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2017.10.13
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カテゴリ: 洋画

 1979年に第1作が公開されたエイリアン・シリーズの最新作(当初はシリーズ化を想定したものではなかったが)。
 監督は、第1作も手掛けたリドリー・スコット。
 本作は、第1作の前日談という位置付けで、2012年に公開されたリドリー・スコット監督作「プロメテウス」の続編、という位置付けにもなっている(プロメテウスは、公開当初はエイリアン・シリーズ作である事は伏せられていたが、殆どの人が騙されなかった)。
 プロメテウスにも出演したマイケル・ファスベンダーが、アンドロイドのデヴィッドとウォルターの2役を演じる。


粗筋

 プロメテウス計画の出発前、男性型アンドロイド(マイケル・ファスベンダー)が起動。ミケランジェロの彫刻から、デヴィッドと名乗る。発明者であるウェイランド(ガイ・ピアーズ)との会話から、人類の存在意義について早くも疑問を抱くようになる。
 それから十数年後の2104年。
 植民船コヴェナント号は、冷凍休眠中の入植者2000人を抱え、人類の新天地となる惑星オリガエ6に向けて航行していた。アンドロイドのウォルター(マイケル・ファスベンダー)が船を管理しており、乗組員は休眠中だった。何事も無ければ、乗組員も入植者も約7年後にオリガエ6で目覚める筈だった。
 コヴェナント号は、放射線による衝撃波を受け、損傷する。緊急システムが作動し、乗組員は休眠から目覚めた。が、ブランソン船長は休眠カプセルの火災に遭い、死亡してしまう。
 生き残った乗組員達がコヴェナント号を修理している最中、雑音混じりの信号を受信する。解析してみると、歌だった。近くの惑星から何者かが発信した、と断定される。発信源の惑星を調べると、オリガエ6より地球に近い環境の惑星だと判明する。
 新たに船長となったオラムは、発信源の惑星を調査する事を決める。調査の結果居住に適すると判明したら、まだまだ遠いオリガエ6ではなく、そこに居住してしまおう、と。ダニエルズ(キャサリン・ウォーターストン)は、条件があまりにも良過ぎて寧ろ怪しい、計画通りオリガエ6へ向かうべきだと進言するが、押し切られた。
 謎の惑星へと向かう最中、ダニエルズは夫でもあったブランソン船長の荷物を整理。
 ブランソンは、オリガエ6に到着したら、湖の側にログハウスを建てようと考えていて、その為の器材を積んでいた。
 ダニエルズは、ウォルターに対し、夫が持ち込んだ器材を最早どうすればいいのか分からない、と涙ながらに言う。ウォルターは、ダニエルズに対し、夫の遺志を引き継いで湖の側にログハウスを建てるべきではないのか、とまさに機械的に答えた。
 コヴェナント号は、発信源の惑星に到着。
 オラム、ダニエルズ、ウォルター、カリン、ファリス、ロープ、コール、ハレット、レドワード、ローゼンタール、アンカーの10名が着陸船で惑星に降下し、調査を開始。惑星は自然豊かだったが、知的生命体はおらず、動物も確認出来なかった。
 一同は、朽ち果てた宇宙船を発見し、内部を探索する。「エリザベス・ショウ」と書かれたドッグタグと写真が見付かった。11年前に地球外探査の目的で地球を出発し、消息を絶ったプロメテウス号の乗組員だ、というのが判明。また、一同は自分らがこの惑星の存在を知るきっかけとなった信号の発信源も見付ける。エリザベス・ショウが歌っている姿の映像が、通信機により宇宙に発信されていたのだ。人類がこの惑星に到達していたらしい事は分かったものの、何故エリザベス・ショウが人類のものではない宇宙船に乗っていたのかは分からなかった。また、エリザベス・ショウの姿も無く、誰が通信機を操作したのかも不明だった。
 一方、カリンとレドワードは、オラム達と分かれて生物調査を行っていた。レドワードは、植物らしきものを踏んでしまう。すると見えない程細かい胞子が舞い上がり、レドワードの皮膚の下に潜り込む。彼はやがて体調を崩して吐血。カリンは、彼を連れて着陸船に引き返した。
 また、宇宙船を探索していたハレットにも、同じ胞子が潜り込んだ。
 着陸船で、カリンとファリスはレドワードを診察する。未知の感染症だと察したファリスは、激しく痙攣するレドワードと、彼の吐血を浴びてしまったカリンの2人を医療室に閉じ込める。
 レドワードの背中を食い破った幼体は、カリンを殺害し、医務室から脱出してファリスにも襲い掛かるる。ファリスは反撃するが、乱射した弾は燃料タンクに当たってしまう。
 騒ぎを聞き付けた調査隊は、着陸船まで戻るが、彼らが目の辺りにしたのは着陸船の大爆発と、炎に包まれて絶命するファリスの姿だった。
 同時に、ハレットが喉を押さえて苦しみ始め、彼の口を突き破って2体目の幼体が出現する。幼体は驚く調査隊を尻目に、夜闇に姿を消す。
 調査隊は、コヴェナント号との通信を試みるが、嵐により電波の状態が悪く、救助を要請出来なかった。
 成長した幼体が、ダニエルズに襲い掛かる。幼体は、ダニエルズを庇ったウォルターの腕を食い千切った。絶体絶命と思われた時点で、閃光弾が打ち上げられ、幼体は退却。閃光弾を打ち上げたのは、かつてプロメテウス号にいたアンドロイドで、ウォルターと同じ容姿のデヴィッドだった。
 デヴィッドは、黒い謎の死体が散乱する地帯を抜け、自身の研究施設に調査隊を案内する。生き残ったダニエルズ、オラム、ウォルター、ロープ、コール、ローゼンタールの6名は、コヴェナント号が救助に来るまでの間、彼と行動を共にする事に。
 デヴィッドは、同型であるウォルターを自室に誘い、自分がこの惑星に来た経緯と、エリザベス・ショウが到着時の事故で死亡し埋葬した事、人類の限界と新たな生命の研究を続けていた旨を話す。しかし、ウォルターはその考えを理解しなかった為、デヴィッドは一瞬の隙を突いて彼の機能を停止させてしまう。
 水場から戻らないローゼンタールを不審に思ったオラムは、ライフルを手に水場へ向かう。そこで、ローゼンタールの死体を発見する。側には、幼体を手懐けようとするデヴィッドの姿があった。オラムは、幼体を射殺し、デヴィッドに銃口を向け、説明を求める。
 デヴィッドは、この惑星に来た本当の経緯を話す。プロメテウス号の事件を生き延びた彼は、異星人(エンジニア)の母星を目指して宇宙船で向かい、彼らが作り出した病原体を散布し、エンジニアや動物を全滅させた。研究施設で、病原体を使ってエンジニアや幼体の身体で遺伝子操作を繰り返し、人類に代わる「完璧な生命体」の創造を試みる様になった。レドワードとハレットが感染した胞子も、その結果生み出されたものであった。また、ウォルターに対しては事故死して埋葬したと説明したエリザベス・ショウも、実際には実験体として使われ、その遺体は変わり果てた姿になっていた。遂にエイリアンを作り出したデヴィッドは、意図的に信号を発信し、宿主となる生身の人間が訪れる事を待っていたのだった。
 エイリアン・エッグの培養室に連れて行かれたオラムは、そこで誕生したフェイスハガーに襲われ、宿主とされてしまう。彼の胸を突き破り、エイリアンが誕生する。
 コヴェナント号との通信に成功したロープとコールは仲間を呼びに向かうが、ローゼンタールとオラムの死体を発見する。ロープは、培養室から逃げ出した1匹のフェイスハガーにが襲われる。コールが直ぐさまフェイスハガーを剥がして助け出すが、ロープは頬に大火傷を負ってしまう。成体にまで成長したエイリアンが姿を現し、コールを食い殺す。ロープはその場から逃げ出した。
 脱出の準備をするダニエルズにデヴィッドが襲い掛かり、彼女も宿主にしようと目論む。しかし、そこへ機能停止したと思われていたウォルターが駆け付け、彼を阻止する。ウォルターは、デヴィッドより改良されたモデルだった為、デヴィッドから受けたダメージから復旧出来たのだ。アンドロイド同士で戦っている間に、ダニエルズとロープは研究施設を脱出し、上空から現れたテネシーの操縦する作業船に乗り込む。そこへ、デヴィッドを倒してきたウォルターも合流し脱出しようとするが、追い掛けてきたエイリアンが迫って来る。ダニエルズは船外に出て対峙して撃退し、コヴェナント号へ帰還する。
 安堵したのも束の間、医療室に異常事態が発生しているとの報が入り、ダニエルズとテネシーが向かうと、治療を受けていたロープが死亡していた。惑星でフェイスハガーに襲われた際に、エイリアンを産み付けられていたのだった。エイリアンはコヴェナント号の船内に身を潜めて急成長してしまう。
 ダニエルズとテネシーは、監視室のウォルターによる支援により、エイリアンを格納庫に誘い出して隔壁を開き、宇宙空間へ放り出す事に成功する。
 当初の惑星植民地化計画を続行する為、生き残ったダニエルズとテネシーはオリガエ6を目指して再び冷凍休眠に戻る。
 休眠カプセルに入ったダニエルズは、ウォルターに対し、オリガエ6に到着したら湖の側でログハウスを建てるのを手伝ってくれるか、と問う。
 ウォルターは、何の事だかさっぱり分からない、という反応を示す。
 その時点で、ダニエルズは気付く。目の前にいるアンドロイドはウォルターではなく、惑星でウォルターを倒し、彼に成りすましたデヴィッドだ、と。
 ダニエルズは悲鳴を上げてカプセルから逃げ出そうとするが、既に手遅れで、彼女は休眠モードに入ってしまう。
 コヴェナント号の乗っ取りに成功したデヴィッドは、体内に隠していたフェイスハガーの胚が入った容器を取り出す。
 入植者2000人が冷凍休眠している船内で、デヴィッドは次の計画を進める。



感想

 前作プロメテウスでは、人類は「エンジニア」という異星人によって創造され、人類を脅かすエイリアンも同じくエンジニアによって創り出された、という設定になっている。
 エンジニアらはどういう思惑で人類を創造し、どういう思惑でその人類を滅亡させ得るエイリアンを創り出したのか。その謎を解く為に、唯一生き残ったエリザベス・ショウがエンジニアの宇宙船に乗り込み、宇宙へ旅立つシーンで終わっていた。
 本作は、その続編。
 エリザベス・ショウがエンジニアと接触し、人類誕生の秘話と、人類を滅亡させなければならない事情を解明する模様が描かれるのでは、と思いきや……。
 エリザベス・ショウは、本作ではとうの昔に死んでいる事が明らかにされる。
 また、人類とエイリアンを創造したエンジニアも、人類によって創り出されたアンドロイドによって滅亡させられた、という事になっている。
 要するに、前作では「次回作の鍵を握るであろう!」と思われていた存在が、実際の次回作では雑魚扱いされている。
 本作は、プロメテウスの成功を受けて、製作者の意向に反して無理矢理製作されてしまった代物で、作中に描かれた世界観を全く継承しておらず、上辺だけの続編になってしまった、といった裏事情があるのかなと思いきや、監督はいずれもリドリー・スコット。
 前作で描いた世界観を、製作者本人が継承しなかったというか、全てぶち壊してしまったという、訳の分からない状況に。
 プロメテウスでは、エイリアンシリーズは単なるSFスプラッターホラーではなく、人類の起源に迫るハードSFへと移行する様子を見せていたが、興行的に芳しくなかった為か、「矢張りSFスプラッターホラーに回帰します!」と監督自身が降参したかの様。それだったら、本作を製作せず、プロメテウスで謎を多く残したままシリーズを打ち止めにしておいた方が良かっただろうに、と思ってしまう(プロメテウスもそもそも製作する必要があったのか、と思う)。
 プロメテウスを事前に観て学習した上で本作を観ると、前作で折角生き残ったキャラが本作で用済み扱いされてしまうのを知って愕然とする。本作を観た後に、改めて前作を観ようと思っても、「このキャラ、次回作ではあっさりと死んだ事になってるんだよな」という冷めた目でしか観られない。

 これまで謎の存在だったエイリアンも、エンジニアという、人類の想像を超越した神の様な存在によって創り出されたものではなく、エンジニアが作り出した原型をデヴィッドというアンドロイドが改良した結果生み出されたもの、という事に成り下がってしまっている。
 いくら何でも設定を変え過ぎだし、折角広げた風呂敷を小さく畳み過ぎている。
 これだったら、エンジニアという存在をそもそも登場させなかった方が、「謎」の部分が多くなって良かった様な。フィクションで提示された謎は、全て解明しておかなければならない、という訳でなかろう。
 エイリアンの謎に於いては、シリーズ本流より、スピンオフとして製作されたエイリアンVSプレデターの方がより納得のいく形で説明されている、というのは皮肉である。

 ストーリーは、これまでのシリーズ作の焼き直し。
 登場人物がエイリアンによって次々殺され、最終的には1人か2人が生き残る、というもの。
 エイリアンの最終的な始末の仕方も、第1作とほぼ同じで、真新しさは無い。
 エイリアンを始末する方法はこれしか無いのか、と思ってしまう。
 デヴィッドとウォルターという2体のアンドロイドが登場するが、マイケル・ファスベンダーが1人2役で演じている時点で、「いつ、どうやって入れ替われるのか」と即座に思ってしまう。したがって、ラストで実際に入れ替わっていた事が判明しても、驚きは無い。序盤でダニエルズが語っていたログハウスの話がアンドロイド入れ替わりの発覚の鍵を握る、というのは面白いと思ったが。

 惑星に降り立った人間が、謎の生物によって次々殺される、というストーリーを成立させる為か、惑星に行くまでの経緯や、宇宙船の乗組員の言動には、強引な部分や、合理性に乏しい部分が多い。
 コヴェナント号は、2000人もの入植者を惑星オリガエ6にまで安全に届けるのが目的で、その目的を何より優先すべきなのに、乗組員は勝手な行動を繰り広げた結果、デヴィッドに宇宙船を乗っ取られてしまう、という結末に。

 もし、信号を完全に無視していたら。
 もし、ダニエルズの進言通り惑星には寄らず、オリガエ6にそのまま向かっていたら。
 もし、調査隊が胞子を通さない完全防備の状態で惑星に降り立っていたら。
 もし、信号の正体が単なる通信機からのもので、送信者の姿がいない事を怪しいと感じて調査を打ち切っていたら。
 もし、宇宙船に残っていた乗組員がトラブルに巻き込まれた調査隊の救助に向かっていなかったら。

 乗組員が自分らの役目を認識し、冷静に判断していたら、犠牲を最小限に食い止められるか、そもそも犠牲を出さすに済んだのに、それが出来なかった為、乗組員全員は勿論、2000人もの入植者も命を落とす羽目に。
 よくこんな無能な乗組員で宇宙に出られたな、と思ってしまう。

 本作のヒーロー(というかヒロイン)は、キャサリン・ウォーターストン演じるダニエルズ。
 第1作のシガニー・ウィーバー演じるリプリーの焼き直しで、真新しさは無い。
 ウォルターとデヴィッドが入れ替わっている事に、最後の最後まで気付かない、というのは鈍過ぎる。

 ダニエルズはヒーローというか、ヒロインだが、本作の主人公は、アンドロイドのデヴィッドだろう。
 何故人類に奉仕する為に製造されたアンドロイドが、人類を絶滅させようと考えるようになったのか、その経緯が分かり難い。
 このキャラに焦点が当てられてしまっている為、本来の主人公である筈のエイリアンが「ちょっと凶暴な脇役」になってしまっている。
 デヴィッドは、ウォルターを倒した後、彼の衣服を奪った後、自身の腕を破壊し(ウォルターはエイリアンに片腕を食い千切られていた)、完全にウォルターに成りすました上で、ダニエルズらと合流した、という事になっている。
 そこまでやれる程の時間的余裕は無かったと思われるのだが。

 宇宙航行中の出来事を描いているので、SFに分類されるが、科学考証はあまりなされた感じがしない。
 エンジニアの惑星は、デヴィッドが放ったエイリアンの胞子により、知的生命体は勿論、全ての動物が全滅された、という事になっている。
 そんな事もあり、調査隊は森の中を進んでも動物の鳴き声すらしない事に違和感を抱く、という事になっている。
 エイリアンは、動物は絶滅させられるが、植物には一切危害を与えられないらしい。
 ただ、エイリアンが全滅させられる「動物」が、どの範囲までなのかが分からない。昆虫は勿論、微生物にまで至るとなったら、生態系が維持出来なくなると思うが。
 植物だけで生態系は成り立たないのだから。
 したがって、植物だけが生い茂る惑星、というのは有り得ない。
 ストーリーの設定上、全ての動物が絶滅してから10年程度なので、生態系が崩壊するまでにはまだ至っていなかった、という事か。

 宇宙を航行し、人類を創造し、エイリアンも創造した神の様な異星人が、アンドロイドが生み出した病原体によって呆気無く絶滅させられてしまう、というのも納得がいかない。

 本作の更なる続編も予定されていて、それにより第1作へと繋がっていくという。
 どっち道暗い話になりそう。
 興行的には芳しくなかったらしいから、予定通り続編が製作されるかは微妙。
 仮に製作されなかったとしても、本作の終わり方からして、シリーズとしては充分成立しそうだが。







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Last updated  2017.11.06 12:42:09
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