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同志社キャンパスの真ん中を突っ切って相国寺へ
長いこと京都に住んでいるけれど初めて入ります。
とても大きなお寺で、なんでも金閣寺、銀閣寺が所属している大本山なんだそうです。
今日はこの中の承天閣美術館で見せていただけるという 源氏物語絵巻
を見に来たんです。
それがすべて織物でできているというのです。
なんということでしょう。現存の19場面すべてが4巻の錦織絵巻に・・・
この超壮大な企画を始めた方は西陣織の70歳の旦那さん、山口伊太郎さん。
「今日からはわしの余生。ややこしいことに縛られず、とことん納得のいく織りをやりたい。
誰にもできんかったことをやる。商売ぬきの織道楽や。」
とおっしゃって、大プロジェクトが動き出した。80歳ぐらいを寿命と考え10年ぐらいでできるだろうという見通しでした。
ところが、伊太郎さんはとことん追及する手を休めません。銀箔よりも輝きが長持ちするプラチナの箔の開発、どうしても織りでは難しいぼかしや立体感を出すための技術、織の設計にコンピューターの導入・・・
どんどん膨れ上がる作業。それでも伊太郎さんはあきらめません。
朝起きて寝るまで、食事以外はずっと源氏絵巻に没頭の毎日です。
とても10年では出来上がらない。そう思った伊太郎さん、今度は長生きできるようにと、とても健康に気遣うようになられたそうです。
そして歳月は流れ36年かかって、去年の6月、すべての設計を終えて、織の完成を待つばかりになった時(105歳)、亡くなられたそうです。
そのあとは弟さんが引き継がれ今年3月についに4巻の源氏物語錦織絵巻が完成しました。弟さんは103歳で今もご健在です。
美術館では「錦織絵巻」の本物が見れる。それがどんなふうにして作られたかもある程度はわかるようなっています。
普通帯を作る時、そのパターンを実行するために使う 紋紙
は一万枚使うそうですが、この絵巻の第一巻は100万枚使い、20畳の部屋が満杯になる量だったそうです。
それだけ精緻に設計された手間暇が惜しみなくそそがれたもの。
色がとても美しいです。1000色以上使われたと言っておられましたが、鮮やかな中にも落ち着きと潤いと気品。そして情感があふれ出ています。絵柄に出てくる着物が本当に浮き出て見える。それは織りだからこそできることでしょう。
7月6日までの期間が延長されて、21日までやっているそうです。
ご興味のある方はぜひお出かけ下さい。
人間、やろうと思えば本当に投げ出さない限りやり尽すことができるんだ、ということがストレートに伝わってきますよ。
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