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プロレスVSアメフト

 1995年4月2日コネチカット州ハートフォードにてレッスルマニア11が開催されました。この大会はレッスルマニア史上WWE世界王座戦がメインじゃない数少ない大会の1つです。ビンス・マクマホンの判断だったのか、王座戦ではヒキが弱いと考えて元NFLのスーパースターを引っ張り出しました。
 第1試合はレックス・ルーガー&”ブリティッシュ・ブルドッグ”デイビーボーイ・スミスVSブルー・ブラザーズ(イーライ&ジェイコブ)。第2試合は”ダブルJ”ジェフ・ジャレットVS”バッドガイ”レイザー・ラモンによるWWEインターコンチネンタル王座戦。第3試合はジ・アンダーテイカーVSキングコング・バンディ。第4試合は”ザ・ロケット”オーエン・ハート&ヨコヅナVSザ・スモーキーガンズ(ビリー・ガン&バート・ガン)によるWWE世界タッグ王座戦。第5試合はブレット”ヒットマン”ハートVSボブ・バックランドによるアイ・クイット・マッチ。第6試合は”ビッグ・ダディ・クール”ディーゼルVS”ハート・ブレイク・キッド”ショーン・マイケルズによるWWE世界王座戦。そしてメインはローレンス・テイラーVSバンバン・ビガロ。果たしてこの順番が吉となるか凶となるか?
 第1試合ですがルーガーとスミスはどちらもWWEでトップになり損ねた者同士ですね。しかもパワーファイター同士でもあります。ルーガーはレッスルマニア10以降すっかり並のレスラーに成り下がりました。だからなのか、9月にWWEを去りそのあと直にWCWへ移籍しマンデー・ナイトロに登場というサプライズを演出しました。もっともルーガーは主役になりきれず、WCW崩壊後そのままフェードアウトとなりしかも2003年エリザベス・ヒューレット(ランディ・サべージの元妻)の死に関わっていたため警察に事情徴収されるという著しく評価が下落してしまいました。ちなみにブルー・ブラザーズのマネージャーについた男の名はアンクル・ゼベカイヤといいますが、ダッチ・マンテルという名でテネシー州で主に活躍していたレスラーでした。日本で旧UWFの旗揚げシリーズに参加し、前田日明と対戦したこともありました。なによりも1989年テネシーに来たデビューして間もないスティーブ・ウィリアムスというテキサス出身の若手にスティーブ・オースチンというリングネームを与えた人物でもあります。
 第2試合はロイヤルランブル95以降ジャレットとラモンによるインターコンチネンタル王座を巡る争いが激化していました。そしてレッスルマニア11では1・2・3・キッドとローディーが加わり更に混沌としてきました。その結果今回ラモンが勝利したものの、反則勝ちだったのでルール上タイトルは移動せずジャレットの防衛となりました。
 第3試合はテイカーに相応しい対戦相手がいなかったのか、ベテランのバンディと対戦となりましたがテイカーの快勝でした。WWE世界タッグ王座戦はオーエンとヨコヅナが意外と相性が良く王座獲得となりました。1995年のタッグ戦線の隠れ名チームでした。第5試合では”ラウディ”ロディ・パイパーがレフェリーを務めました。レッスルマニア8以降ブレットとパイパーはよくレッスルマニアでの絡みが多いですね。腐れ縁というべきか。ブレットとバックランドの試合はサバイバーシリーズ94の再戦といえますが、前回はオーエンの横槍があったためバックランドが勝ちました。しかし今回はパイパーがいるせいかそういった不正が生じる機会はなくブレットが快勝しました。
 そしてWWE世界王座戦です。王者ディーゼルにとっても、ショーンにとっても、メインから追われたことはプライドを著しく傷つけられたと思います。必ずメインを喰うほどの試合にしてみせるというモチベーションは強かったでしょう。実際試合は今大会ベストと言える内容でした。レッスルマニア10でのラダーマッチほどの完成度ではありませんでしたが、ショーンの力量が存分に発揮されたと思います。ディーゼルもショーンに引っ張られたとはいえ見事王座を防衛しました。これはハルク・ホーガン、ヨコヅナに続いてレッスルマニアでの世界王座防衛に成功した3人目のレスラーとなりました。なおショーンのセコンドには嘗てセッド・ジャスティス、セッド・ビシャスとしてWWE、WCWで活躍していたセッドが付きました。この大会のあとサイコ・セッドと名乗ることになります。
 さてメインですが、1993年からの参戦以来ようやくビガロが真価を発揮できた試合ですね。ローレンス・テイラーはNFLで人気・実力共に高い評価を得たプレイヤーですが、当然プロレスは素人。こういう相手と戦うのにビガロはうってつけです。過去に元ソ連のアマチュアレスラーであるサルマン・ハシミコフ。元横綱双羽黒こと北尾光司。共にビガロが試合を成立させたといっても過言ではありません。結果的に負けたものの見事ビガロは面目を果たしました。ただレッスルマニアのメインとして相応しいかというと疑問ですが…。
 なおレッスルマニア11のあと、4大大会(レッスルマニア、サマースラム、サバイバーシリーズ、ロイヤルランブル)以外のPPVの原点である”イン・ユア・ハウス”が5月からスタートしました。そこからキング・オブ・ザ・リング、イン・ユア・ハウス2までのあらすじをサマースラム95の冒頭で紹介します。



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