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2017.06.24
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カテゴリ: 洋画

 マーベル・コミックのX-MENシリーズの「ウルヴァリン」を主人公としたスピンオフシリーズ第3作。『X-MEN』シリーズにおいては10作目に当たる。
 ウルヴァリンシリーズとしては、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』と『ウルヴァリン: SAMURAI』の続編となる。
 ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマン、プロフェッサーX役のパトリック・スチュワートがそれぞれ同役を演じる最後の作品との事。
 本作は、制作費約1億ドルに対し、世界興行収入は6億ドルを突破。
 原題は、邦題と同じく「LOGAN」。そうと知らされなければ、X-MENシリーズの1作だとは分かり辛い。


粗筋

 2029年。
 一時は「新人類」としてこれまでの人類に取って代わる存在として恐れられてきたミュータントだったが、ここ25年間新たなミュータントは誕生しておらず、絶滅の危機に瀕していた。
 かつてX-MENのウルヴァリンの名で知られていたローガンことジェームズ・ハウレット(ヒュー・ジャックマン)も、以前の様な驚異的な治癒能力は発揮出来なくなっていた。それどころか骨格に仕込まれたアダマンチウム金属は身体を蝕んでおり、死を意識させるようになっていた。アダマンチウムから作り出した銃弾を持ち歩き、いつでも自分の頭を撃ち抜いて自殺出来る様にと、準備する羽目だった。
 X-MENはとうの昔に解散しており、現在ローガンは素性を隠し、運転手として生活費を稼ぎ、放棄された製錬工場に匿われたプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)を介護していた。
 年老いたチャールズはアルツハイマー病を患っていて、テレパシー能力を自ら制御出来ず、ローガンが渡す薬物で辛うじて抑制している廃人に成り下がっていた。
 ある日、ローガンの素性を知るピアース(ボイド・ホルブルック)という男が現れ、人探しの協力を求められる。ピアースが気に入らなかったローガンは、協力を拒否する。
 それから間もなく、ローガンは元看護師と名乗るガブリエラ(エリザベス・ロドリゲス)から、11歳の少女ローラ(ダフネ・キーン)をノースダコタ州にある「エデン」まで送り届けて欲しいという依頼を受ける。X-MENから足を洗っていたローガンは、人助けに手を貸すのはもう御免だと思っていたが、ガブリエラが約束した報酬は欲しかったので、止むを得ず助けてやる事に。
 ローガンが改めてガブリエラの元へ向かうと、彼女は何者かに殺害されていた。ピアースによって殺されたのは疑いようが無かった。
 ローガンは、ピアースに後を付けられ、住居を襲撃される。車中に忍び込んでいたローラと、チャールズを連れて、逃避行を始める。
 ローガンは、ローラの素性と、何故ピアースが執拗に追跡しているのかを、ガブリエラが残したビデオメッセージから知る。
 ザンダー・ライス博士(リチャード・E・グラント)は、人工的にミュータントを作り出し、戦士に育て上げる、という研究を立ち上げた。ミュータントらから採取した遺伝子を使って、ミュータントの子供を女性らに産ませた。ライス博士は、子供らに人体実験を施し、超能力を強化。無敵の戦士に育て上げるという目標の達成に近付いていた様だったが、子供達は自我が芽生えると共に戦士として育成されるのを拒否するようになり、自ら命を絶つのが続出。
 埒が明かないと見たライス博士は、別の方法でミュータント戦士を作り出す事に成功。ローガンそっくりで、戦闘力も絶頂期の頃のクローンは、X-24と名付けられた。X-24を作り出す事に成功した以上、子供達を戦士に育て上げるというそれまでのX-23計画は不要となり、子供達は容赦無く死に追いやられる。
 研究所で子供達の面倒を見ていた看護婦達は、そうはさせまいと、子供達を研究所から脱出させる。その中の看護婦の一人がガブリエラで、彼女が脱出を手助けしたのがローラだった。
 ローラは、ローガンの遺伝子を使って誕生したミュータントで、ローガンと同じく驚異的な治癒力と、アダマンチウムの爪と、圧倒的な戦闘力を備えていた。
 ローガンは、自分に意図せず娘が出来た事で、大いに戸惑う。
 道中、一行はマンソン家に招かれ、そこで一夜を過ごす。ザンダー・ライス博士とピアース率いる捜索隊が、マンソン家を強襲。X-24によりチャールズとマンソン一家は殺害されてしまう。
 辛々逃げ出したローガンとローラはノースダコタ州を目指す。
 2人は遂に「エデン」へと辿り着く。
 そこにはローラと同様、研究所から脱出したミュータントの子供が集まり、カナダとの国境を越える計画を立てていた。
 計画の実行当日、捜索隊が追い着き、子供達の大半が捕らわれてしまう。
 ローガンは、ローラを含む子供達と共闘して捜索隊を殺害していく。
 しかし、突如現れたX-24が、ローガンに襲い掛かり、彼は窮地に陥る。
 ローラは、ローガンから受け取っていたアダマンチウム弾を拳銃に込め、X-24を射殺。
 しかし、その頃にはローガンは致命傷を負っていた。彼は、ローラが見守る中で、息を引き取る。
 これまで怒り以外の感情を表に出す事が無かったローラは、初めて涙を流した。
 子供達はローガンを埋葬した後、国境を目指して旅立った。



感想

 X-MENシリーズの1作ではあるが、これまでの特撮を駆使したものと比べると、映像的にはかなり地味な作品(制作費1億ドルにも拘わらず)。
 それでも、暴力の描写は容赦無く、迫力あるものになっている。

 これまでの作品ではミュータントが席巻し、「これまでの人類は『旧人類』となるのだ!」と言わんばかりだったのに、僅か数十年で壊滅状態になっている。
 折角作り上げてきた設定を、自ら破壊しているのは(破壊せざるを得なくなくなったのは)、皮肉と言えば皮肉。

 シリーズ中、無敵の強さを誇っていたウルヴァリンも、本作では老いた存在に。演じているヒュー・ジャックマンがもう50代になっているので、仕方ないと言えば仕方ないのかも知れない。
 無敵キャラの限界は、演じている俳優の老いで定められるのが実情の様である。

 X-MENシリーズのレギュラーキャラで、本作に登場するのはウルヴァリンとプロフェッサーXのみ。
 他は全く登場しないどころか、触れられる事も無い。
 既にこの世の者で無くなっている事を端的に伺わせるが、何故そうなってしまったか、という具体的な説明は無い。したがって、鑑賞者はこの状況を否応無しに受け入れるしかない。
 これまでとの設定と違い過ぎて、少々戸惑う。

 ストーリーは、ウルヴァリンが向かって来る敵をひたすら殺し捲る、というもので、これといった展開や、どんでん返しは無い。
「血みどろのバイオレンス・アクションを観たいだけなので、余計なものあれこれ盛り込むな」という鑑賞者からすれば、非常に有り難い作品と言える。

 当然ながら、ストーリーは細かく観ると穴だらけというか、「何故?」という部分が多い。

 ミュータントの戦闘能力を高めて戦士として育成する、という計画はこれまで何度も実施され、失敗に終わっているのに、何故ザンダー・ライス博士は自分は成功すると思ったのかが、理解出来ない。
 暴走したミュータントが過去に世界にもたらした災難を見て、「こんなの都合良く制御出来る訳が無い!」と思わなかったのか。

 ミュータントを子供の頃から訓練して戦士に仕立て上げる、という回りくどい手段を取った理由も不明。
 代替計画となったX-24は、ウルヴァリンのクローンで、しかも早々と成人になっている。
 最初からX-24に集中していれば、ミュータントの子供を産ませる、育成する、管理する、始末する、逃亡したのを追跡する、追跡をウルヴァリンに阻止される……、なんて事にはならなかっただろうに。

 ウルヴァリンは、これまでの作品(本作でも)で、「自分と関わった者は全て不幸な目に遭う」と認めているのに、どういう訳かマンソン一家の招待を受け入れ、一晩そこで過ごす。
 その結果、当然の事の様にマンソン一家はX-24に殺されてしまう。
 チャールズが招待を受け入れる事を強く希望していたとはいえ、何故ローガンはマンソン一家でのんびり過ごす事を決めたのか。この甘い判断さえしなければ、また人が無駄に死なずに済んだのに。

 悪役が、X-24を除けばごく普通の人間、というのも問題。
 ピアーズを含め捜索隊は特殊部隊としての訓練を受けているので、普通の人間相手なら戦闘能力は高いと思われるが、ミュータント全盛期の頃なら雑魚扱いにしかならなかった筈。
 本作では、まともに戦えるミュータントはローガンだけで、そのローガンも老いていて戦闘能力が落ちているので、この程度でも充分以上に敵になる、といった感じ。
 マグニートと比べると、とにかく小粒感が否めない。

 ラストで、ミュータントの子供達はカナダの国境へと旅立つ。
 国境を越えさえすれば、追手から逃れられる、という事になっているが……。
 国境を超えた程度で追手(ローガンが殺し捲ったので、新たな捜索隊を派遣する必要がある)が、一々追跡を止めるとは思えないのだが。それとも、ローガンが殺したのが捜索隊の全て、という事なのか。
 子供達がカナダに到着した所で、その後どうなるのか、という疑問も生じる。誰にも知られず暮らせる訳が無いし。

 ローガンは、本作で死ぬが……。
 これまで数々の危機を乗り越えてきた男の最期としては、呆気無い。
 こんなに簡単に死ねるのだったら、もっと早い段階で死んでいただろうに、と思ってしまう。
 若い頃(といっても、見た目以上に歳を取っている、という設定の筈だが)の活躍は、あくまでも若い頃の活躍だったのか。

 本作で、ヒュー・ジャックマンとパトリック・スチュワートはX-MENシリーズから降板する、との事だが……。
 何らかの形でまたシリーズ作に登場しそう。
 実写シリーズそのものがこれで打ち止めになるとは考え難いし。
 流石に主演は有り得ないが。







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Last updated  2017.09.05 22:23:33
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