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2023.07.07
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カテゴリ: 洋画



 インディ・ジョーンズ・シリーズ5作目。
 主役を演じたハリソン・フォードは、これが本人にとって最後のインディ・ジョーンズ作とのこと。
 また、第1作目と第3作目でインディの友人サラーを演じたジョン・リス=デイヴィスも出演。
 他にフィービー・ウォーラー=ブリッジ、アントニオ・バンデラス、マッツ・ミケルセン、カレン・アレンが出演。
 原題は「Indiana Jones and the Dial of Destiny」。


粗筋

 1944年。
 第二次世界大戦の最中。
 一時は欧州全土を支配するかの勢いだったナチスドイツは、アメリカ・イギリス・ロシア等による反攻で崩壊寸前だった。
 考古学者インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は、仲間のバシル・ショーと共に、ナチスが強奪した文化遺物の回収する為ドイツに潜伏していた。
 ナチスは様々な文化遺物をベルリンに向かう列車に詰め込んで出発。
 そんな中、ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)は、輸送している遺物の一つが「アンティキティラのダイヤル」の一部だと報告。約2000年前にアルキメデスが製作したものだ、と。
 ジョーンズとショーはフォラーからダイヤルを奪うと、列車から飛び降りて逃走した。

 1969年。
 アポロ11号の宇宙飛行士らが月面からの帰還に成功し、ニューヨーク市では近々彼らの偉業を称えるパレードが催される日が近付いてた。
 インディは、数年前に再開を果たしたマリオン(=クリスタルスカルの王国)と結婚して、それまで存在すら知らなかった息子と家族として暮らしていた筈だった。が、息子が徴兵に応じて軍に入隊し、派兵先のベトナムで戦死してしまった事で人生がまた狂い出す。マリオンとの関係が悪化し、離婚を協議する羽目に。
 そんな事もあり、ニューヨークで彼は一人で暮らしていた。ハンター大学で教授として考古学を教えていたが、人類が月面に到達して高揚している時代とあって、考古学は退屈な学問と見なされる様に。考古学を専攻している生徒らの目にもインディの授業は定年退職間際の老人の古臭い話としか映っていなかった。
 そんな中、ショーの娘であり、インディの名付け子であるヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)が訪ねて来る。
 ヘレナは父親と同様、考古学を専攻していた。「アンティキティラのダイヤル」について知りたい、と言い出す。亡き父親は、ダイヤルが時空を操る事を可能にする装置だと信じて解読に没頭し過ぎて発狂寸前にまで追い込まれていたが、それを見かねたインディが、ショーからダイヤルを受け取っていたのだ。
 受け取りの際、正気を取り戻したショーはダイヤルは危険だから破壊してくれ、インディに頼んでいたが、インディは破壊せず、大学の倉庫に保管しておいた。
 インディはヘレナを大学の倉庫に連れて行き、ダイヤルを見せる。自分が持っているのはダイヤルの一部で、残りがどこにあるのかは分からない、とヘレナに告げた。
 そんな中、フォラーの手下が大学を襲撃する。
 フォラーは戦後アメリカに移り、名を変えてNASAのアポロ計画に協力していたが、アポロ計画が成功裏に終わった以上、自分がアメリカ政府の為に奉仕する日々は終わったと判断し、自身の野望の実現の為に動き出していた。第二次世界大戦中に手に入れられたがアメリカのスパイによって奪われてしまった「アンティキティラのダイヤル」を再び手に入れる、と。
 アメリカ政府は、フォラーには借りがあるとして、彼の行動を黙認。お目付け役として、CIA局員メーソンが行動を共にしていた。フォラーの手下は、ダイヤルの行方を知っていると読んだヘレナを追っていたのだ。
 突然襲撃されて訳の分からないインディを尻目に、ヘレナはダイヤルを奪って逃げる。実はヘレナはダイヤルに考古学的価値を見出しておらず、単なる金目の物としか見做していなかった。インディの下にやって来たのは、ダイヤルを奪って競売に掛ける為だったのだ。
 インディはその場から逃れる。が、フォラーの手下が襲撃の際に大学の職員を何人か殺害しており、インディは大学で元同僚の死に関与しているとして指名手配されてしまっていた。
 インディは、友人のサラー(ジョン・リス=デイヴィス)の助けを借り、ヘレナがダイヤルを競売に掛けるモロッコへ向かう。
 モロッコで、インディはダイヤルが競売に掛けられるのを阻止するが、その場にフォラーらが到着し、ダイヤルを奪う。
 インディ、ヘレナ、そしてヘレナの子分的存在のテディと共にフォラーを追う。
 モロッコを離れようとするフォラーの前に、メーソンが現れる。
 アメリカ政府は最早フォラーの行動を黙認出来なくなった、アメリカに連行する、とメーソンは告げる。
 が、フォラーはアメリカ政府の言いなりになるつもりは無かった。メーソンを殺害し、ダイヤルの残りの半分があるとされるギリシャへ飛ぶ。
 インディらもフォラーを追ってギリシャへ向かう。
 ダイヤルは、元々ギリシャの沈没船から回収されたものだった。沈没船は二つに分かれて沈んでおり、ダイヤルの残りを探し出すのに必要な証拠はより深い場所に沈んでいる残骸の中にある、とインディは推測する。
 インディは、友人であるダイバーのレナルド(アントニオ・バンデラス)の助けを借り、残骸から平板を回収。平板には、アルキメデスの墓の場所を突き止める暗号が刻まれていた。
 レナルドの船にフォラーが現れ、暗号を解くよう、インディに迫る。インディが拒否すると、フォラーらはレナルドを殺害。インディの反対に耳を貸さず、ヘレナは暗号を解き始める。
 ヘレナは暗号と説く振りをしながら時間稼ぎしていた。隙を見て、インディ、ヘレナ、テディはフォラーの船を奪って逃げる。
 平板の暗号を解いたインディらは、暗号が示す通りアルキメデスの墓があるというシシリー島に向かう。
 フォラーを撒いたつもりだったインディ一行だったが、フォラーは一行の動きをしっかり読んでいて、シシリー島に到着。テディを拘束する。
 インディとヘレナは、洞窟に入り、アルキメデスの墓に行き着く。
 棺を開けると、アルキメデスの遺体があった。遺体は、ダイヤルの残りの半分を抱えていた。
 これでダイヤルが完成し、時空を自由に操る事が出来る、とヘレナは喜ぶ。
 インディは時空を操れる訳が無いと懐疑的だったが、ふとアルキメデスの遺体の手首を見ると、現在の機械式腕時計を身に着けていた。アルキメデスは時空を操って現在にやって来て腕時計を手に入れ、元の時代に戻っていた可能性が出てきた。
 フォラーらが現れ、ダイヤルを奪い、合体させ、完成させる。
 その時点で、フォラーの野望が明らかになる。
 フォラーはダイヤルを使って1939年に戻り、ヒトラーを暗殺するつもりだった。ヒトラーさえいなくなれば、より良い指導者が現れ、ナチスドイツは勝利に導かれる、と信じていたのだ。
 フォラーらはインディとヘレナを連れて飛行機に乗り、ダイヤルにより時空の亀裂を生じさせ、過去へ飛ぶ。
 それより前にフォラーらから逃れていたテディは、小型飛行機を奪って後を追い、時空の亀裂に進入。
 フォラーの計画には大きな誤算があった。
 アルキメデスの時代には大陸移動について知られていなかった。ダイヤルはそれを計算に入れていなかった為、一行は予定していた1939年ではなく、紀元前212年の世界に到着。
 そこはシュラクサイ包囲戦の最中で、アルキメデス率いるシュラクサイの軍と、ローマ軍が戦っていた。
 突然現れた飛行機に、ローマ軍は得体の知れない怪物が襲来したと勘違いし、攻撃。
 結果、フォラーらを乗せた飛行機は破損し、墜落。
 インディとヘレナは、間一髪で飛行機からバラシュートで脱出した。
 一方、テディの小型飛行機は、無事着陸出来た。
 ヘレナは、小型飛行機に乗って、時空の亀裂を再度通過すれば、元の時代に戻れる、と判断。インディに、さっさと小型飛行機に乗るよう、促す。
 しかし、インディは、これまで文献でしか知らなかった歴史上の出来事が繰り広げられているのを目の当たりにして、この時代に残りたい、と考える様に。元の時代に戻った所で、自分には何も残っていない、と。
 ヘレナは、負傷していたインディに対し、この時代に残っても手当てが受けられなければ間も無く死ぬだけだ、と説得を試みる。
 しかし、インディは耳を貸そうとしなかった。
 その時、アルキメデスが二人の前に現れる。飛行機の残骸から回収したダイヤルを抱えていた。アルキメデスは、インディとヘレナが2000年後の未来からやって来たというのを理解していた。
 インディは、アルキメデスがフォラーの腕時計を身に着けているのに気付く。その時点で、ダイヤルの真の目的を知る。
 アルキメデスは、未来から援軍をやって来るのを期待して、ダイヤルを製作した。ダイヤルはこの時代のこの場所に来られる様にしか設定されておらず、フォラーやショーが期待した様な時空を自由自在に操ってどこの時代にも行けるタイムマシンでは無かったのだ。
 アルキメデスは機械式腕時計を身に着けた状態で埋葬されていたが、それは本人が時空を行き来した事を意味するのではなく、未来からやって来た者が身に着けていたものを抜き取っただけだった。
 今直ぐ時空の亀裂に戻らないと永久に自分等の時代に戻れない、と悟ったヘレナは、インディを殴って気絶させる。
 インディが意識を回復すると、ニューヨークの住まいにいた。
 意識を失っている間に、現代に戻ったのだ。
 元の生活を続けるしかないとうんざりするインディの前に、ヘレナが現れる。
 同時に、マリオン(カレン・アレン)も何でもない様に姿を現した。
 離婚調停中で、顔を合わせてもらえない妻がいる事に戸惑いの色を隠せない。
 マリオンは、インディとの関係を修復したいと申し出、インディはそれを喜んで受け入れる。



感想

 インディ・ジョーンズ・シリーズ第4弾のクリスタル・スカルの王国が、それまでのシリーズ作の集大成的な作品になっていたので、まさか更に続編が制作されるとは予想していなかった。
 第4弾ではインディがマリオンとの再会を果たし、息子の存在を知る事にもなり、結婚式を挙げるに至り、ハッピーエンドで終わったので、第5弾はどんな風に始まるのかと思っていたが……。
 インディは漸く結婚にまで漕ぎついたマリオンと離婚協議中、でいきなり始まる。
 第4弾のラストではインディの跡を継ぐ事になると窺わせた息子が全く登場しないので、どうなったんだろうかと思っていたら、中盤辺りで息子はベトナム戦争で死亡した事実が明らかに。マリオンとの関係が破綻したのも、それが原因だと。
 息子役を演じたシャイア・ラブーフを再起用するのが契約上・スケジュール上無理だった、という現実的な問題があったのかも知れないが、前作のハッピーエンドを全て否定するこの展開はどうなのかね、と思ってしまう。
 インディは孤独が似合い、ファミリーマンとして描くには相応しくない、というイメージがあるのかも知れないが、新作が出る度に私生活が前より荒んでいる、という扱いは気の毒。

 第1弾から第3弾は宗教絡みの謎を巡った冒険で、第4弾はあまり知られていない古代文明のオーパーツをめぐる冒険だったが、本作はローマ時代の遺物を巡る冒険。
 これまでのシリーズ作と比較すると、謎のスケールがこじんまりとしたものになっている印象。ローマ時代の数学者アルキメデスが製作したダイヤルは実は時空の操作を可能にするものだった、というのはこじつけた感じで、インディらが過去の世界に飛んで行ってしまう展開は「いくら何でも有り得ないだろう」と思ってしまった。

 ヒロインは、フィービー・ウォーラー=ブリッジ演じるヘレナ。
 本作でシリーズ初登場のキャラ。
「美しく、行動的で、機転が利く魅力溢れるヒロイン!」という設定らしいが、そこまで美しくないし、行動が全て打算に満ちていて、機転が利くというよりずる賢いだけの女で、魅力に乏しい。
 最後の最後でインディを裏切って破滅するのか、と期待して観ていたが、そうした期待に反して最後まで生き残り、「インディを現在に連れ戻してマリオンと再会させたんだから物凄い善人でしょ」で終わっていて、逆に不満が募る。
 インディ・ジョーンズ・シリーズは、第1弾のマリオンと第2弾のウィリーはヒロインとしてそれなりに魅力があったが、第3弾ではヒロインらしきエルザは途中でインディを裏切って破滅。第4弾では最初から敵キャラのイリーナとヒロインと呼ぶにはちょっと歳を取り過ぎたマリオンが登場。
 007シリーズとは異なり、ヒロインに恵まれないというか、ヒロインを想定していない。
 ヒロインとして呼んでいいのか分からないが、本作では女性CIA局員として、メーソンが登場。くせのあるキャラなので、最後までストーリーに絡む印象を受けた。ただ、彼女は「ハリウッド映画では黒人俳優の起用が組合協定で決められているのでそれを満たす為に登場させた」といったキャラに過ぎなかった様子。「既定のカット数に達したのでもういいでしょう」と言わんばかりに中盤であっさりと退場させられている。ストーリー的には、何の為に登場したのか分からないキャラになってしまっていた。

 敵役フォラーを演じるのはマッツ・ミケルセン。
 007/カジノロワイヤルで悪役を演じた以降は悪役を演じる姿はあまり観なかったが、また悪役に復帰。
 悪役もヒーローも演じられる数少ない俳優と言える。
 フォラーは、冷酷非情で自身の野望の為ならどんな手を使う事も厭わない人物だが、ねっからの悪人というより、ヒトラーというろくでもない指導者を始末したいだけ。ヒトラーを暗殺する為に時空を超えようと考え、その装置を手に入れる為に悪事に手を染めるのに、ヒトラー暗殺後は「誰かは分からないが代わり指導者になった者がナチスドイツを勝利に導いてくれるだろう」という希望的観測で計画は終わっている。
 ダイヤルを使って時空を自由に行き来すればナチスドイツに頼らずとも世界を征服出来る、という発想も無く、人をガンガン殺害してまで手に入れたにしては、やる事が小さかった。
 インディのこれまでの敵と比べると小物で、マッツ・ミケルセンの無駄遣い。

 インディ一行は2000年前にタイムトラベルする事に成功。
 が、留まる訳にはいかず、元の時代に帰らなければならない。
 どうするのか、と思いきや、インディは戻りたくない、と言い出す。
 だとすると、ヘレナ達はどうなるのか、と心配していると、インディはヘレナに殴られて気絶。
 目を覚ますと現代に戻っていた。
 時空の亀裂を再度通過して現在の世界に戻るのに、物凄い冒険があった筈だが、その場面は一切観られないし、インディはその間気絶しているのでその冒険に全く貢献していない。
 主人公が最後の展開に全く絡まなくていいのか、と思ってしまう。
 また、インディはフォラー一味に殺害されてしまった大学職員の死に絡んでいるとして指名手配されていた筈だったが、現在に戻って目を覚ました時にはその事実がまるで無かったかの様な扱い。マリオンとの再会を果たして限定的なハッピーエンドで終わっている。
 インディは実は数週間意識を失っていて、その間にヘレナがインディの容疑を晴らした、という事になるのか。フォラー一味は全員ローマ時代のシシリー島で墜落死しているので、警察当局に犯人として引き渡すのは無理。どうやって容疑を晴らしたのか。
 それ以前に、指名手配されていたインディがあっさりとニューヨークからモロッコへ移動出来た理由がわからない。

 登場人物や、ストーリーに、詰めの甘さが散見し、煮詰められて制作されていない。
 計算尽くしの第1弾とは程遠い出来。

 作中の「アンティキティラのダイヤル(アンティキティラ島の機械)」は、実在する遺物で、世界最古のコンピューターとも言われる。
 あくまでも天体観測用の装置だったと思われ、当然ながら時空を操る事は出来ない。
 発見当初はオーパーツと見なされていた遺物だが、最近の研究では高度な技術で製作されてはいるものの古代ギリシャ/ローマ時代の技術水準が現代人が想像するより高かった事を証明するだけで、神秘的な遺物ではない、とされている。
 何故本作では「アンティキティラのダイヤル」を魔法の装置扱いしたのか、よく分からない。

 主人公を演じてきたハリソン・フォードによると、本作がシリーズ最終作となるらしい。
 最後を飾るのに相応しい作品になっているのか、というと、残念ながら疑問を感じざるを得ない。
 制作するなら制作するで、もう少し上手く纏めてくれれば良かったのに、と思う。
 そもそもインディ・ジョーンズ・シリーズは第3弾で有終の美を飾っている。第4弾と第5弾は「主演俳優が生きている間に何とか続編を作れないか」という制作者側の都合の捻り出された産物で、作れば作る程有終の美からは程遠いものになっていく。
 疑った目をすれば、そもそもインディ・ジョーンズはシリーズものとして生み出された作品で無く、何だかんだで第1弾が最高傑作だった。







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Last updated  2023.07.07 22:51:58
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