無限の夢幻を有限に

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流れ水

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2006/12/26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
そんな話が、好きなんだ ――





始まりは、些細なことでした

何の感情も無い少年と

その少年に惹かれた少女が2人

世界の影であるかのような少年の瞳と

ただ真っ直ぐに、光を見据える少女達の瞳

これが何でも無い御伽噺なら

誰かが幸せになって 誰かが不幸になったのでしょう

だけど 現実は残酷でした




1人の少女は少年を好きになり

少年に想いを打ち明けました

少年に同じ想いは無かったものの

その想いを拒む理由もありませんでした

2人は恋仲になったのです

少しずつ少女の好意を受けていた少年は

いつしか少女を好きになりかけていました

しかし、少年に不幸が訪れます

少女は、病に倒れて死んでしまいました

彼は再び心を閉ざしてしまいます


そんな彼の気持ちを、理解しようとする少女が居ました



ある日少女は少年に想いを伝えました

少年は、好きでもない彼女を受け入れました

ただ、空になった心を埋める存在が欲しかったのです

しかし、少年はまたも過ちを犯しました

少女の好意に、いつしか安らぎを感じてしまったのです



『僕は彼女が好きなのだろうか?』

その答えはどこにもありませんでした

その答えを、誰が教えてあげられたのでしょう

ぎくしゃくした関係のまま、2人は日々を送りました

しかし、好意無き行為に何の意味があるのでしょう

少年は、少女からの好意を拒むようになりました

手遅れでした もう手遅れでした

少女はどうしようもないほど 少年を好いていたのです

何の感情も向けない人形のような少年に

ただただ、返事のこない問いかけを繰り返し

少女は満足そうに微笑みました

少女は幸せでした

それでも、現実は残酷でした

少年は、少女との別離を決めたのです

ただ無条件に与えられる好意が

恐ろしくなったからでしょう

そして少女は少年に呪いをかけました

忘れないと言い残し

幸せになれない呪いを かけました

少年は、初めて少女に礼を言いました


そして少年は狂いました

いつしか少女への想いも忘れ

少年は狂いました

ただ訪れる世界を受け入れ

何も拒まない木偶となりました

もう少年には、怖いことなどありません

『失うことさえ、恐れない世界』がそこにはあったのです





―― そんな 現実が好きなんだ





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Last updated  2006/12/26 10:12:30 PM


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