New Worid

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火種

 1988年11月24日オハイオ州リッチフィールドにてサバイバーシリーズ88が開催されました。前年と同じ場所での開催です。しかし前年以上にバラエティ豊かなメンバーが集結しました。それではそれぞれの組み合わせを紹介します。 第1試合はパワー・オブ・ペインチームVSデモリッションチーム。ペインチームはパワー・オブ・ペイン(ザ・バーバリアン&ウォーロード)ハート・ファンデーション(ブレット・ハート&ジム・ナイドハート)ブリティッシュ・ブルドッグス(ダイナマイト・キッド&デイビーボーイ・スミス)ザ・ロッカーズ(ショーン・マイケルズ&マーティ・ジャネッティ)ヤング・スタリオンズ(ジム・パワーズ&ポール・ローマ)の5チーム(10人)。デモリッションチームはザ・デモリッション(アックス&スマッシュ)ファビラス・ルージョーブラザース(ジャック&レイモンド)ボリシェビックス(ニコライ・ボルコフ&ボリス・ズーコフ)ザ・ブレインバスターズ(アーン・アンダーソン&タリー・ブランチャード)ザ・コンジキスターズ(1号&2号)の5チーム(10人)。
 第2試合はウォリアーチームVSホンキーチーム。ウォリアーチームはアルティメット・ウォリアー、ブルータス”ザ・バーバー”ビーフケーキ、ブルー・ブレイザー、”ジャンピング”ジム・ブランゼル、サム・ヒューストンの5人。ホンキーチームはホンキー・トンクマン、”アウトロー”ロン・バス、グレッグ”ザ・ハマー”バレンタイン、バッドニュース・ブラウン、ダニー・デービスの5人。
 第3試合はアンドレチームVSロバーツチーム。アンドレチームのメンバーはアンドレ・ザ・ジャイアント、ディノ・ブラボー、”ラビシング”リック・ルード、”ミスター・パーフェクト”カート・ヘニング、ハーリー・レイスの5人。ロバーツチームはジェイク”ザ・スネイク”ロバーツ、ハクソー・ジム・ドゥガン、ティト・サンタナ、ケン・パテラ、スコット・ケーシーの5人。
 そしてメインはメガ・パワーズチームVSボスマンチーム。メガ・パワーズのメンバーはハルク・ホーガン、”マッチョマン”ランディ・サベージ、ハーキュリース、ココ・B・ウェア、ヒルビリー・ジムの5人。ボスマンチームのメンバーはビッグ・ボスマン、アキーム、”ミリオン・ダラーマン”テッド・デビアス、キング・ハク、レッド・ルースターの5人。
 まずは第1試合から。合計10のタッグチームによるイリミネーションマッチで各タッグチームのパートナーが負けると自動的にもう1人も失格というルールです。いちばんの注目はのちの”ハートブレイク・キッド”ショーン・マイケルズ初登場でしょうね。一度はトラブルに巻き込まれての解雇という憂き目に遭いながらもマーティ・ジャネッティと共に頑張って再びWWEと再契約。初のPPV登場がサバイバーシリーズというのもその後を考えると因縁というか…。そして同じコーナーにブレット・ハートがいるのも興味深いですね。もう1つの注目はブレイン・バスターズの2人、アーン・アンダーソンとタリー・ブランチャード。リック・フレアーとのユニット”フォーホースメン”のオリジナルメンバーである2人のWWEのPPV初登場。それとコンジキスターズ…10年後にエッジ&クリスチャンが扮してしまうほどある意味伝説的なチームがいたりとオープニングからかなり濃い1戦ではあります。
 最初に脱落したのはルージョーズ。妙にあっさりと負けましたが、一説によると険悪な関係だったブルドッグスがこの1戦を最後にWWEを離脱するということでなにかされるのかと疑って早めに試合を終えたという説があります。続いてスタリオンズが脱落。これは順当というべきか。ベビーサイドでは明らかに見劣りするチームでしたし。その後にボリシェビックスが脱落します。そしてハート・ファンデーションが脱落。意外でしたが仕留めたのがアーン&タリーだったので納得。さすがのブレットもこの時点ではこの2人のレベルには達していなかったということか。ところがブレイン・バスターズとロッカーズが同時失格。この頃抗争を展開していたせいか、両チーム熱くなってしまったということでしょう。そしてブルドッグスも脱落。この試合を最後にWWEを離脱します。スミスは単独で戻りますが、キッドは3年後引退。現在車椅子での生活を余儀なくされています。ここで意外なことに。デモリッションとマネージャーのミスター・フジが仲間割れしてしまいデモリッションは失格。そしてパワー・オブ・ペインとフジが結託してしまいます。結果的に最後まで生き残ったコンジキスターズを破りペインが勝ち残りに成功しますがフジと結託したことでヒールに転向。逆にデモリッションがベビーターンするという事態に。サバイバーシリーズらしい結末ですね。
 続いて第2試合です。この試合のいちばんの注目はブルー・ブレイザーですね。正体はブレット・ハートの弟、オーエン・ハートです。まさか10年後あのような悲劇がおこるとはこの時点では想像できませんでした、当たり前ですが。とはいえ80年代のWWEは大型レスラー全盛の時代でしたからオーエンに限らずブレット、ショーンらが全面的に活躍できるシチュエーションではなかったのでこの試合でオーエンは特に活躍はしていません。
 最初にデービスが脱落。ブランゼルが脱落します。序盤はブラウンが活躍しましたが、なんでもない誤爆が元でなんとブラウンは試合放棄で失格。続いてヒューストンが脱落。ヒューストンはあのジェイク・ロバーツの弟ですが、ロバーツほどの才能はなくこの試合をみても弱弱しい印象のレスラーです。続いてブレイザー(オーエン)が脱落。そしてホンキーとビーフケーキが同時に脱落。最終的にウォリアーがバス、バレンタインを破り勝ち残りに成功しました。ウォリアーが引き立つための試合だったのかも。
 第3試合です。この中で注目は”ミスター・パーフェクト”カート・ヘニングですね。WWE入り前まではAWA世界王者として活躍していましたが、ジェリー”ザ・キング”ローラーに敗れたあとにWWEと契約。この試合はほぼその直後といっていいかも。実際この試合で見事に活躍しています。
 まずパテラが脱落。正直刑務所から出所後はマサ斉藤とは対照的に大した活躍はできなかったようです。次にケーシーが脱落。そしてレイスが脱落しますが、アンドレが突如サンタナにキレます。別にシュートな展開になったわけではありませんが、7度NWA世界王座を獲得したレイスが侮辱されたとみたのでしょうか?さすがにアンドレの猛攻を受けてはサンタナもどうすることもできず脱落。続いてドゥガンが暴走して反則失格。こうなるとロバーツ1人ではさすがに4人を相手にするのは厳しい状況です。それでもルード、反則ながらアンドレを脱落させますが、最後はヘニングに敗れてしまいます。
 そしてメインとなります。出場レスラーで特に目新しいレスラーはいませんが、アキームというレスラーはワンマン・ギャングという名前で活躍したレスラーで、この頃アメリカン・ドリームならぬアフリカン・ドリームというアフリカ系レスラーというギミックで活動していました。あとレッド・ルースターですが、中堅どころで活動していたテリー・テイラーが正体でのちに裏方で活躍することになります。
 まずはルースターが順当に脱落。続いてジムが脱落します。メガ・パワーズはホーガンとサベージ以外は完全に見劣りがするので試合巧者であるサベージが頑張らないといけない状況です。なんせウェア、ハーキュリースと相次いで脱落しましたから。それでもデビアス、ボスマンが脱落しました。アキームが反則で失格。この時点でサベージが消耗したのでホーガンと代わります。要するにホーガンが美味しいトコ取りして最後はハクを倒して終わりということです。
 しかしホーガンが調子にのってエリザベスとスキンシップを取っていたのがサベージが気に食わなかったようで、これが今後大きな火種となりそうな雰囲気になりそうです。


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