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2022.07.08
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カテゴリ: 洋画

 2022年公開のアメリカ合衆国のアクション映画。
 1986年公開の『トップガン』の36年振りの続編。
 監督はジョセフ・コシンスキー、脚本はアーレン・クルーガー、エリック・ウォーレン・シンガー、クリストファー・マッカリーが務める。
 トム・クルーズとヴァル・キルマーが前作から続投。
 他に、ジェニファー・コネリー、マイルズ・テラー、ジョン・ハム、グレン・パウエル、ルイス・プルマンらが出演。


粗筋

 ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル海軍大佐(トム・クルーズ)は、空中戦で3機の敵機撃墜記録を持つ戦闘機パイロット。
 その輝かしい戦歴とは裏腹に、問題行動で左遷されており、将官に昇進していて当たり前の年齢に達していたにも拘わらず、階級は未だに大佐だった。
 現在は、スクラムジェットエンジン搭載の極超音速試験機「ダークスター」のテストパイロットを務めていた。
 ダークスターは、最高速度の記録を試験飛行の度に塗り替えていて、次のテスト飛行ではマッハ9.5を達成する予定だった。
 しかし、ダークスター計画の予算の権限を握ったケイン海軍少将(エド・ハリス)は、自身が推し進める計画に予算を回したいが為に、「約束された最高速度マッハ10を達成出来ていない」を口実に、ダークスター計画の凍結を一方的に決める。
 マーヴェリックは、ケイン海軍少将が計画凍結を正式に宣言する前に、マッハ10を達成すべく離陸し、成功させる。が、独断でそれ以上に記録を伸ばそうとした結果、ダークスターを空中分解させてしまう。
 無事脱出し帰還したマーヴェリックは、ケイン海軍少将から飛行禁止処分を言い渡されてもおかしくない立場にあったが、かつて戦闘機パイロットとしてマーヴェリックと共に戦った、太平洋艦隊司令官トム・“アイスマン”・カザンスキー海軍大将(ヴァル・キルマー)の強い要望で、ノースアイランド海軍航空基地の「トップガン」に呼び戻された。
 丁度その頃、あるならず者国家がNATO条約に違反するウラン濃縮プラントを建設し稼働させようとしていた為、それを破壊すべく特殊作戦が計画されていた。
 プラント周辺の強力な防空網を避ける為に険しい渓谷を超低空・超高速で飛行して、電磁波妨害に左右されないレーザー誘導爆弾でプラントを破壊するには、米海軍は旧式となりつつあるF/A-18戦闘機を使うしか手が無い。一方で、敵国は最新鋭の第5世代戦闘機を保有してプラント周辺の防衛に当たらせていた。プラント破壊後、F/A-18と敵機との空中戦は必至だった。
 米海軍は、トップガン卒業生から戦闘機パイロットの精鋭を選抜し、任務に当たらせる事になったが、最近は戦闘機といえども爆撃が主体となっていて、選抜されたパイロットらも実戦経験こそ豊富ながらも空中戦を経験した者は殆どいなかった。
 そこで、空中戦の第一人者として、マーヴェリックが教官として抜擢されたのだった。選抜パイロットを訓練し、その中からパイロットを更に絞って任務に当たらせる、と。
 戦闘機乗りとしては絶対の自信を持つマーヴェリックだったが、生還率が低い作戦の為にパイロットを訓練して送り出す事には消極的にならざるを得なかった。しかし、海軍から除隊されるところを何度も救ってくれたアイスマンの直々の御使命とあって、拒否は出来なかった。
 マーヴェリックは、選抜パイロットの中に、かつての友人で事故で亡くなったニック・“グース”・ブラッドショウ海軍中尉の息子、ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショウ海軍大尉がいる事に困惑する。
 マーヴェリックは、夫を失った上に息子まで失いたくない、というルースターの母にせがまれ、ルースターの海軍兵学校への志願書が受理されないよう工作していた過去があった。
 ルースターは、マーヴェリックの工作にもめげずに海軍兵学校へ入学し、パイロットになったものの、マーヴェリックによって大きな回り道をさせられた、と恨んでいた。その上、父親のグースがマーヴェリックの後席に乗っていて事故死した事も知り、マーヴェリックこそ父の死の原因だ、と恨みに恨みを重ねていた。
 マーヴェリックは、乗り気ではなかったものの、教官として訓練を開始。作戦を成功させる為の制限時間と所要練度を割り出し、それに基づく飛行水準を決め、それに向かってパイロットらを訓練する。
 選抜パイロットらは、実戦経験を充分以上に積んでいる自分らは今更マーヴェリックに教わる事等何一つ無い、と当初は思っていた。が、戦闘機の仕様書に記載された範囲内で操縦する事しか学んでこなかった彼らは、仕様書を無視して戦闘機を限界にまで追い込むマーヴェリックの実戦仕込みの飛行技術には全く歯が立たず、マーヴェリックの腕を認めざるを得なかった。
 選抜パイロットらはマーヴェリックが求める水準に達する為の厳しい訓練を続けるものの、誰も達成出来ない。
 また、ルースターは過去の因縁からマーヴェリックに対して反発的な態度を取るばかり。その上、選抜パイロットの一人で、問題児扱いされていたジェイク・“ハングマン”・セレシン海軍大尉が、マーヴェリックとグースの過去をネタに軽口を叩いた事で、パイロット達の間に摩擦が生じる。
 自らの過去が招いたトラブルに悩むマーヴェリックを、アイスマンが自宅に呼び出す。アイスマンは病の末期症状にあったが、その体に鞭打ってマーヴェリックと面談し「いい加減、自分を許したらどうだ」と助言を与える。
 数日後、アイスマンは息を引き取った。
 マーヴェリックを元々疎んでいた海軍上層部は、アイスマンの死去を好機と捉え、マーヴェリックを教官職から解任する。選抜パイロットらを所要練度に到達させられなかった、という理由を付けて。
 海軍上層部は、特殊作戦を練り直し、マーヴェリックが要求していた練度を必要としない水準にまで下げる。しかし、敵側の防空体制に変化が無い以上、新水準では作戦に参加するパイロットらの生還は期待出来ない。
 マーヴェリックが要求する水準では誰も任務を達成出来ないが、新水準では任務を達成出来ても誰も生還出来ない、とパイロットらは絶望する。
 その時、解任された筈のマーヴェリックがF/A-18に搭乗して飛行を開始。作戦をシミュレートした飛行で、自身が選抜パイロットらに課していた水準での飛行を成功させ、要求していた水準が絶対不可能でない事を証明する。
 海軍上層部は、マーヴェリックの飛行技術を認めざるを得なくなり、マーヴェリックを今回の作戦の編隊長に指名する。
 作戦に実際に加わるのではなく、教官として加わるだけ、という状況に不満を持っていたマーヴェリックだったが、いざ編隊長として作戦を指揮しろと命じられると戸惑うしかない。が、希望通りの展開になったではないかと促され、作戦に本腰を入れる。
 選抜パイロットの中から、マーヴェリックは任務を遂行するパイロットを選び出し、編隊を組む。その中にはルースターも含まれていた。ハングマンは予備として待機する事に。
 特殊任務の日。
 マーヴェリックらは空母から発艦し、プラント破壊に成功する。
 が、プラント周囲に配置された大量の対空ミサイルからの攻撃にさらされる。作戦に参加したパイロットらの殆どは、無時帰還出来た。しかし、マーヴェリックとルースターだけは互いをかばって撃墜されてしまい、敵の航空基地近くに降り立つ。
 2人は森で再会し、敵基地に無傷で残っていたF-14を奪い、空母へと向かう。
 が、敵の第5世代戦闘機が追ってきた。
 初期の第4世代戦闘機に位置付けられるF-14は、性能的には不利な立場にあったが、マーヴェリックとルースターの腕前もあり、2機の第5世代戦闘機を撃墜。しかし、最後の3機目を相手にする頃には武装を使い果たしており、しかも脱出装置も故障してしまう。
 撃墜されるのを待つばかりのマーヴェリックらだったが、空母で待機していたハングマンが駆け付けて敵機を撃墜し、窮地を免れる。
 2人は無事空母に帰還すると同時に、和解した。



感想

 1980年代に大ヒットし、トム・クルーズを一躍スターへと押し上げたトップガンの36年振りの続編。
 続編を想定していなかったと思われる作品なので、よく制作に至ったな、と驚く。

 回想シーン以外で前編から引き続き登場するのは主人公のマーヴェリックと、ライバルだったアイスマンのみ、となっている。よって、前編でヒロイン役を演じたケリー・マクギリスは登場しない。
 ケリー・マクギリスは俳優業を引退状態で、容姿も60歳の年齢相応になってしまっていた為、若さを奇跡的に維持しているトム・クルーズとギャップがあり過ぎると考えられた為か、カメオ出演のお声すら掛からなかったという。残酷といえば残酷だが、前編の出演者をあまりにも登場させてしまうと単なる同窓会映画になってしまうので、前編からの登場人物を絞ったのは適切だったといえる。

 ただ、40年余り前の映画の続編とあって、設定には結構強引な部分も。
 最も強引なところが、輝かしい戦績を持つマーヴェリックが40年も経っているのに未だに階級が大佐で、航空機の操縦桿を握り続けている、という点。
 ライバルだったアイスマンが大将にまで昇進し、太平洋艦隊司令官となっているので、ますますそのギャップを感じさせる。
 実際の海軍だったら、「パイロットのままでいたい」という理由で昇進を拒み続ける者をいつまでもパイロットのままにしておく、という措置は取らないと思われる。無理矢理昇進させるか、パイロットの資格を取り消すか、除隊させているだろう。本作ではアイスマンの計らいでマーヴェリックはパイロットのままでいられた、という事になっているが、大将にそこまでの権限があるとも思えない(アイスマンも最終的に大将に上り詰めた訳で、それ以前は当然ながらより低い階級だった筈だし)。
 教官として、作戦の裏方に徹する筈だったマーヴェリックが、いつのまにか作戦の最前線に立っている、というのも有り得ない。いくら飛行技術があったとしても、本来なら退役間近の年齢に達している者が編隊長に指名される事は無い。
 本作で、マーヴェリックは試験機ダークスターを破壊し、後半の作戦ではF/A-18戦闘機を破壊させている。が、操縦していた本人は無事脱出。
 何十億円の航空機も所詮「モノ」に過ぎないから全損したら必要に応じてまた作り直せばいい、命はそうはいかないから助けないと、という発想は消費大国アメリカならでは。どんな高価なものでも使い潰していく。他国だと「操縦士の命は助かったんだから、航空機を失っても問題ナシ」という訳にはいかない。「操縦士も重要だが、航空機の方がもっと大事」となる。

 アイスマンは、癌で喉をやられてしまい、殆ど喋れない、という設定で登場。
 これは、演じていたヴァル・キルマーが癌で喉に手術をせざるを得なくなった、という事実をキャラに反映させたかららしい。
 当然だが、ヴァル・キルマーはアイスマンとは異なり、死んではない。
 作中でアイスマンは声を振り絞ってマーヴェリックに語り掛けているが、アイスマンの声はヴァル・キルマー本人のものではなく、吹き替えだったらしい。
 ヴァル・キルマーが年相応の容姿である一方、トム・クルーズがそこまで老け込んでいない事に、とにかく驚く。

 マーヴェリックの相手役として、酒場を営む女主人のペニー・ベンジャミンが登場。
 前編では名前が述べられるだけで作中では姿を現さないキャラだったが(よって誰も演じていない)、本作では普通に姿を現し、お馴染みのキャラと言わんばかりにマーヴェリックと絡んでいる。
 演じていたのはジェニファー・コネリー。流石に歳を取ったな、とい言った感じ。
 酒場のシーンは、ライトスタッフのパンチョ・バーンズの店を連想させた。
 パイロットの溜まり場は、似た様なものになってしまうのか。

 登場人物の大半がパイロットか、元パイロットという事もあり、ほぼ全員がニックネームを持っている。
 主人公は“マーヴェリック”、彼の元ライバルは“アイスマン”、主人公に恨みを持つパイロットは“ルースター”、選抜パイロットの中の問題児は“ハングマン”。
 本名で呼ばれるキャラは殆どいない。
 実際の海軍もそうなのか。

 主人公の設定には無理があったが、航空シーンは迫力がある。
 トム・クルーズを含め、パイロット役の俳優らは実際に米海軍の戦闘機に搭乗しながら演技したという(シーンによっては俳優にカメラを持たせて撮影と演技を同時にやらせたとか)。
 米海軍の全面協力を得られたハリウッドならではのスケール感ある撮影。

 前編では、敵機の「ミグ」は実際には米軍のF-5で、航空機について少しでも知識がある者だとそれに違和感を抱く羽目になっていた。
 本作の敵機(いわゆる第5世代戦闘機)は、ロシアが開発中のステルス戦闘機Su-57に似た機体が登場。
 前編ではリアルな飛行シーンを映すには実際の米軍戦闘機をロシアの「ミグ」と称して撮影させざるを得なかったが、現在なら架空の戦闘機の飛行シーンもリアルに映せるくらい特撮技術が向上している、という事だったらしい。
 確かに、第5世代戦闘機の飛行シーンに違和感は無かった。

 ラスト辺りでは、にマーヴェリックらがF-14戦闘機に搭乗して飛行するシーンも。
 F-14はとうの昔に米海軍からは退役しており、その上退役したF-14は敵国となってしまったイランに部品が渡る事が無いよう、破壊され捲っていて、飛行可能状態のF-14はアメリカ国内には残っていないので、作中の飛行シーンは全て特撮によるものと思われる。
 それでも、どうやって撮影したんだろうと思う。

 マーヴェリック率いる編隊は、あるならず者国家の軍事施設を攻撃しているが、この「ならず者国家」がどこの何という国なのかは明らかにされない。
 実際の国名を出すと問題になるし、わざわざ仮想の国を想像するのも面倒臭い、と感じたかららしい。
 時折現れた国旗はイランを連想させるものとなっていたが(イランは米国以外でF-14を運営する唯一の国)、積雪があり、第5世代戦闘機を導入出来る程の資金と技術を保有する、となるとロシアっぽい。
 前編も敵国は「ミグ」を運用している国家、となっていて、「ソ連」の明言は避けていたので、敵国をしっかり定めないのは本シリーズの伝統か。

 トム・クルーズがノーヘルメットでオートバイを飛ばすシーンは、本作でも導入。
 40年経っているが、この法律は変わっていないらしい。
 冒頭では前編でも登場した旧車のカワサキGPZ900Rの旧車を乗り回し、それ以降は最新型のカワサキNinja H2を乗り回していた。
 Ninja H2は、1000ccながらも200馬力のエンジンを搭載した高性能バイク。当然ながら、安くは無い。
 海軍大佐の給料、てそこまでいいのか。

 制作発表時は中国資本の会社がスポンサーになっていた事もあり、作品の紹介シーンでは台湾と日本の国旗が縫い付けられている筈のジャケットから国旗が消えていた、と批判が挙がっていたが、本作では台湾と日本の国旗入りジャケットが普通に見られた。
 コロナウィルスの影響で制作から公開まで時間が掛かってしまい、その間に中国の会社の懐事情が変わってスポンサーを降りたからだという。コロナウィルスの怪我の功名といえる。

 前編もアメリカ万歳映画ぽかったが、本作もアメリカ万歳っぽく仕上がっている。
 一時はそればかりで辟易していたが、最近はハリウッドにも中国資本が流れ込んでいる事もあり、中国万歳の映画が増えてしまっているので、逆にここまでアメリカ万歳だと清々しい。
 ハリウッド映画は矢張りアメリカ映画であるべき。

 前編の原作者であるエフド・ヨネイの遺族が、許可無く続編の製作を進めて公開したとして、本作で得られた利益等の損害賠償と、本作や更なる続編の配給中止を求め、ロサンゼルスの連邦地裁に提訴した事を発表している。
 原作があったのか、とびっくりしたが、原作といっても小説ではなく、海軍のトップパイロットについて紹介する記事で、ストーリー性は無いので、この訴訟がどこまで取り上げられるかは不明。
 アメリカは何でも訴訟の材料にするな、と思った。







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Last updated  2022.07.09 14:23:52
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