New Worid

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復帰と低調

 1994年8月のサマースラム94にて約7ヶ月ぶりの復帰を控えたジ・アンダーテイカーの前に想像外の敵が現れました。”ミリオンダラーマン”テッド・デビアスが連れてきた男の名は、なんとジ・アンダーテイカー。つまりテイカーがもう1人現れたことになります。テイカーの復帰を心待ちしていたマネージャーのポール・ベアラーは当然困惑します。しかしベアラーはデビアスが連れてきたテイカーが偽者だと見抜きました。そして、本物のテイカーがベアラーの前に現れサマースラム94にてテイカー(本物)VSテイカー(偽者)が実現しました。こういうファンタジーが実現してしまうのもWWEならではともいえますが。
 この偽テイカーの正体はブライアン・ハリスといって”プライムタイム”ブライアン・リーという名前でテネシーのUSWAやのちにECWで活躍しました。背格好や顔つきもテイカーに似ていたので偽テイカーに抜擢されたのでしょう。もっとも所詮偽者なので本物のテイカーには実力的には及ばず完敗。そのままWWEから消え去りました。言わば真夏の夜の悪夢とも言える現象だったのかも。余談ですがテイカーとブライアンは私生活では親友同士でもあります。案外テイカーがブライアンの売り出しの為に一肌脱いだのかも。
 さてこのあとテイカーは自身を欠場に追い込んだヨコヅナへのリベンジを果たすためサバイバーシリーズ94にて決着戦を行いました。レッスルマニア10でブレット・ハートにWWE世界王座を奪われてからのヨコヅナですが、やや精彩を欠いていた感が否めませんがテイカーにとっては復讐を果たす機会を逃すわけにはいきません。見事勝利しリベンジに成功しました。
 明けて1995年からデビアス率いるデビアス軍団との抗争がスタートしました。ロイヤルランブル95ではIRS(アーウィン・R・シャイスター)と対戦し、レッスルマニア11ではキングコング・バンディと対戦しました。正直IRS、バンディの2人はベテランとはいえテイカーの敵とはいえず、テイカーの前に完敗を喫しました。そして第1回イン・ユア・ハウス、サマースラム95で対戦したカマもテイカーは難なく撃破しました。ちなみにカマはのちにゴッドファーザーに変身してアテテュード時代でプチブレイクしました。
 こうして見てみると、1995年のテイカーは自身は調子は悪くはないけれどライバルに恵まれなかった年でしたね。長いWWEでのキャリアでテイカーといえどもこういう時期もあったということでしょう。



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