2006年04月21日
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  1. 企業収益の成長は原油価格次第
  2. 株価収益率(PER)で見たバリュエーションは我慢できる水準である
  3. 外貨準備高は高水準
  4. 利上げ圧力が強い
  5. 原油価格高騰局面では強気で臨んで良い
  6. 原油価格下落局面では複合的な弱気相場もありうる


■成長
今日はロシアの株式市場の投資戦略について考えてみたいと思います。先ずロシアの成長についてですが、GDP成長に関しては過去3年間ほど大体6.5~7.3%前後の成長を記録しています。中国やインドのGDP成長率には及びませんが、立派な数字だと思います。一方、ロシア企業の純利益成長率ですが、去年は原油価格の高騰の影響で40%以上という驚異的な成長率を示しました。今年はそれに対して一ケタ台にとどまると予想されます。これは原油価格が既に高い水準から新年スタートしているので前年比較が苦しくなるのが原因です。但し、ロシアの企業収益成長は原油価格の動向に大きく影響されますから、原油価格が70ドルを超えてどんどん上伸するようだと去年に引き続いて今年も高水準の利益成長を見る可能性も十分にあります。つまりロシアの企業収益成長は原油価格次第であり、予想は極めて立てにくいわけです。

■バリュエーション
さて、ロシア株のバリュエーションですが、ここでは株価純資産倍率(PBR)と株価収益率(PER)の両面から検証してみたいと思います。まず株価純資産倍率から見た株価水準ですが、過去10年間のロシアの平均株価純資産倍率は約1.3倍であり、現在の水準(2.9倍)は極めて高いと言わざるを得ません。しかし、株価純資産倍率ベースで株式市場が割高なのは何もロシアに限ったことではなく、BRICs全てのマーケットについても言えると思います(下のグラフを参照)。

株価純資産倍率の推移

一方、ここ数年、BRICs各国企業の利益成長には著しいものがありました。その結果、株価収益率(PER)で見たバリュエーションは株価純資産倍率で見た株価評価より安く見えます(下のグラフ参照)。ロシアの現在の株価収益率は10倍程度です。これは過去10年間の平均値である7倍に比べると割高ですが、過去においてロシアの株式市場は40倍近い水準で取引されたこともあり、それに比べると今の水準はまだ我慢の出来るレベルであると言えるでしょう。

■金利

ロシア経済の弱点のひとつは慢性的にインフレ傾向が見られる点だと思います。消費者物価指数はここ数年年率12%くらいの上昇を見ています。しかも最近は住宅価格の高騰や公共料金の値上げなどのプレッシャーが強まっています。このことを反映してロシアの政策金利は上昇トレンドに入っています。ロシアの場合、国民が銀行をあまり利用しないため、利上げが消費などに与えるインパクトは米国などの銀行サービスが浸透している国ほど大きくはないかもしれませんが、一応、注意を払っておく必要のある問題でしょう。

BRICs各国のPER比較

■貿易統計など
ロシアの輸出は原油価格の高騰などの影響で順調に伸びています。2000年の輸出額に比べて2005年は2.4倍の規模に膨れ上がっています。この好調な輸出の伸びに支えられてロシアの貿易収支も2005年には約1250億ドルの黒字を記録しました。経常収支も2005年は950億ドルと高水準でした。外貨準備高を月々の輸入額で割り算した外貨準備カバレッジ・レシオは18ヶ月を超えており、これはBRICs諸国の中では最高です。さらにロシアはBRICs各国の中では唯一財政黒字(GDPの6%程度)を維持しており、財政政策は極めて堅実です。これらのことを総合するとロシアの通貨、ルーブルを巡る環境は大変健全であると言えるでしょう。

■原油価格が鍵
結論的にはロシアの株式市場は原油価格さえ上昇トレンドにあればまだまだ現在の好調を維持できるし、バリュエーション的にもそれほど無理を感じない水準であると言えます。しかし、一旦、原油価格が下落しはじめると全ての歯車が狂い始める危険を孕んでいます。まず油価の下落は企業収益の成長率に響きます。場合によっては去年に比べてゼロ成長、ないしはマイナス成長に陥る危険性も否定できません。また、原油価格の下落は輸出代金の減少を意味しますから貿易収支などにも悪影響が出るでしょう。さらに石油会社はロシア政府の大事な税金の取り立て先であり、業績悪化は税収の未達などの問題を生ずる可能性があります。こういう因果関係を良く理解した上でロシアの株式に投資して下さい。







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最終更新日  2006年04月21日 20時47分57秒


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