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2017.09.06
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カテゴリ: 洋画

 アメコミのマーベルコミックのスーパーヒーロー・スパイダーマンの実写版第6弾。
 原作の著作権を所有するマーベルが手掛ける作品としては、第1作目に当たる。それ以前の5作は、映画製作権を買い取っていた別の映画会社によって製作されていた。
 スパイダーマンことピーター・パーカーを演じるのはトム・ホランド。
 敵役バルチャーを演じるのは、アメコミの実写版が製作され続けるきっかけにもなったバットマン(1989年公開)を演じたマイケル・キートン。
 本作は、マーベル・ユニバースの一部という設定になっている為、アイアンマンやキャプテンアメリカも登場する(ただし、キャプテンアメリカはカメオ出演で、プロットに貢献しない)。


粗筋

 ニューヨークでのアベンジャーズとチタウリの戦いの後(アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン)、市街地が破壊された事もあり、膨大な瓦礫を処理する必要が生じた。
 建設会社を経営するエイドリアン・トゥームス(マイケル・キートン)は、市から瓦礫の撤去作業を委託される。久し振りの大仕事だと張り切るトゥームスは、機器や従業員を増やし、作業に取り掛かった。しかし、それから間も無くトニー・スタークと政府が設立したダメージコントロール局が現場に現れ、撤去作業は当局が担う、と宣言。瓦礫にはチタウリの兵器の残骸も交じっていて、それらを回収する必要があり、民間業者には任せない、と。
 トゥームスは抗議するが、押し切られてしまう。その結果、仕事を失い、負債を抱える事に。
 トゥームスは憤る。スタークらアベンジャーズは町を破壊した上で、その立て直しに振り分けられる予算をも結局独占してしまい、自分ら一般市民はただ被害を受けるだけでおこぼれにすら有り付けない、と。
 政府に未提出だったチタウリの兵器の残骸を再利用してハイテク兵器を作り、密売するビジネスを、トゥームスは始めるようになった。
 8年後。
 ニューヨークのクイーンズに住む高校生のピーター・パーカー(トム・ホランド)は、アベンジャーズの内乱(キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー)の際に、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)に見出される。
 ピーターは、自分はその時大活躍し、アベンジャーズに加入する資格を得たと思ったものの、スタークは加入にはまだ早い、と諌める。ただ、スターク社が開発したスパイダーマン・スーツは託された。
 ピーターは、学校から帰った後スパイダーマン・スーツを着て、近所で起こる小さな犯罪を阻止するという活動に注力する様になる。
 ピーターは、お目付け役のハッピーに、自身の活動について随時報告していたものの、大した返事は返って来なかった。
 ある日、ハイテク兵器を使う強盗団に遭遇。ピーターは、何故ただの強盗団が、ハイテク兵器を手に入れられたのか、と不思議に思う。
 成り行きから同級生リズのパーティーに参加する事になったが、不自然な光を目にし、パーティーから抜けて現場に直行。そこではハイテク兵器の密売が行われていた。犯人達を追跡して捕らえようとした所、バルチャーとして飛来したトゥームスに阻止されてしまう。
 命辛々その場を脱したピーターは、スタークにこの件について報告。
 スタークは、ピーターにこれ以上首を突っ込むなと命じるだけだった。
 ピーターは、聞く耳を持たないトニーに対して不満を募る様になる。
 一方、これまで順調だった兵器密売を邪魔されたトゥームスは、スパイダーマンに対し敵意を抱く。
 ピーターは、スタークの忠告を無視し、バルチャーを追い続ける。
 バルチャーがダメージコントロール局から兵器を強奪するつもりだと知ったピーターは、直ちに現場へ向かい、追い詰めるが、最後の最後でバルチャーに逃げられる。現場となった客船が破壊され、多数の死者が出る所で、スタークことアイアンマンが登場し、事態を収拾する。
 スタークは、これ以上首を突っ込むなと忠告した筈だとピーターを咎める。ピーターは、スタークが聞く耳を持ってくれないと思っていたが、実は事態収拾の為に動いていた。バルチャーを泳がせ、一網打尽にしようとした所で、ピーターが乱入し、検挙失敗に至ってしまったのだった。
 スタークは、ピーターに対し君にはアベンジャーズ加入の資格は無いと宣告し、スパイダーマン・スーツを回収。
 ピーターは、特殊能力を持ちながらもそれ以外はただの高校生、というこれまでの存在に戻らざるを得なかった。しかし、アベンジャーズ加入の可能性で舞い上がっていた自分を見詰め直す機会を与えられたピーターは、寧ろより充実した高校生活を送れるようになる。
 同級生リズに、ホームカミング・パーティーに誘う事にも成功。
 パーティー当日、リズを迎えに行くと、応対したのはトゥームスだった。トゥームスは、リズの父親だったのだ。
 ピーターは、同級生の父親が、自分が追っていた兵器密売人だったと知って、動揺する。
 トゥームスも、リズとの会話や、ピーターの動揺の様子から、ピーターこそ自分をこれまで何度も邪魔してきたスパイダーマンだと気付く。
 ピーターと二人切りになったトゥームスは、彼に対し、これ以上自分の邪魔をするなと脅す。一方で、自分の家族を何より大切にするトゥームスは、娘のデートの相手としてなら認めてやるから、何もかも忘れてパーティーを楽しんで来い、と彼を送り出す。
 ピーターは、パーティー会場に入るものの、トゥームスの計画を阻止しない訳にはいかないと判断し、リズに別れを告げ、トゥームスを追う。
 アベンジャーズ本部は移転する事が決まり、それに伴ってチタウリの兵器の残骸も移送される事になっていた。バルチャーは、兵器を移送する輸送機ごと強奪する計画を立てていた。
 輸送機を強奪した時点で、スパイダーマンが現れる。
 バルチャーとスパイダーマンとの戦いで、輸送機は墜落。
 ピーターは、瀕死のバルチャーを助け出し、警察に引き渡し、事件を解決する。
 スタークは、ピーターの活躍を漸く認め、アベンジャーズの加入を許可し、新たなスパイダーマン・スーツをピーターに披露する。
 ピーターは、自分はアベンジャーズに加入するには矢張りまだ早い、と固辞。帰る直前、実はこれも「試験」で、スタークもまだアベンジャーズ加入は早いと思ってるんだろう、と問う。
 スタークは、「実はこれも「試験」の一部だった」と認め、ピーターを送り出す。
 その直後に、スタークがピーターを「新たなアベンジャーズ・メンバー」として報道関係者に披露する気満々だったのが発覚する。
 ピーターは、そんな裏事情を知る由も無く、スパイダーマンとして、近所の小さな犯罪を阻止する活動を続ける事を決める。



感想

 本作以前の実写版スパイダーマン(トビー・マグワイヤ主演シリーズと、アンディ・ガーフィールド主演シリーズ)は、最近の傾向に沿ってか、シリアス路線をひたすら走っていた。
 実写化するにあたって、それは仕方なかったのかも知れないが、原作のアメリカコミックとは乖離するばかり。
 本作は、マーベルスタジオで漸く製作される事になって、原作へと回帰したと言える。
 実写版でしかスパイダーマンを知らない者にとって、本作はノリが軽過ぎて、違和感があり捲りになってしまうだろうが、原作のコミックから慣れ親しんでいたものからすれば、寧ろ喜ばしい。
 シリアスで重たいものだけが傑作だという訳ではないのだから。

 これまでの実写版では、ピーター・パーカーがいかにしてスパイダーマンの能力を会得したのか、そしてピーターが叔父を失う場面が盛り込まれていたが、本作ではそれらの場面は省かれていて、冒頭からピーターはスパイダーマンとして精力的に活動していて、叔父はかなり前に亡くしている事になっている。
 実写版で2度も描かれているので、最早必要無いでしょう、と判断されたらしい。
 仮にそれらの場面を盛り込んでいたら、3度目になるので、くどくなるだけだっただろうから、この判断は正しかったと言える。
 初めての実写版の時はスパイダーマンはまだまだ全世界的に知名度は高くなかったが、現在は知名度は充分以上に高いし。

 本作のピーターは、高校生という設定。
 まだまだ幼い。
 観方によっては、高校生どころか中学生に観えてしまう程。
 そんな事もあり、スパイダーマンとしても未熟として描かれている。
 そういうスパイダーマンに強力で凶悪な敵をぶつけてしまうのは時期尚早と判断されたからか、本作の敵役であるバルチャーは、あくまでも自身の家族を大切にするが故に道を踏み外してしまった小悪党。世界征服を企む極悪人ではない。アイアンマンが相手だったら簡単に倒されてしまう程度の小物である。
 やる事が大胆で、装備が派手なので、スパイダーマンとの戦いが物凄い死闘であるかの様になってしまっているが。
 DCコミックのキャラであるバットマンを演じたマイケル・キートンが、ライバルのマーベルコミックの実写版で悪役を演じたというのは、皮肉というか、時代を感じさせる。

 これまでの実写版では、スパイダーマンはニューヨーク市の中心部を活動拠点としていたが、本作では同じニューヨーク市でも郊外のクイーンズ。これまでとは異なり、高層ビルの間をターザンの様に素早く移動する、という場面は無い。
 走って移動する事が多い。
 これも、「発展途上のスパイダーマン」を意識させる。

 本作も、細かく観ると、腑に落ちない部分が多い。
 最大の疑問が、トゥームスの「事業」。
 本来なら政府に引き渡すべきチタウリの兵器の残骸を隠し持ち、新たに兵器を開発し、売りさばいていた。
 ピーターに気付かれるまで、政府には知られていなかったという。
 ただ、本作で登場していた様な、通常では有り得ないハイテク兵器を売りさばいていたら、気付かれない訳が無いと思うが。
 実はピーターに気付かれるより前に政府側は知っていたが、泳がせていた、という可能性も無くも無いが、仮にそうだとすると泳がせ過ぎ。何故もっと前に検挙していなかったのか、分からない。トゥームスを操る黒幕がいたならともかく、そうではなかったのだから。
 トゥームスを泳がせていたとするなら、スパイダーマンとバルチャーとの客船での対決後、スタークも政府もトゥームスを追わなかったのはおかしい。結局ピーターが介入するまで、トゥームスの輸送機強奪計画については全く知らなかった様だし。
 本作に於いては、結局スタークはどこまでトゥームスについて掴んでいたのか、分かり辛い。仮にピーターがスタークの忠告通り手を引いていたら、トゥームスを検挙出来たのだろうかと疑問に思う。

 最近のアメリカ映画は様々な人種の俳優を起用しろと義務付けられているからか(アファーマティブ・アクション=積極的差別是正)、不自然に映る程様々な人種のキャラが登場する。
 ピーター、スターク、トゥームス等、主なキャラは白人系だが、それ以外は「白人の俳優は意地でも使わない」と言わんばかりに、黒人系や東洋系やラテンアメリカ系の俳優によって演じられている。
 同級生リズも、黒人系の女優が演じていた。
 そんな事もあり、リズはトゥームスの娘だ、という事実は違和感あり捲り。現実には白人と黒人が結婚しても不思議ではないので、本作でも有り得ない訳ではないが、あまりにも唐突過ぎ。ピーターだけでなく、鑑賞者までもが動揺していた。
 ネットで情報が拡散し易く、過去の情報がいつまでも残ってしまう昨今、表立って人種差別する者は少なくなったものの、人々の意識の中で未だに色濃く残っているのは事実。したがって、対処する必要はあるが、こうした是正措置だけで解決したと考えるのは筋違い。
 寧ろ、差別意識を助長するのではないか。
 トランプが大統領に就任したのも、行き過ぎた是正措置に不満を抱いた白人層の後押しが大きかったというし。

 ラストで、監獄入りとなったトゥームスは、武器購入者のガーガンと再会。
 客船での激闘でスパイダーマンにより検挙されたガーガンは、当然ながらスパイダーマンを恨んでいた。トゥームスに対し、「お前はスパイダーマンの正体を知っているらしいな。教えろ」と迫る。
 が、トゥームスは、「知っていたら俺がとっくに殺している」と白を切った。
 殆どの鑑賞者は、敵対しながらも最終的にはスパイダーマンに命を救われたトゥームスが、善意で正体を教えなかった、という見方をした様だったが……。
 自分からすると、会話通り、「スパイダーマンを殺すのは俺だ」とトゥームスが考えただけの様に映った。
 バルチャーの再登場は有るのか。もし登場するとなった場合、マイケル・キートンのギャラを払えるのか。その頃には他の出演者のギャラもアップしているだろうし。

 本家マーベルが製作したスパイダーマンとあって、これまでの実写版とは異なる雰囲気の映画に仕上げてある。
 これこそが真のスパイダーマンで、これ以前のは真面目に造り過ぎてしまっている、と言いたいらしい。
 副題は「ホームカミング」で、アメリカの高校で卒業生を招いて開催されるパーティを指すが、直訳すると「帰郷」となる。
 この「帰郷」は、リブートそのものを指していると読み取れるし、スパイダーマンが漸くマーベルに帰って来た、と読み取れる事も出来る。







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Last updated  2017.09.09 15:55:13
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