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2022.05.06
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カテゴリ: 洋画

 2022年公開の映画。
 DCコミックスのスーパーヒーロー・バットマンの実写版。
 本作品を以て、バットマン・フランチャイズはまたリブートされた事になっている。
 本作でバットマン/ブルース・ウェインを演じるのはロバート・パティンソン。
 他に、ゾーイ・クラヴィッツ、ポール・ダノ、ジェフリー・ライト、コリン・ファレル、アンディ・サーキスが出演。
 原作は「The Batman」。


粗筋

 軽重の犯罪が横行するゴッサムシティ。
 それを変えようと、若き大富豪のブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)は、バットマンに扮して自警活動する様になってから2年が経過していた。
 選挙を控えるゴッサムシティ市長ドン・ミッチェルが、自宅で寛いでいたところ、背後から緑のマスクを被った男に襲われ、殺害される。
 ミッチェルの殺害現場でゴードン警部補(ジェフリー・ライト)が現場検証していると、バットマンが現れる。
 バットマンを呼んだゴードン警部補以外の警察関係者は、蝙蝠の格好をして自警ごっこしている変質者を犯罪の現場に招くな、と反発する。
 が、ゴードン警部補にはバットマンを呼ぶ理由があった。何故なら、殺害現場には、バットマンに宛てた封筒があり、その中にはリドラーと名乗る犯人からのメッセージがあったのだ。
 メッセージはなぞなぞだったが、バットマンは即座に解き、一緒に入っていた謎の暗号の書かれた紙を見ようとするが、サベージ本部長により現場から追い出されてしまう。
 が、バットマンはコンタクトレンズ型カメラで暗号の書かれた紙を記録していたので、ウェイン邸の地下にあるバッドケイブで執事のアルフレッド・ペニーワース(アンディ・サーキス)と共に暗号の解読を開始する。
 暗号の答えは「drive」だったので、ゴードンと共にミッチェル邸のガレージを捜査。
 そこにあった一台の車に、事件で使われた鈍器を発見する。その車には、犯人が残したUSBもあった。
 USBにはミッチェルが謎の女性を侍らせサベージ本部長と、マフィア組織を率いるペンギン(コリン・ファレル)と会っている画像が記録されていた。
 ペンギンは、別のマフィアの大ボス・ファルコーネと共にゴッサムシティの裏社会を牛耳る人物。
 市長として犯罪撲滅を訴えていたミッチェルと、犯罪を取り締まる立場にあるゴッサム市警のトップが、マフィアとの繋がりがあった事を証明する決定的な証拠だった。しかし、これだけでは何故ミッチェルが殺されたのか、分からない。
 バットマンは、ペンギンが運営するナイトクラブへ向かう。
 ペンギンは、画像の謎の女性が誰なのか分からない、と白を切るが、ナイトクラブで働いていたセリーナ・カイル(ゾーイ・クラヴィッツ)は、謎の女性について知っていた。
 バットマンは、セリーナの後を付けると、謎の女性が同じくナイトクラブで働くアニカという名の女性である事を知る。バットマンはアニカから話を聞こうとしたが、アニカは何者かに拉致された後だった。
 バットマンは、セリーナにコンタクトレンズ型カメラを装着させ、ナイトクラブに戻る様、要求する。
 セリーナは、バットマンに反発しながらも、ナイトクラブに戻る。
 セリーナが装着したコンタクトレンズ型カメラを経て、バットマンは地方検事のコールソンがナイトクラブを訪れているのを知った。要するに、地方検事もマフィアの影響下にあった。
 その直後、リドラーはコールソンを拉致した。
 数日後、ミッチェル市長の葬儀が営まれる。
 その葬儀場に、自動車が乱入。
 自動車から中から這い出て来たのは、数日前に拉致された地方検事コールソンだった。首には爆弾が巻かれていて、リドラーが持たせたバットマンへのメッセージと、携帯電話を握っていた。
 バットマンが到着すると、携帯電話が鳴り、リドラーと繋がる。
 リドラーは、コールソンに対し、自分が出すなぞなぞに答えろと脅迫する。さもないと首に巻かれた爆弾を起爆する、と。
 バットマンとコールソンは、リドラーが出すなぞなぞを解いていくが、最後のなぞなぞは、少し前にゴッサムシティの司法当局が犯罪撲滅の成果として大々的に挙げたマフィアの大ボス・マローニの逮捕劇に関するものだった。
 マローニが逮捕に至ったのは、ある密告者から協力を得られたからだったが、リドラーはその密告者の名前を皆が見ている前で吐け、と要求する。
 コールソンはこの要求を拒否。言ったら自分は破滅する、と。
 リドラーは爆弾を起爆し、コールソンは死亡する。
 バットマンとゴードンは、密告者とは、マローニの右腕だったペンギンだと推理し、ペンギンの後を追う。
 ペンギンが取り仕切る麻薬取引の現場に踏み込んだ二人は、アニカの死体を発見。また、マローニの犯罪組織がペンギンと共に丸ごとファルコーネに渡っていた事を知る。
 バットマンとゴードンは、お前が密告者だな、とペンギンを追及する。リドラーが出したなぞなぞの答えはお前を指している、と。
 しかし、ペンギンは否定した。確かにマローニの逮捕後、マローニの組織も自分もファルコーネの組織に移らざるを得なかったのは事実だが、マローニの逮捕劇に自分は関与していない、と。そもそもなぞなぞの解き方が間違っているぜ、とも指摘。
 バットマンとゴードンは、リドラーのなぞなぞを最初から洗い出す事を迫られる。
 すると、ウェインの父親が運営していた孤児院とリドラーに関係がある事が分かり、バットマンは廃墟と化した元孤児院に向かう。
 そこに残されたリドラーのなぞなぞにより、リドラーはウェイン家にも憎しみを抱いている事実が明らかになり、ブルース・ウェインも標的の一人だと知る。
 バットマンは、自宅へと戻るが、ブルース・ウェイン宛ての爆弾入り郵便物を開封してしまったアルフレッドが病院に搬送された後だった。
 リドラーが残した情報から、ブルースは、何年も前に殺された自分の父親がファルコーネと関係があった事実を知る。
 ブルース・ウェインとしてファルコーネと対面したところ、ファルコーネは自身とブルースの父親トーマス・ウェインの関係について語る。
 医師で事業家だったトーマス・ウェインは、腐敗し切ったゴッサムシティを正そうと、市長に立候補したが、あるジャーナリストが妻のマーサが精神病を患っている事をネタに強請を掛けてきた。困り果てたトーマスは、自身の元に助けを求めてきた。自分は襲撃されて瀕死の状態だったところを、トーマスに救われた事もあり、借りがあった。どうにかしてくれというトーマスの依頼に応える事にした。その結果、ジャーナリストは非業の死を遂げた。それから間も無く、選挙中にトーマスとマーサは何者かにより殺害された。自分と大富豪のウェイン家との関係が深くなる事を恐れたライバルのマローニが手を下した可能性が高い、とファルコーネは締めくくった。
 自身の父親は善人だと信じ切っていたブルースは、父親もマフィアと関わりを持っていた事実に愕然とする。善良な市民である両親を殺されてしまったからこそ自分はバットマンとして活動していたのに、と。
 ブルースは、意識を回復したアルフレッドに対し、父親の死に関する事実を何故自分に知らせてくれなかったのかと責め立てる。
 アルフレッドは言う。ジャーナリストの強請に困り果てたトーマスがファルコーネの下に駆け込んだのは事実だが、追い払えと頼んだだけで、殺せと頼んではいない、と。ジャーナリストが殺害されたと知ったトーマスは、自首しようとしたが、それを阻止しようとファルコーネがトーマスとマーサを殺害した可能性が高い、と。
 ブルースは、何が真実で、何が嘘なのか、自分が何の為にバットマンとして活動してきたのか、全く分からなくなってきた。
 セリーナは、自分はファルコーネの娘だと、ブルースに打ち明ける。といっても、ファルコーネに親しみは持っていなかった。寧ろ、ファルコーネこそ密告者だ、という事実をミッチェルがアニカにうっかり打ち明けてしまった、という理由だけでアニカを始末する事を決めたファルコーネを恨んでおり、殺すつもりでいた。
 バットマンとゴードンは、ナイトクラブに向かい、セリーナを阻止し、ファルコーネを検挙。
 しかし、護送中にファルコーネはリドラーに狙撃され、死亡する。
 警察がリドラーが狙撃した現場に向かうと、そこはごく普通のアパートだった。
 アパートの住人を探し出したところ、会計士のナッシュトンに行き着く。
 彼こそリドラーだった。
 ナッシュトンは直ちに精神病院に収容される。
 バットマンは、精神病院に向かい、ナッシュトンと面会する。
 リドラーことナッシュトンは、バットマンと面会出来て歓喜。
 リドラーは、バットマンと共にゴッサムシティに巣食う悪(ミッチェル、コールソン、ファルコーネ、ウェイン家)を叩き潰していた、と信じて疑っていなかった。
 バットマン=ブルース・ウェインという真実を知らない相手により一方的に片棒にされていたと知ったバットマンは、戸惑うしかなかった。また、リドラーの正義と、自分の正義で、何が違うのか、とも悩み始める。
 リドラーとの会話により、彼が仕掛けた計画が終わっていない事をバットマンは知る。
 バットマンは、その計画について全て吐けとリドラーに迫るが、バットマンは自分の味方ではない、と知ったリドラーは答える事を拒否。
 バットマンは、リドラーが仕掛けたなぞなぞの練り直しを迫られる。
 バットマンは、リドラーのアパートに戻り、ミッチェルの殺害に利用された凶器の真の意味を知り、リドラーが仕掛けた計画の全貌を掴む。
 ゴッサムシティの至る箇所に爆弾を仕掛けた自動車を配置し、市長選の投票日に爆破させる。爆破の衝撃で堤防を破壊し、市の中心部を水浸しにする。避難する市民を選挙の集会場に集結させ、そこをリドラーの賛同者らが襲い、エリートぶっているだけの新市長と共に虐殺する……、という計画だった。
 バットマンは選挙の集会場に急行するが、爆破により市が水浸しになり、市民が集結するところだった。
 バットマンは武装したリドラーの賛同者らを倒し、新市長と市民を救う。
 精神病院で、リドラーは、自分の計画がバットマンによって阻止された事を知り、絶望感に陥る。
 リドラーの隣の収容者が、お前はお前なりに良くやったじゃないか、と笑いながら慰めた。
 バットマンにとって、これまでの自警活動は市民を救う為というより自己満足の側面が大きかったが、同じく自己満足の正義を振りかざしていたリドラーと立ち向かった事により、市民を救う事こそが自分のやるべき事だと改めて認識する。



感想

 バットマンシリーズの再々々々々リブート。
 展開が行き詰まり易いキャラなので(各バージョンも何だかんだで第1作目が一番出来が良く、それ以降はイマイチになる)、度重なるリブートは仕方ないのかも知れないが、ベン・アフレック演じるバットマンに漸く馴染んできたのにまたリブートする必要があったのか、と思わないでもない。
 全体的な雰囲気は、クリストファー・ノーラン版のバットマン第1弾(バットマン・ビギンズ)のダークでシリアスな世界観。
 作中では一切触れられていないが、ホアキン・フェニックス主演のジョーカーで登場したウェイン一家の15年後を描いたのが本作、と説明されても違和感抱く事無く受け入れられるものになっていた。

 これまでのバットマンシリーズでは、バットマンはヒーローとして初登場し、市民にも警察にもヒーローとして受け入れられていたが、本作のバットマンは警察からは「蝙蝠の格好で自警活動している変質者」と見られていて、市民からも特段ヒーロー視されていない。
 バットマンの世界をよりリアルに描く事にした結果こうなった、と言える。
 本作ではバットマン以外にもリドラー、ペンギン、キャットウーマン等、シリーズではお馴染みのキャラが登場するが、いずれもごく普通の人間として描かれている。やっと素顔で登場した知能犯リドラーがごくごく普通の中年男性だったというのは、シリーズ最大の衝撃だった。
 コスチューム姿で登場するのはバットマンだけ。
 その意味でも「バットマン=変質者」の方程式が強調されている。
 ブルース・ウェインも、本作での年齢設定が若いからか、まだまだ未熟な部分があり、ラストになって漸く市民から支持されるヒーローとして活躍する事に意義を見出す展開になっている。
 ブルースの執事で、サポート役のアルフレッドも登場。これまでのシリーズ作では互いに絶大な信頼感を持つ関係、として描かれていたが、本作では互いに信頼しているものの絶大という訳ではなく、互いの言動に呆れていたり、反発したりする様子も描かれていた。

 バットマンがDCコミックスで初登場したのは、1939年発行の「DETECTIVE COMICS(探偵漫画)」の第27巻。元は蝙蝠の格好をした探偵だった。
 本作は、それに原点回帰させたい、という事もあってか、アクションヒーローとしてというより、探偵としての活動が多い。バットマンは元々こういうキャラだったんだな、と改めて思った。
 ひたすら探偵として活動していたら作品全体が地味になるし、蝙蝠の格好をさせる意味が無くなると製作者側が感じたからか、カーアクションや格闘シーンを便宜的に盛り込んでいた。

 凶悪犯罪を巡る映画とあって、ご都合主義な部分も多い。
 最大の難点が、リドラーの正体が捻じ曲がった正義感を振りかざしているだけの会計士だった、という点。
 一会計士が市長の自宅に忍び込んで市長を殺害したり、警察の追跡を欺いて有力者を拉致したり、爆弾を仕掛けたり、マフィア組織の活動を調べてなぞなぞにしたりする、というのは無理がある。
 そうした思惑を抱いていたり、計画したりしたら、直ちに周囲に知られて警察当局やマフィア組織からも目を向けられていただろう。
 リドラーの言動や計画は派手で、奇怪だが、ミステリ映画で登場する悪党の域は出ておらず、コスチュームド・ヒーローでないと手に負えない、という程でもない。
 その意味でもひたすら「リアル」な悪党だった。

 本作の最大の悪は、ゴッサムシティを数十年も牛耳っていたファルコーネと言える。
 ただ、あくまでもマフィアの大ボスという、現実社会でも有り得る悪党に過ぎない。
 コスチュームヒーローでないと対処出来ない相手ではないというか、コスチュームヒーローの相手にしてはあまりにも地味な悪党。
 バットマンより、マック・ボランが相手にしていた方が適していたかも。

 ゴッサムシティにはファルコーネの他にもう一人マフィアの大ボスがいた、という事になっている。
 ファルコーネの「密告」により検挙され、ゴッサムシティの司法当局による「犯罪撲滅の成果」として吊し上げにされた人物。
 マローニというその人物の名は作中で頻繁に挙げられていて、ストーリー上重要な人物であるにも拘わらず、結局最後まで登場せず、バットマンと絡む事は一切無かった。
 次回作で明らかにされていくのか、このまま全く取り上げられる事無く済まされていくのかは不明だが、本作で散々取り上げていたのだから、次回作で何とか登場させ、バットマンと絡んでほしい。

 本作で登場するゴッサムシティの名士は、全てファルコーネの影響下にあった事になっている。
 主人公ブルースの父親トーマスでさえもファルコーネと関わりがあった。
 アルフレッドは、トーマスは強請を仕掛けてきたジャーナリストを脅して追い払ってくれとファルコーネに頼んだだけで、殺せと頼んではいない、と説明していた。
 が、マフィアの大ボスの下に駆け込んで「どうにかしてくれ」と頼み込んだら、殺しも想定していなければおかしい訳で、「マフィアの大ボスに問題解決を依頼したのは事実だが、まさか殺すとは思っていなかった」という言い訳は通用しない。
 本作のトーマス・ウェインは根っからの悪党では無い様だが、善良な市民、という訳でもなく、トーマスが非業の死を遂げた事が子のブルースがバットマンして自警活動をするきっかけとなった、となるには説得力に欠ける。
 結局、本作には裏表が全く無い「善良な市民」が一人も登場しない。

 バットマンシリーズは、各バージョンとも第1作目はバットマンがバットマンになった背景、そしてバットマンが活動するゴッサムシティを描くのに注力しており、その為バットマンが主役で、ヴィランはその引き立て役に徹している。
 が、それ以降のシリーズ作になると、ゴッサムシティやバットマンの背景について改めて触れる必要が無くなるので、必然的にヴィランの描写がメインとなり、主人公である筈のバットマンが引き立て役に転じてしまう事が多い。
 本作も、新たなバットマン像を描く事に成功したと思えるが、第2作目からはまたヴィランにスポットライトが当てられてしまうんだろうな、と思った。

 あと、上映時間が3時間近く、というのもどうにかならないのか、と思う。







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Last updated  2022.07.08 22:48:20
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