非常に適当な本と映画のページ

非常に適当な本と映画のページ

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Category

カテゴリ未分類

(340)

洋画

(279)

邦画

(85)

邦書

(140)

洋書

(57)

ニュース

(735)

DVD

(8759)

Comments

Favorite Blog

まだ登録されていません
2016.03.10
XML
カテゴリ: 洋書

 アメリカのジュベナイルミステリ作家Donald J. Sobolによる推理クイズ集。
 原題は「Two-Minute Mysteries」。


解説

数ページの問題篇に、1ページ弱の解答が付く、という方式。
 71篇から成る(実際にはもっとあるらしいが、翻訳者が「欧米文化を知らないと理解し辛い、英語の知識が無いと理解出来ない等と言ったお節介な理由で割愛したらしい」)。
 著者は、人気ジュベナイルミステリシリーズの少年探偵ブラウン(アメリカではEncyclopedia Brownという)で有名。本書は、それの大人向けバージョンと言える。
 大人向けなので、殺人事件が当たり前の様にある。探偵役のハレジアン博士が登場し、事件の真相を推理。読者は、ハレジアンがいかにしてその結論に至ったかを推理する。
 ただ、殆どは証言者(容疑者で、大抵の場合犯人)の発言内容を突っつき、「お前の証言は辻褄が合わない。だからお前こそ犯人なのだ」と指摘する内容。
 単なる推理クイズなので、その程度でも問題は無いのだが、推理小説として読むと、「これでは冤罪だらけになってしまうだろうな」と思ってしまう。

「逃げた犯人の後姿しか見ていない筈なのに、着ているのがカーディガンだと知っていたお前こそ犯人」
「犯人は右ストレートを被害者に浴びせた後逃げたと証言したが、被害者は右頬に打撃を受けている。左ストレートと証言しなかったお前こそ犯人」
「ホームメイドのパンやケーキを売っている筈なのに、重曹が無いのはおかしい。他店で買ったパンやケーキのラベルを剥がして売っているだけだ」

 ……等々。

 逃げた犯人の後姿を目撃した者は、上に羽織る服は、シャツだろうと、セーターだろうと、カーディガンだろうと、「カーディガン」と認識しているのかも知れない。服に特に興味が無ければ、服の正しい分類なんて知りようが無い。

 犯人は右ストレートを被害者に浴びせた、と証言した人物は、単に興奮して右と左を言い間違えた可能性が。

 パンや洋菓子も、その種類や作り方によっては重曹を必要としない。もしくは、単に切らしていただけの可能性も。「パン屋なのに重曹がないとはおかしい! 不正を働いている!」の思考は先走り過ぎ。

 ……こんな事から、この程度の理由で「犯人」を逮捕した警察は、いざ裁判になると相当不利な立場になりそう。
 これが実際の警察の捜査だとしたら、アメリカに冤罪が多いのも不思議ではない。

 似た様な問題がひたすら続くので、時間を置いて一遍ずつ読むには悪くないが、通して読むと飽きてくる。
 元々文学性は低いので、通して一気に読むものではないのだろうが。

 本書は、原書の通り、解答を逆さまに印刷している。
 英語の場合、逆さまにしてあった方が良いのかも知れないが、日本語になるとひたすら読み辛い。

 推理クイズの本というより、雑学クイズの本、といった感じ。
 いくつかは時代遅れというか、覆りそうな雑学も。


人気blogランキングへ



2分間ミステリ [ ドナルド・J.ソボル ]

2分間ミステリ [ ドナルド・J.ソボル ]
価格:561円(税込、送料込)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.03.17 18:07:17
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: