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第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
さて、この条文に関して、ほとんどの試案が何の問題意識もないようだ。
(1)現行憲法と文言が全く同じ
【2005年自民党案】・【読売新聞憲法改正試案】・【産經新聞「国民の憲法」】・小林節【日本国憲法改正私案】
(2)現行憲法と基本的に同じ文言だが、少し変更を加えたもの
【2011年自民党案】 第25条 全て 国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
【平和研憲法試案】 第29条 何人も 、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
但し、この平和研案には注意が必要である。<すべての国民は>を<何人も>とすれば、対象は日本人に限定されなくなってしまう。この条文は、例えば、「生活保護」の根拠となっているから、在日外国人への生活保護給付も歯止めがなくなってしまうだろう。日本に行けば生活保護を受けて安楽に暮らすことが出来るとして近隣諸国からの外国人流入が増えること必至である。そのことを分かっていながら平和研がこのように書くのなら「売国奴」の所業と言わざるを得ない。
★ ★ ★
私が第25条を問題視するのは、このような「理想」を憲法に掲げ、それに合わせて政治活動を行うことが凡(およ)そ馬鹿げたことだと思うからである。
成文憲法には2つの方向がある。1つは、国柄を明文化するものである。そしてもう1つが、国家目標を掲げるというものである。現憲法の第25条は後者に当たる。が、先に「理想」を掲げ、それを実現するべく努力するという遣り方は「計画主義」そのものであり、要は、社会主義的手法である。このような遣り方を問題としない自民党は既に社会主義に染まっていると見て間違いない。そうなのだ。日本は、既にして自由主義政党が存在しない「左翼国家」に成り下がってしまっているということである。
《1945年暮れ。憲法学者らでつくる研究会のまとめた憲法改正草案が新聞各紙に載った。
この中に「国民は健康にして文化的水準の生活を営む権利を有す」という一文がある。
連合国軍総司令部(GHQ)の憲法草案や政府原案にはない言葉だ。研究会メンバーだった森戸辰男衆院議員らの提案で、今の憲法25条に反映された》( 2018 年 4 月 30 日付朝日新聞社説)
「国民は健康にして文化的水準の生活を営む権利を有す」とする根拠は何か。これを憲法に書き込めと主張した森戸は、自分を「神」とでも思っているのだろうか。「神」なら根拠は不要である。が、「神」でないのなら、根拠が要る。ワイマール憲法の生存権よりもっと踏み込んだ条文を作りたいという社会主義者・森戸の願望だけでこのような文言が憲法に書き込まれては堪(たま)らない。
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