2006年01月20日
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2006年1月20日


インドの自動車業界(2)

 今日のポイント

1.外資の新規参入は乗用車市場に集中している
2.タタの乗用車市場での成功はマルチ・ウドヨグにとってネガティブ
3.乗用車の関税引き下げで外国製品からの競争が激化する
4.今年の成長率は鈍化が避けられない
5.新製品の投入に市場が敏感に反応する

市場開放と競争について


海外からの参入に加えて国内勢で、これまでもっぱら商用車に特化してきたタタ・モータースが乗用車市場に参入してきたことに注目すべきだと思います。タタ・モータースが最初に乗用車市場参入を発表したときには懐疑的な見方をする業界関係者も少なくありませんでした。しかし、1998年に発表された『インディカ(インド初の純国産コンパクト・カー)』と、それに続くミッド・サイズの『インディゴ』が相次いで成功を収めたことでタタ・モータースもマルチ・ウドヨグにとって手ごわい競争相手であることが認識されつつあります

マルチ・ウドヨグの問題点はこれまで保護関税やその他の規制で守られた市場でぬくぬくと育ってきた面があり、「他流試合」の機会が少なかった点でしょう。今後、輸入乗用車に対する関税(新車の場合、すべて込みで現行税率103.39%)がさらに引き下げられると一段の競争激化は必至です。

一方、商用車市場は今のところタタ・モータースが独走態勢ですし、外資の動きも活発ではありません。さらに商用車の輸入関税は既に比較的低い水準に設定されています(全て込みで現行税率は35.93%)。これらの面から今は商用車市場の方が不確実性が低いと言えると思います。

乗用車と商用車の成長率について
さて、上では主に競争について議論しましたが、今年の需要成長について考えてみたいと思います。前回、ここ数年、インドの自動車市場は急激な拡大を見たことを紹介しました。しかし、市場規模が大きくなった分だけ、去年と同じ成長を維持してやろうとするとそれだけ多くの数量をこなしてやる必要があります。また、ここ数年はモンスーン・シーズンの降雨がおおむね良好で農業セクターが潤ったこと、さらにここ数年の金利低下で自動車購入のローンを組みやすくなったことなど好材料が重なったのでこの実績を超えるのは並大抵の努力ではありません。なお、銀行の小口貸付金利は今後上昇する可能性が高いです。これらのことから今年(06年3月〆の12ヶ月)の乗用車ならびに商用車の出荷台数の成長率は一桁台に留まると考えた方が無難でしょう。前回見たように、04年が29.3%、05年が18.0%成長しているわけですからこの成長鈍化はある時点で日柄ないしは値幅調整という形で株価に織り込まれる筈です。

さて、商用車の中での成長率を見てみると中・大型商用車の成長率はこのところ低迷しています。その一方で軽商用車(LCV)は健全な成長を見ました。これはタタ・モータースが『タタ・エース』という1トン以下の軽商用車を新発売した関係です。『タタ・エース』が発売されるまでは1トン以下というカテゴリーは存在しませんでした。このように新製品の発売や新しいカテゴリーの登場が需要に一定のインパクトを持つのもインドの自動車業界の特徴と言えます。これまで消費者の選択肢が狭かった事が新製品が需要を喚起しやすい環境を作っているのだと思います。






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最終更新日  2006年01月31日 14時00分59秒


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