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2017.09.15
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カテゴリ: 洋画

 DCコミックスを代表するスーパーヒーロー・ワンダーウーマン初の実写版映画。
 これまでワンダーウーマンはテレビシリーズとしての成功はあったものの、そこで主役を演じたリンダ・カーターのイメージが定着し過ぎた事もあり、それに続くものが無かった。
 本作でダイアナことワンダーウーマンを演じるのは、元ミス・イスラエルのガル・ガドット。
 他に、クリス・パイン、ロビン・ライトが出演する。


粗筋

 ルーブル美術館で勤務するダイアナ・プリンスに、バットマンことブルース・ウェインから、あるものが届く。
 100年前の彼女を写した写真の原板だった。
 それを見て、ダイアナは、自身がワンダーウーマンとして活動するきっかけとなった出来事を思い出す。

 女性だけのアマゾン族が住むセミッシラ島。
 神々の王ゼウスにより、いずれ復活するであろう軍神アレスとの戦いに備えて、「外の世界」から隔離された状態で繁栄していた。
 アマゾン族の王女ダイアナ(ガル・ガドット)は、幼い頃から戦士になる事を夢見ていた。母親のヒッポリタ女王(コニー・ニールセン)は、ダイアナの身を案じて禁じていたが、ヒッポリタの妹アンティオペ(ロビン・ライト)の説得もあり、戦士となるべく訓練を受ける様に。
 ある日、ダイアナは「外の世界」から迷い込んで来たスティーブ・トレバー(クリス・パイン)を救出する。
 同時に「外の世界」から迷い込んで来たドイツ軍との戦闘で、アンティオペは命を落とした。
 トレバーから、ドクター・ポイズン(エレナ・アナヤ)と呼ばれる人物が大量破壊兵器マスタードガスを開発している事実を聞き出したダイアナは、「外の世界」の悲惨さに衝撃を受ける。
 軍神アレスの関与を確信したダイアナは、トレバーと共に「外の世界」へと向かう事を決意する。
 ヒッポリタは、「外の世界」に出たら二度と戻って来れないと諭したが、ダイアナの意志は固く、ヒッポリタは娘を送り出すしかなかった。
 トレバーと共に、ダイアナは第一次世界大戦真っ只中のロンドンへ向かう。
 ダイアナは、「外の世界」が自分が想像していたのとは全く異なっていたので、大いに戸惑う。
 戦いの前線はロンドンではなく、大陸にあると知ると、ダイアナはそこに行く事を希望する。軍神アレスはそこにいる、アレスさえ倒せば戦争は終わる、と信じて疑っていなかった。
 ここは神話の世界ではない、戦争はそう簡単なものではない、とトレバーはダイアナを説得しようとしたが、根負けし、彼女を前線へと連れて行く事に。
 前線では、フランス・イギリス連合軍と、ドイツ軍との膠着状態が続いていた。
 ダイアナは、一人でドイツ軍と立ち向かい、占領されていた村を解放する。村民は大いに喜び、写真家がダイアナの姿をカメラに収める。この写真こそ、100年後にブルース・ウェインがワンダーウーマンの存在を知るきっかけとなったものだった。
 ダイアナが、軍神アレスと見なしたのは、ドイツ軍を牛耳るルーデンドルフ総監だった。ドクター・ポイズンは、ルーデンドルフ総監の指揮の下でマスタードガスを開発していたのだった。
 ダイアナは、ルーデンドルフ総監と接触し、彼を殺そうとするが、トレバーによって阻止される。
 ルーデンドルフ総監が企む大量殺戮計画は、彼自身を殺害しただけでは最早止められない、とトレバーはダイアナを説得しようとするが、それを理解出来ない彼女は、トレバーもアレスに毒されている、と思い込むようになり、彼と決別。単独でルーデンドルフ総監を追う。
 ダイアナは、ルーデンドルフ総監を追い詰め、彼を殺す。が、期待に反して、戦争は終わる気配を見せなかった。自分が信じてきた事、やってきた事が全て否定された彼女は、絶望する。
 一方、トレバーは、大量殺戮計画を阻止すべく、マスタードガスを搭載した航空機をハイジャック。空中で航空機を爆発させ、ルーデンドルフ総監の野望をくじいたが、自身も命を落としてしまう。
 そんな中、ついにアレスがダイアナの前に姿を現す。
 アレスは、戦争こそ人間の本性だ、説く。自分が何もしなくても、人間共は勝手に戦争する、と。
 アレスは、協力して人間を一掃し、新たに世界を創造しよう、とダイアナに迫る。それが神の権利だと。実はダイアナは、ヒッポリタの娘ではなく、ゼウスの子だった。アレスもゼウスの子なので、二人は兄妹であり、神の子だったのだ。
 人間に失望していたダイアナは、その言葉を受け入れ掛ける。が、トレバーとの会話を思い出し、善と悪との間で苦悩する姿こそ人間だと思い直す。ダイアナは、真の力を解放し、兄を倒した。
 それから間も無く、ロンドンで休戦協定が締結され、戦争は終わりを迎えた。

 時は流れ、現代のダイアナは、写真の原板を前に、トレバーと「再会」出来た事を感謝するメッセージをウェインに返すのと同時に、トレバーとの約束を改めて確認する。



感想

 アメリカコミックでは、女性が主人公のスーパーヒーローものは少なくないが、実写化されたのはほぼ無い。
 何とか実写化されても興行的に成功したのは皆無。
 スーパーヒーロー物は男性向けで、観るのは男性が圧倒的、というのが背景にある様である。
 本作は、興行的に成功した初の女性スーパーヒーロー物。
 女性監督による映画の興行収入を塗り替えたとか。

 本作は、DCコミックス・ユニバースを形成する主要キャラの一人を、原作を知らない層に浸透させる為に製作されたものと言える。
 バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生でお目見えした、知っている人は知っているが、知らない人は知らないキャラを、若干掘り下げたに過ぎない。
 本当の活躍は、これから公開される作品から、といった感じ。

 ワンダーウーマンは、長年リンダ・カーターのイメージを拭えず、単発的に映像化されていたものの、成功には至っていなかった。
 本作で、漸くリンダ・カーターの呪縛から逃れられた、と言える。ハリウッドでもまだあまり有名でなかった女優を起用したのが、イメージ払拭に上手い具合に働いたらしい。
 元ミス・アメリカによって作られたイメージを払拭したのが、元ミス・イスラエル、というのは興味深い。
 主演のガル・ガドットは、徴兵制のあるイスラエル国籍なので、軍歴もあるという。撮り直しがあった時は妊娠中で、それにも拘わらず過酷な撮影に挑んだとか。

 ヒッポリタ女王の妹で、ダイアナの戦闘訓練の指南役アンティオペを演じるのは、ロビン・ライト。
 ロビン・ライトは、ファンタジー映画プリンセス・ブライド(1987年公開)でバターカップ姫を演じた事で有名。
 その可愛いお姫様を演じた女優が、30年後にこんな形で登場するとは、皮肉か。
「アマゾン族最強の将軍」という役柄だったが、その割には呆気無く退場してしまうのは、ちょっと残念。

 本作では、ワンダーウーマンことダイアナは、神ゼウスの子で、スーパーマンに匹敵する超人的な力を持っている、という設定になっている。
 ワンダーウーマン、てそこまで超人的ではなかった筈、と思って調べたら、原作コミックでも設定が変わり、神の子となっているらしい。
 様々なスーパーヒーローが投入されるであろうDCコミックス・ユニバースでは、それくらいにしないと埋没してしまうから、止むを得なかったのかも知れないが……。
 今後このキャラがどう発展していくのか、期待してしまうのと同時に、心配でもある。

 本作は、第一次世界大戦を舞台にしている。
 この頃は、マスタードガスが史上最悪の兵器として扱われているが……。
 この戦争が終わってからたった20年後の第二次世界大戦では、更に強力な原爆が使用される。しかも「善」として描かれる事が多いアメリカによって。
 ダイアナは、当然ながら第二次世界大戦も経験していると思われる。その際はどう思って、どう活動したのか、知りたいといえば知りたい。
 第一次世界大戦は、「全ての戦争を終わらせる為の戦争」とされたが、終戦に於ける条約があまりにも不平等で、第二次世界大戦のきっかけになってしまった。
 それを考えると、ダイアナが戦争が終わってホッとするシーンは、少なくともハッピーエンドではなく、皮肉でしかない。

 ストーリも、歴史的な観点からすると、無理がある。
 第一次世界大戦時のドイツを、既にナチスドイツになっているかの様に描くのはおかしい。くどいかも知れないが、ナチスドイツが誕生するきっかけとなったのが、第一次世界大戦の際にイギリスやフランスが終戦の条件としてドイツに押し付けた不平等条約だったのだから。イギリスやフランスがもう少しまともな対応をしていたら、少なくともナチスは史実通りには台頭していなかったと思われる。
 ダイアナは偶々イギリス・フランス側に付き、ドイツと敵対したが、仮にドイツ側に付いていたら、イギリスとフランスを敵対し、ぶっ潰していたのだろうか、と思ってしまう。ドイツがひたすら悪者扱いされているが、ドイツ人は本作をどう思って観たのか。
 本作で登場するルーデンドルフは、実在したドイツ軍将校。第一次世界大戦後は政治家に転じている。ナチスドイツとも関わりを持つ事になるのは事実だが、最終的にはヒトラーを嫌って決別し、第二次世界大戦が始まる前に死去している。本作の様にひたすら好戦的な暴君として描くのもどうかと思う。

 ワンダーウーマンの成り立ちを描く映画として、色々想像していたのだが……。
 期待には応えていない感じ。
 女性しかいない島で育ったダイアナが、生まれて初めて男性を目の当たりにしてどういう反応をするか。生まれ育った島を離れて「外の世界」に辿り着いたダイアナは、20世紀初頭のロンドンをどう思うか。
 人間の社会に対応していくダイアナに焦点が当てられるのかと思いきや……。
 初めて見るにしては、ダイアナは男性もロンドンも意外とすんなりと受け入れてしまい、適応出来てしまう。
 物凄く呆気無い演出。
 それらは特に抵抗無く受け入れられるのに、「人間が起こしている戦争は軍神アレスとは関係無く展開していて、彼女が軍神アレスだと信じて疑わない者を倒したところで戦争は終結しない」という事実を、ルーデンドルフ総監を殺すまで気付かない、というのは矛盾している気がする。
 最後は神と神のバトルとなっていて、派手だが、あまりにも非現実的で(CGなのが見え見えだし)、特にワクワクしなかった。ワンダーウーマンが勝つのは、分かっていたし(負けていたら、100年後にバットマンやスーパーマンと関わる事は出来ない)。
 出来は悪くは無いが、演出に於いてはもう一捻り出来なかったのか、と思ってしまう映画である。







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Last updated  2017.09.15 22:41:02
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