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抗癌剤/西洋医学
大規模な臨床試験で、延命効果はほとんどないとの結果が出た肺がん治療薬、イレッサ。欧米で使用を制限する動きが進む中、この薬をいち早く承認した厚生労働省が20日の検討会で下した結論は「当面は規制の必要なし」だった。しかし、公開された検討会の場で、販売元のアストラゼネカ社は詳しいデータを掲載した資料を配布せず、十分な審議時間もなし。傍聴者からは審議のあり方自体を疑問視する声も上がった。(毎日新聞)
英国のアストラゼネカが開発、日本が昨年7月、世界に先駆けて認可した肺がん治療薬イレッサの投与を受けた患者に、間質性肺炎を中心とした副作用が相次ぎ、今年1月末までに使用した約23000人のうち183人が死亡した。厚労省は投与開始後4週間は入院するほか、処方を肺がんの抗がん剤治療に詳しい医師に限定する緊急対策を実施した。
イレッサ販売元 副作用、期日後に報告 薬事法に違反の疑い 厚労省が調査開始
2003.03.14掲載
肺がん新薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の副作用で多数の死者が出た問題で、輸入販売元のアストラゼネカ(本社・大阪)が昨年、厚生労働省に副作用症例を報告した際に、定められた期限を守っていなかった可能性があることが十四日分かった。
同省は薬事法違反の疑いがあるとして調査に乗り出した。その結果によっては、同法に基づく報告命令や業務停止などの処分を下す方針。
薬事法では、製薬会社が医師から重い副作用の症例情報を入手した場合、未知の副作用なら十五日以内、既に薬の添付文書に記載されているものなら三十日以内に、それぞれ国に報告することを義務付けている。
ただ、添付文書に記載されている副作用でも、発症率がそれまでのデータより高いことが分かった場合は十五日以内の報告を求めている。
イレッサが保険適用された昨年八月末から、厚労省が緊急安全性情報を出すよう指示する直前の十月十一日までの間に、同社は間質性肺炎など四十五例の重い副作用情報を入手。うち四十例の国への報告が情報入手から十六―三十日後だった。
これについて、同社は「副作用情報は既に添付文書に盛り込まれており、報告は三十日以内でよいと思った」と説明していた。
しかし、その後の調査で、遅くとも九月十一日の時点で、イレッサを使用する千数百人での間質性肺炎の発症率は約1%に上り、臨床試験段階の発症率0・2―0・4%を超える実態を、同社が既に認識していたことを示す文書が見つかった。
このため、厚労省は間質性肺炎発症の危険が想定より高いことを知りながら、同社は速やかに報告しなかった疑いがあるとみている。
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