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カテゴリ: 魔法使いたちの恋
『魔法使いたちの恋』-初恋5-

 塔の最上階にあるその部屋は、最高学年に進学できたものだけに許されるもので、リュイたちの部屋より一回り大きい造りになっていた。
 初めて入るその部屋には、ほんの少し緊張感を覚えた。

「いらっしゃい」
 綺麗な笑顔にそう出迎えられたとき、既にリュイは不安でいっぱいになっていた。

 大きなソファの隅っこにちょこんと腰掛けながら、カイに相談した方が良かったのかな、とふとそんな考えが起こる。

「紅茶でいい?」
 考え込んでいるとそう声を掛けられ、リュイは視線を上げた。
 見上げると、にっこりと微笑むシンの姿が映った。



 最近、カイの傍にいる姿をよく見かける。
 すらりと伸びた腕をカイに肩に掛け、綺麗な笑顔でカイの耳元で何かを囁く。
 端正な容貌を持つ2人の光景は、何処であっても描かれた一枚の絵のようにとても様になる。
 それがとても悔しい。

「どうかした?」
 ソファの隣に腰を下ろしたシンが覗き込んでくる。あまりに近すぎるその距離に、リュイは少なからず動揺を覚えながら、渡された紅茶を口に運んだ。

 ごくり、と嚥下した直後、シンがくすりと笑うのが見えたような気がした。

 視界が歪む。

「これ……」
 言い掛けた言葉は、何かに呑み込まれてしまう。
 上半身をソファの上に倒され、覆い被さるシンに口付けられ、リュイは若草色の瞳を丸くした。



 予想通りの反応を返すリュイを見つめて、
「本当の恋を、教えてあげるね」
 シンは、綺麗な笑顔でそう告げた。

「月睡草、知ってるよね?」
「……睡眠薬?」

 ぼんやりとしながら素直にそう答えると、至近距離の美貌はにっこりと笑った。

「じゃあ、星宵草の効能は?」
「……疲労回復」
「さすがだね、リュイ」
 シンが満足そうに頷く。

「そろそろかな?」
 そう言って、少し灰色めいた蒼い瞳が細められる。
 その直後、お人形さんのような顔で小首を傾げたリュイの身体に変化が起こった。

 何故だろう、鼓動が速くなっていく。手足が熱を帯びていく。
 その熱は次第に身体の中心へと集まっていくようで――。

「……先、輩?」
 未知の感覚に不安が高まる。知らず若草色の瞳に涙が浮かんだ。

「月睡草を煎じて、ほんの少しばかりの星宵草の花の蜜を入れる。知っている人は少ないけどね、そうすると、媚薬になるんだ」
「媚薬……?」
「知ってる?」
 そう問われ、リュイは首を横に振った。
 その後はもう、何も考えられなかった。





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Last updated  July 9, 2006 12:03:39 AM
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海神ほだか@ ご無沙汰してます 高瀬さん、お久し振りです。以前イラスト…
高瀬RING @ >prisonerNo.6さんvv ありがとうございますvv prisonerNo.6さん、ご無沙汰すみませんで…
高瀬RING @ >旭陽さんvv ご無沙汰すみませんでした! 旭陽さん、こんにちは! 励ましのお言葉…
prisonerNo.6 @ おかえりなさい。 言葉、思いつかなくて。 おかえりなさ…
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