろ敏腕ではない普通の刑事だがやけに事件に巻き込まれる、という設定にした方が親しみが持てただろうに。
 主人公が駄目駄目でも、主人公を支える他の登場人物が良ければ救われるのだが、どの登場人物も性格的にカスなので、彼らにも感情移入できない。
 本作では登場人物がバタバタと殺されていくのだが、どれもカスなので、殺されても「あ、そ」くらいしか思えなかった。唯一気の毒に思った犠牲者は、加藤ローサ演じる看護婦。といっても、その看護婦は開始早々退場させられるので、「結局何の為に登場したの?」としか思えない。むしろこの看護婦をもっと活躍させていた方がストーリーに幅を持たせただろうに。
 本作品には、椎名桔平、濱田マリ、大杉漣、寺島進、江口洋介など、多数の著名な俳優が出ているが、最終的にはどの登場人物にも魅力を感じられなかった。

 登場人物が駄目駄目でも、ストーリーがまともなら少しは観れたものになっていたと思うが、これも駄目。
 穴だらけなのである。
 警察病院に危険な壊疽菌(エソキン。作中ではなぜかカイソキンと読まれていた)を保管する理由が不明。
 警察病院をテロリストがいとも簡単に占拠できてしまう理由も不明。
 警察上層部が内部の様子を全く把握しないまま特殊部隊SATをガンガン投入し、全滅させる理由も不明。
 要塞と化した筈の病院に、特殊訓練を受けた訳でもない女刑事が地下からいとも簡単に潜入できた理由も不明。
 女刑事がハイヒールで院内をカツカツと音を立てながら移動してもテロリストらに全く察知されなかった理由も不明。
 とにかく穴が多過ぎ。
 こういった穴も、ストーリーの運び方によっては強行突破できたのに、運び方がまずい。「警察内部に内通者がいる。誰も信用できない」という状況を作りたいが故に、主人公以外の登場人物がどれも疑わしいように描かれてしまっている。
 勧善懲悪でないのも問題
 映画というのは長くても2時間で完結しなければならないのだから、善と悪を簡素化する必要があるのだが、「それだとストーリーに深みがなくなる!」と言わんばかりに無駄に複雑化している。
 今回のテロリストは「悪」なのか、というと別にそうではない。なぜなら、彼らの目的は、警察上層部の不正を告発したかった、ということだったから(テロリストのリーダーは、元警察官。警察上層部の不正を暴こうとしたら無実の罪を着せられ、投獄された)。
 テロリストらと対峙する警察は「善」なのか、というと別にそうでない。裏金を溜め込み、そのことがばれそうになると不正を暴こうとする捜査官を車ごと爆破する。雪平が爆破事故に巻き込まれたのもそれが原因。テロリストらの黒幕であり、内通者だった人物も、実は警察上層部の不正を暴こうと動いていたところ婚約者を警察上層部が仕掛けた自動車爆破で亡くした捜査官だった。
 邦画でよくある「善と悪なんてあるようでないんだよ」という説教めいたものに仕上がってしまっている。現実社会では善と悪はあるようでないのは事実。散々知っている事実をフィクションの世界でも繰り返し述べられても、白けるだけ。
 テロリストらや警察の善悪が不明でも、主人公に魅力があれば作品の路線がはっきりとするのだが、上述したように魅力に欠けるので、救いが無い。

「テレビドラマが高視聴率だった。これなら映画化しても大丈夫」として製作されたやっつけ仕事であるのが見え見えなのが悲しい。
 映画を観るのは、何もテレビドラマを観ていた者だけではない。
 自分のように「映画を観て、面白かったらテレビドラマの方も観てみるか」と思っている者もいるのだ。
 したがって、映画もきちんと作っていないと、テレビドラマに流れない。
 少なくとも、個人的には本作品を観てテレビドラマを観る気は起こらなかった。


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Last updated  2008.04.13 13:19:22
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