New Worid

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混沌

 1995年11月19日ワシントンD.C.にてサバイバーシリーズ95が開催されました。それではサマースラム95からサバイバーシリーズ95開催前までのあらすじを紹介します。
 サマースラム95でキング・オブ・ザ・リング優勝者メイブルに勝利したディーゼルはイン・ユア・ハウス3で親友ショーン・マイケルズと組み、ヨコヅナ&デイビーボーイ・スミスを破り(スミスはオーエン・ハートの代理)WWE世界タッグ王座を獲得しました。ただディーゼルはWWE世界王者、ショーンはインターコンチネンタル王者という理由でタッグ王座は翌日返上となりましたが。昨年11月から快進撃を繰り広げているディーゼルの前に立ちはだかったのはやはりブレット・ハート。ロイヤルランブル95以降は静観していましたが王座転落から1年、ついに奪還への意欲を見せてきました。一方ショーンは10月にバーで複数の海兵に襲われケガをしたためインターコンチネンタル王座を返上。新王者はディーン・ダグラスがなりましたが、当日にレイザー・ラモンがダグラスを破り4度目となるインターコンチネンタル王座獲得となりました。
 第1試合はスキップ&ラッド・ラドフォード&トム・プリチャード&1・2・3・キッドVSマーティ・ジャネッティ&白使&バリー・ホロウィッツ&ボブ・ホーリーによるエリミネーションマッチ。第2試合はベルサ・ウェイ&アジャ・コング&ライオネス飛鳥&渡辺智子VSアランドラ・ブレイズ&井上京子&長谷川咲恵&チャパリータASARIによるエリミネーションマッチ。第3試合はゴールダストVSバンバン・ビガロ。第4試合はジ・アンダーテイカー&サビオ・ベガ&ファトゥ&ヘンリー・ゴドウィンVSキング・メイブル&ジェリー”ザ・キング”ローラー&アイザック・ヤンカム&ハンター・ハースト・ヘルムスリーによるエリミネーションマッチ。第5試合は”ハート・ブレイク・キッド”ショーン・マイケルズ&アーメッド・ジョンソン&”ブリティッシュ・ブルドッグ”デイビーボーイ・スミス&サイコ・セッドVSヨコヅナ&”ザ・ロケット”オーエン・ハート&”バッドガイ”レイザー・ラモン&ディーン・ダグラスによるエリミネーションマッチ。そしてメインは”ビッグ・ダディ・クール”ディーゼルVSブレット”ヒットマン”ハートによるWWE世界王座戦。  まずは第1試合からですが、キッドがヒールサイドにいます。これは盟友ラモンと仲間割れした流れでデビアス率いるミリオンダラー軍団入りと同時にヒールターン。キッド自身はヒールターンを希望していたみたいですが。このヒールターンが功を奏したのか、キッドが1人勝ち抜けに成功。これがのちにnWoでのシックス、DジェネレーションーXでのXパックへと繋がっていきます。第2試合はなんかWWEというよりも全日本女子プロレスの雰囲気ですね。90年代の女子プロは対抗戦ブームで盛り上がっていましたが、この翌年に勢いが落ちてきます。それはともかく、試合そのものはそれなりに盛り上がっていたのかな。アジャや京子はレベル高いしASARIは空中殺法のキレがいいし。そして第3試合はWWE史上もっとも妖しいキャラクターといえるゴールダストが登場しました。正体は”アメリカンドリーム”ダスティ・ローデスの息子、ダスティン・ローデス(本名はダスティン・ラネルズ)。この人はレスラーとしての才能は素晴らしいのに何故か過小評価されていました。おそらく父親が偉大なレスラーだったので”親の七光り”的な偏見もあったのでしょう。ゴールダストへの変身はそういった不当な評価に対する反論の意味があったのかも。
 第4試合はテイカーチームの完勝。この時点ではハンターはまだ若手ですし、ヤンカムはキングの部下ですからね。第5試合は両チーム共にベビーとヒールが混ざっています。これはくじ引きによるチーム編成の結果こうなりました。ショーンとスミスが同じチームにいるのはサバイバーシリーズ88以来ですね。反対にラモンはかなり厳しい状況です。まあ自分以外はヒールだから致し方ないですが。この試合の注目のレスラーはジョンソンですね。大型の黒人レスラーですが身体能力は素晴らしく、トップクラスに入るだけの力量をもったレスラーでした。この時点ではまだ経験が浅いせいか動きがぎこちないですが、大成したらジョン・シーナ、バティースタ以上のレスラーになっていたかもしれない逸材でした。
 さてメインはロイヤルランブル95以来の対戦です。前回と異なるのはロイヤルランブルでは両者共フェアな気持ちで戦っていたのが、今回ディーゼルは意識的にヒール的な振る舞いをしていることです。実際ヒール色が強いほうがディーゼルは持ち味を発揮しますから。ブレットのほうはこのチャンスをものにするために雌伏していただけにモチベーションは高まっています。最終的には試合巧者のブレットが一瞬の丸め込みを決めて逆転勝利しました。しかしこれに逆上したディーゼルが試合後ジャックナイフ(投げっぱなしパワーボム)でブレットをKO。さすがのブレットもレフェリーに肩をかつがれての退場となりハッピーエンドとはなりませんでした。
 1年ぶりに王座に返り咲いたブレット。しかしディーゼルとの遺恨を残し、テイカー、ショーンも虎視眈々と王座を狙っている状況で翌1996年を迎えることになりました。



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