New Worid

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最後の輝き

 1993年4月4日ネバダ州ラスベガスにてレッスルマニア9が開催されました。会場であるシーザーズ・パレスはラスベガスを代表する名門のカジノホテルでレッスルマニア史上初となる野外での大会となりました。そして昨年のレッスルマニア8を最後にWWEから離れていたハルク・ホーガンが電撃的に復帰しました。果たしてWWEの主役となったブレット・ハートとの絡みはあるのか?。
 第1試合は”ボーイ・トーイ”ショーン・マイケルズVSタタンカによるWWEインターコンチネンタル王座戦。第2試合はスタイナーブラザーズ(リック&スコット)VSヘッドシュリンカーズ(ファトゥー&サムー)。第3試合はクラッシュVSドインク・ザ・クラウン。第4試合はレイザー・ラモンVSボブ・バックランド。第5試合はマネー・インク(”ミリオンダラーマン”テッド・デビアス&IRS)VSザ・メガマニアックス(ハルク・ホーガン&ブルータス・ビーフケーキ)によるWWE世界タッグ王座戦。第6試合は”ザ・ナルシシスト”レックス・ルーガーVS”ミスターパーフェクト”カート・ヘニング。第7試合はジ・アンダーテイカーVSジャイアント・ゴンザレス。そしてメインはブレット”ヒットマン”ハートVSヨコヅナによるWWE世界王座戦。
 今回レスラーではありませんが、WWEの隆盛に貢献した人物が初登場しました。JRことジム・ロスです。地元オクラホマの団体MSWAでリングアナウンサーとしてデビューし、その後クロケット・プロを経てWCW入りしました。そしてWWEへ移籍し今回レッスルマニア9にてインタビュアーとして登場しました。JRが実況を担当するのは数年後になります。
 それでは試合を紹介します。第1試合ですが、ショーンのマネージャーとして登場したルナ・バションの立ち位置が不明確だったのが残念。嘗てのショーンのマネージャーだったシェリー・マーテルも途中で登場しますが、別にタタンカを支持したわけじゃなくショーンとルナに遺恨があるだけで、結局タタンカは影が薄かったかな。この一戦が影響したのかタタンカはスターになれなかったような気がします。第2試合はスタイナー兄弟はWWEの色が合ってないな…。実はWCWで対戦済みなんですよね。ヘッドシュリンカーズというかサモア系レスラーはホントにレスラーとしてのセンスは抜群です。サモアンズ、ヨコヅナ、そしてロック。優秀なレスラーを輩出しています。第3試合では久々にWWE的なイロモノキャラが登場しました。ドインクは見た目はいかにもピエロ。しかしこの人は今回が初登場ではなく、レッスルマニア1でリッキー・スティムボートと対戦したマット・ボーンというレスラーがドインクの正体です。まさかこういうかたちで再登場するとは思いませんでした。レスラーとしての実力は中堅クラスですが、さすがにクラッシュと比べるとベテランらしい試合運びでズル勝ちしました。
 第4試合はロイヤルランブルでWWE復帰したバックランドとラモンの対戦ですが、バックランドはレッスルマニア初登場です。まあレッスルマニア1の時点では在籍していましたが、エンターテイメントを全面的にした路線についていけずフェードアウトしましたのでWWE復帰は結構意外でした。一時代前のバックランドとWWE的なラモンという組み合わせは結構面白いですね。ラモンはキャラクターを構成している段階という感じです。AWA、新日本、WCWと各地でそれなりに活躍してからWWE入り。素材的にはトップクラスなのでバックランドとの試合はいい経験になるでしょう。
 そして第5試合でホーガン登場です。前年のレッスルマニア8以降リングから遠ざかっていましたが、直前になって復帰。メインではなく中盤での試合なので主役はブレットに任せて今大会に華を添えるというかたちで登場したと考えました。少なくともこの時点では。正直試合そのものはあまり印象にありません。第6試合はレックス・ルーガー初登場です。WCWのトップがWWEへ移籍となりましたが、移籍したのは1年前で、それまでなにをしていたかというと、WBFというボディビル団体に所属していました。これはWWE主催のボディビル団体でしたが経営がうまくいかず消滅してしまいましたが。ナルシストとパーフェクト、キャラ的には似たもの同士ですがレスラーとしてのセンスはヘニングのほうが上ですね。なのに試合はルーガーの勝ち。復帰したもののヘニングの扱いが低いような…。第7試合ですがゴンザレスはセンスがない…。テイカーとしてはやり難い相手です。試合はテイカーの反則勝ちとなりましたが、クロロホルムを嗅がせるというやり方がセコイというか…。グレート・カリのほうがまだまともですね。
 さてメインです。ブレットにとっては初のレッスルマニアでのメインなので気合は十分です。ヨコヅナもセンスという点ではブレットといい勝負なので好試合が期待できる一戦です。実際ブレットのテクニックとヨコヅナのパワーが見事に噛み合った好試合となりました。最後ブレットがシャープシューターでヨコヅナを捕らえましたが、セコンドのミスターフジの塩の目潰しを受けてしまいヨコヅナがズル勝ちで王座獲得となりました。ところがここでホーガンが登場。ヨコヅナの勝ち方に抗議しブレットの仇を討つべくそのままヨコヅナに挑戦してしまいました。そしてなんと12秒でホーガンがヨコヅナを破りWWE世界王座を獲得してしまいました。
 まさかのホーガン復帰に驚きましたが、しかし2ヶ月後の6月12日、新たなPPV”キング・オブ・ザ・リング”にてヨコヅナはホーガンを破りWWE世界王座を奪還に成功しました。レッスルマニア9での復帰はホーガン最後の輝きだったのかもしれません。そしてヨコヅナというこれまでのWWEでは風変わりなレスラーが主役となり、ブレット、テイカー、ショーンらが追走することになりました。



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