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2019.10.14
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カテゴリ: 洋画

 イギリスの伝説的ロックバンド「クイーン」のヴォーカル・フレディ・マーキュリーを主人公とする伝記映画。
「クイーン」が1970年代を駆け抜け、1985年に開催されたライブエイドに出演するまでを描いている。
 原題も「Bohemian Rhapsody」。



粗筋

 1970年代初頭のロンドン。
 ファルーク・バルサラ(ラミ・マレック)は、音楽に傾倒する青年。厳格な父とは折り合いが悪く、ペルシャ系移民出身という自身のルーツを嫌って「フレディ」と名乗っていた。
 フレディは、バンド「スマイル」のファンで、ライブを頻繁に見に行っていた。
 しかし、「スマイル」のヴォーカルは、「自分らのバンド活動は限界に達していて、これ以上続けても無駄だ」と突然言い出し、脱退。
 ヴォーカルを失った「スマイル」は、解散の憂き目に遭う。
 状況を知ったフレディは、「スマイル」のギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーの前に現れ、ヴォーカルを買って出る。
 メイとテイラーは、自信満々の青年を勘ぐっていたが、フレディはその場で見事な歌声を披露。驚いた二人は、彼をヴォーカルとして起用する事に。
 ヴォーカル兼ソングライターとなったフレディを加えたバンドは、名を「クイーン」に改める。車を売却した資金で、アルバムを自主制作する。
 レコーディングの様子を偶々見ていたEMIの役員は、彼らをスカウト。ポール・プレンターを担当マネージャーとした。
 クイーンがメジャーデビューし、躍進する中、フレディは恋人のメアリーにプロポーズし、結婚する。
 EMIの重役レイ・フォスターは、アルバムの売れ行きに大いに満足し、ヒット曲「キラー・クイーン」の路線を踏襲するよう、命じる。
 一つのスタイルに束縛されたくないフレディらは、フォスターの指示を無視する事に。
 フレディは、オペラをテーマとしたロック・アルバムを作りたいと提案。そのアイデアを基に、アルバム『オペラ座の夜』が完成する。その中の一曲が、「ボヘミアン・ラプソディ」だった。フレディらはこの曲を一押しするが、フォスターは、「『ボヘミアン』とか『ラプソディ』とかの意味が分からない」「何故オペラなんだ」「6分は長過ぎてラジオで掛けてもらえない」と色々ケチを付け、了承しようとしない。
 フレディらは自らラジオに出演し、勝手に流す。「ボヘミアン・ラプソディ」は、マスコミには酷評されるものの、世間には受け入れられ、大ヒットする。
 ツアーで多忙になる中、フレディは自身のセクシャリティに気付いていき、メアリーに自分はバイセクシャルだと告白する。その結果、彼女はフレディと距離を置く様になる。
 メアリに去られ、クイーンのメンバーらとも馴染めなくなり、孤独を深めるフレディは、パーティー三昧の生活に溺れる。その場でジム・ハットンという男性と出会う。ハットンに恋愛感情を抱くフレディは再会を積極的に希望するが、ハットンは「君が本当の自分を取り戻す事が出来たら再会しよう」と言い残し、去ってしまう。
 フレディは、ミュージシャンとして大成功を収めながらも、誰とも思いを分かち合えなくなってしまった。
 そんな頃、ポールはフレディを独占しようと考え、彼にソロ活動契約の話を持ち掛ける。
 以前のフレディだったらそんな話は蹴っていたが、心の余裕を失っていた彼は、受け入れてしまう。
 これにより、クイーンは決定的に仲間割れし、フレディは脱退する事に。
 フレディが去ったクイーンの新マネージャーに就任したジム・ビーチは、チャリティーイベント・ライブエイドに、クイーンを出演させようと考える。ただ、フレディ抜きのクイーンではインパクトに欠けると感じ、フレディに戻って来るよう、連絡を入れる。
 しかし、実質的にフレディのマネージャーになっていたポールは、折角フレディをクイーンから脱退させる事に成功し、独占出来る立場になったのに、ライブエイドに参加させたら意味が無いと考え、その話を黙殺。フレディには取り次がなかった。
 フレディは、ソロアルバム作成に没頭するが、クイーンの仲間と一緒にやっていた時とは異なり、思う様に進まない。自分の居所はクイーン以外に無いと改めて知ったが、自ら脱退しておきながら今更戻れる訳が無い、と悩む。
 そんな頃、連絡が付かない事を心配したメアリーが、フレディを尋ねに来る。折角ジム・ビーチがライブエイドの話を持ち掛け、フレディがクイーンに戻って来られるようお膳立てしているのに、何故応じない、と問う。ライブエイドの話は全く知らなかったので、フレディは愕然とし、ポールがあらゆる話を黙殺し、自身の孤独感を増長させていた事を悟る。
 フレディは、ポールと決別。クイーンに戻る為、話し合いの場を求める。
 クイーンのメンバーらは、フレディが恐れていた程わだかまりは抱いておらず、戻って来るならそれでいい、と考えていた。
 しかし、ちょっとくらい条件を付けてもいいのでは、と考えたメンバーらが、「今後の曲の名義は個人ではなくクイーンにする事にするなら迎え入れてやる」と半ば冗談交じりで条件を提示した所、フレディは全ての条件を呑むから戻らせてくれ、と懇願。クイーンは、拍子抜けしながらフレディを受け入れる。
 こうして、フレディが戻ったクイーンは、ライブエイドに出演する事を決めた。
 体調不良を感じていたフレディは、検査によりHIVに感染している事を知った。リハーサルの場で、自らの病についてメンバーに告げる。メンバーはその告白に衝撃を受けるが、ライブエイドで全力投入する事を誓う。
 全てを取り戻したと実感したフレディは、ハットンを探し出して再会。
 ハットンは、「本当の自分」を取り戻したフレディを受け入れ、以降交際する。
 ライブエイド当日、フレディはハットンを連れて実家に戻り、家族に「友人」と紹介する。家族は全てを理解し、またフレディも父親の厳格な教えが間違いでなかった事を認め、互いを受け入れる。
 ライブエイドステージに立ったクイーンは、約20分のパフォーマンスで群衆を熱狂させ、チャリティーイベントとしても大成功させて出番を終える。
 ラストで、フレディはエイズを発症して1991年に死去した事、最期までハットンが添い遂げた事、メアリーが友人として支え続けた事、そしてフレディの名を冠したエイズ患者支援基金『マーキュリー・フェニックス・トラスト』が設立された事が語られる。



感想

 ビートルズ、もしくはそれ以上の伝説となったロックバンドを取り上げた映画。
 クイーンの名曲が随所に盛り込まれ、ミュージカルっぽくなっていて、その意味でも観客を楽しませるものに仕上がっている。

 ただ、ブライアン・メイの前に現れた時点では音楽に関しては素人同然だった筈のフレディが(楽器は一切弾けない、と認めている)、飛び入り参加で大成功を収め、その後も特に挫折せず、音楽的には成功し続ける事に関しては違和感を抱いてしまう。
 実際はそれに近かったのかも知れないが、フレディがどこでどうやって音楽について学んだのか、終始不思議に思った(単なる音楽のファンがヒット曲を何曲も作詞できるとは思えない。もしそうだったら、誰もがソングライターになれてしまう。もしくはフレディが音楽について学習していた部分は、作品では単に割愛されたのか)。

 本作では、フレディは様々な悩みを抱えていたり、間違った方向に進んだり、同性愛者であったりした事実が包み隠される事無く描かれている。
 主人公で、しかも故人だから、当然といえば当然。

 一方、クイーンのメンバーで、現在もクイーンとして活動し続けるブライアン・メイとロジャー・テイラーは、本作で音楽プロデューサとして参加している事もあり、あくまでも何の問題も抱えていない「善人」として描かれている。
 ブライアン・メイに至っては、物分かりが良過ぎる程物分かりの良い、「大人」の人物になっていて、破天荒なフレディとは対照的。実際のブライアン・メイは本当にここまで物分かりの良い人物なのかね、と思ってしまう。

 フレディを演じるラミ・マレックは、実際のフレディの特徴を似顔絵イラスト並みに強調した顔立ちで、最初は「ちょっと大袈裟過ぎるのでは」と思ってしまうが、次第に馴染んでくる。
 フレディ・マーキュリーという人物を徹底的に研究した上で演技していたのが見て取れた。海外の映画は、こうした作り込みが丁寧(ライブエイドの再現シーンも、実際のライブエイド以上の映像に仕上がっていたし)。
 邦画は、そうした作り込みがなされていないので、演技や演出が薄っぺらく感じる事が多い。

 フレディ役は、ラミ・マレックが決まる前は、ベン・ウィショーも候補に挙がっていたという。
 007シリーズやメアリー・ポピンズ・リターンズにも出演していたベン・ウィショー版のフレディも、観たかった気がしないでもないが、ラミ・マレックと比較すると顔立ちが大人しく、インパクトに欠けるので(いわゆるイケメン度ではウィショーの方が上回るが)、ヒット作になっていたかどうか。

 代表的な曲の作曲の裏話について触れている点は、興味深かった(どこまでが史実で、どこまでが作品上の演出なのかは不明だが)。

 誰もが一度は聞いた事がある楽曲をスクリーンならではのライブ感で体感出来るとあって、普段は映画を観ない者にもお勧めしたい作品。
 ただ、主人公が同性愛者で、そうしたシーンも多数盛り込まれているので、少なくともお子様や、そうしたテーマが苦手な者向けの映画ではない。







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Last updated  2019.10.19 15:04:26
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