New Worid

New Worid

前代未聞

 1992年1月19日ニューヨーク州オールバニにてロイヤルランブル92が開催されました。今回はロイヤルランブル史上異例とも言える大会でもありました。1991年サバイバーシリーズ91にてハルク・ホーガンはジ・アンダーテイカーに敗れてWWE世界王座を失いました。しかし1週間後ホーガンはテイカーを破り王座を取り戻しました。ところがこの試合に勝ったのにWWE会長(当時)ジャック・タニーは王座を剥奪。新王者をランブルマッチの勝者に与えるということになりました。世界王者をランブルマッチの勝者に与えるとは、WWEというかアメリカならではの発想ですね。日本だったら少なくとも90年代当時は許されなかったでしょう。
 第1試合はニューファンデーション(”ザ・ロケット”オーエン・ハート&ジム”アンビル”ナイドハート)VSオリエント・エキスプレス(カトー&タナカ)。第2試合はザ・マウンティVS”ラウディ”ロディー・パイパーのWWEインターコンチネンタル王座戦。第3試合はビバリー・ブラザーズ(ブレイク&ボウ)VSブッシュワッカーズ(ルーク&ブッチ)。第4試合はリージョン・オブ・ドゥーム(アニマル&ホーク)VSナチュラルディザスターズ(アースクエイク&タイフーン)のWWE世界タッグ王座戦。そして第5試合はランブルマッチbyWWE世界王座決定戦。
 ブレット・ハートがシングルに転向したことでナイドハートの立場は宙に浮いた形になりましたが、新たにブレットの弟であるオーエン・ハートと組んでニューファンデーションを結成しました。オーエンはブルー・ブレイザーというマスクマンでWWE活躍しその後は日本や地元カルガリーで活動した後再びWWE入りしました。試合はニューファンデーションが無難に勝ちました。しかし嘗てのファンデーションほど活躍はできず、ナイドハートは後にWWEを離脱。オーエンはココ・B・ウェアとハイ・エナジーというチームを結成し、やがてブレット同様シングル転向します。
 第2試合のインタコンチ戦は2日前マウンティがブレットを破り王座を獲得しました。本来ならブレットがリマッチ権を行使してマウンティと対戦するはずでした。しかし2日前の試合で実は39度の高熱での悪コンディションで戦ったためリマッチは不可能となり、代わりにパイパーがマウンティと対戦しました。まあパイパーとマウンティでは格が圧倒的に差があったのか、パイパーがあっさり勝ちました。意外な話ですが、WWE在籍して初のタイトル獲得となりました。ホーガンと並ぶWWEの人気者ですが実より名、記録より記憶を選んでいたということですかね。
 第3試合は割愛します。第4試合のWWE世界タッグ王座戦はホークのテンションの低さが気になる試合でした。WWEの雰囲気が馴染めないとは思えませんがホークが精彩を欠いていたのは確かです。
 そしてランブルマッチです。

1.”ブリティッシュ・ブルドッグ”デイビーボーイ・スミス(7、リック・フレアー)
 2.”ミリオンダラーマン”テッド・デビアス(1、デイビーボーイ・スミス)
 3.”ネイチャーボーイ”リック・フレアー(優勝)
 4.ジェリー・サッグス(2、デイビーボーイ・スミス)
 5.ハク(3、デイビーボーイ・スミス)
 6.”ボーイトーイ”ショーン・マイケルズ(9、ティト・サンタナ)
 7.エル・マタドール(ティト・サンタナ)(10、ショーン・マイケルズ)
 8.バーバリアン(11、ハーキュリース)
 9.”テキサストルネード”ケリー・フォン・エリック(8、リック・フレアー)
 10.リーポマン(6、ビッグ・ボスマン)
 11.グレッグ”ザ・ハマー”バレンタイン(5、リーポマン)
 12.二コライ・ボルコフ(4、リーポマン)
 13.ビッグ・ボスマン(13、リック・フレアー)
 14.ハーキュリース(12、ビッグ・ボスマン)
 15.”ラウディ”ロディ・パイパー(25、セッド・ジャスティス)
 16.ジェイク”ザ・スネイク”ロバーツ(15、ランディ・サベージ)
 17.ハクソー・ジム・ドゥガン(19、バージル)
 18.IRS(23、ロディ・パイパー)
 19.”スーパーフライ”ジミー・スヌーカ(14、ジ・アンダーテイカー)
 20.ジ・アンダーテイカー(17、ハルク・ホーガン)
 21.”マッチョマン”ランディ・サベージ(27、リック・フレアー&セッド・ジャスティス)
 22.バサーカー(18、ハルク・ホーガン)
 23.バージル(20、ハクソー・ジム・ドゥガン)
 24.カーネル・ムスタファ(16、ランディ・サベージ)
 25.”ザ・モデル”リック・マーテル(26、セッド・ジャスティス)
 26.ハルク・ホーガン(28、セッド・ジャスティス)
 27.スキナー(21、リック・マーテル)
 28.サージャント・スローター(22、セッド・ジャスティス)
 29.セッド・ジャスティス(29、リック・フレアー)
 30.ウォーロード(24、ハルク・ホーガン&セッド・ジャスティス)

 出場選手はこれまでのランブルマッチと比較するとかなりレベルが高いですね。2番目のデビアスがあっさり退場となったのが意外でしたが。しかしいちばんの注目はリック・フレアー。3番目と不利な条件ですが、しかしフレアーならやってくれるだろうという期待できます。6番目にシングル転向直後のショーン・マイケルズが登場します。まさか後にレッスルマニア24でフレアーとショーンが引退を懸けて戦うとは思いもしませんでしたが。面白いのがリーポマン。デモリッション・スマッシュからコソ泥キャラと随分キャラが変わりましたが中々良い味で序盤盛り上げてくれました。
 そして中盤フレアーが1人残った状態で15番目が登場。なんとインタコンチ王座を獲得したばかりのパイパーが登場!!フレアーは思いっきりイヤな顔してます(笑)。ランディ・サベージはロバーツとの遺恨からか、失格にしたのに執拗にロバーツを攻撃します。それを何故かテイカーが止めてサベージを試合に戻します。やがてホーガンも登場しランブルマッチは益々盛り上がります。そのホーガンはテイカーを落とすことに成功しました。そしてフレアーを落とそうとしたところで、なんと29番目のセッドに落とされてしまいます。愕然とするホーガン。逆上したホーガンがセッドの腕を引っ張ります。そこをすかさずフレアーがセッドを落とし、遂に勝ち残りに成功。
 1時間以上の戦いを制したフレアーがWWE世界王座を獲得しました。そしてホーガンとセッドの間に遺恨が生まれ、レッスルマニア8へと繋がります。



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: