New Worid

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横綱の脅威

 1993年1月24日カリフォルニア州サクラメントにてロイヤルランブル93が開催されました。ブレット・ハートがWWE世界王座を獲得して約3ヶ月、ブレットは順調に王座を防衛しています。ブレット政権を脅かす挑戦者は果たして誰なのか?といったところが見どころですかね。
 第1試合はスタイナーブラザーズ(リック&スコット)VSビバリーブラザーズ(ボウ&ブレイク)。第2試合は”ボーイトーイ”ショーン・マイケルズVSマーティジャネッティによるWWEインターコンチネンタル王座戦。第3試合はバンバン・ビガロVSビッグ・ボスマン。第4試合はブレット”ヒットマン”ハートVSレイザー・ラモンによるWWE世界王座戦。そしてメインはランブル・マッチ。
 それでは各試合を順に語っていきます。第1試合ですが、WCWの名タッグチームであったスタイナー兄弟がWWE初登場となりました。当時はWCWも結構好きだったのでとうとうスタイナー兄弟もWWEに行ってあとはスティングだけか…と慨嘆したものですが。この頃のスタイナー兄弟はいい意味でのアマチュアっぽさがキャラクターになっていたので結構好きでした。試合はスタイナーズの快勝。まあWWEでの顔見せみたいなものですね。第2試合はショーンとかつての相棒との遺恨マッチですね。ジャネッティにしたらショーンにスィート・チン・ミュージック(この頃はまだこの名称はありません)を喰らったあげく窓ガラスに頭を叩きつけられて赤っ恥をかかされたわけだからショーン憎しといったところでしょう。更にジャネッティが復帰したときにショーンに鏡を叩きつけようとしたときにショーンは事もあろうにマネージャーであるシェリー・マーテルを盾にして逃げてシェリーも絡むという展開に。シチュエーションとしては今大会でもっとも面白い試合です。しかしレスラーとしての完成度では先にシングル転向したショーンのほうが一枚も二枚も上で、シェリーの乱入で一瞬あわやというシーンもありましたがショーンの快勝に終わりました。それでもこの遺恨はまだ続きますが。
 第3試合はビガロがWWE登場ですね。実際は1988年離脱から5年ぶりの復帰ですが。ボスマンとの対戦も面白い。共に巨漢だけど動きが素早くプロレスも上手い同士なので好試合が期待されました。実際そのとおりの展開になりました。そしてこの試合を最後にボスマンはWWEと契約を終えて離脱となりました。この絡みはもっと見たかったけど。第4試合はWWE世界王座戦。ブレットもすっかり王者らしい風格を身に着けています。一方ラモン(スコット・ホール)ですが、サバイバーシリーズ92でフレアーのパートナーに続く大抜擢。かなり期待されているとみていいでしょう。ホールもプロレスは上手いほうですが、ブレットには敵わず敗退。この試合でのブレットのシャープ・シューターへの決め方が面白い。通常では立っている状態で倒れている相手の足をクロスしてステップオーバーして決めるパターンなんですが、自らも倒れている状態で相手の足をクロスして裏返しして起き上がって決めるという珍しいパターンです。この辺りブレットのセンスの良さが伺えます。
 そしてメインのランブル・マッチです。前回はメンバーが豪華だったので比較すると見劣りするかな?と思いますが、しかし見所は満載です。
 1.リック・フレアー(4、カート・へニング)
 2.ボブ・バックランド(28、ヨコヅナ)
 3.パパ・シャンゴ(1、リック・フレアー)
 4.”ミリオンダラーマン”テッド・デビアス(13、ジ・アンダーテイカー)
 5.ブライアン・ノッブス(2、テッド・デビアス)
 6.バージル(7、バサーカー)
 7.ジェリー”ザ・キング”ローラー(6、カート・へニング)
 8.マックス・ムーン(3、ジェリー・ローラー)
 9.天龍源一郎(10、ジ・アンダーテイカー)
 10.”ミスター・パーフェクト”カート・へニング(8、テッド・デビアス&ココ・B・ウェア)
 11.スキナー(5、カート・へニング)
 12.ココ・B・ウェア(11、テッド・デビアス)
 13.ヘッドシュリンカー・サムー(9、ジ・アンダーテイカー)
 14.バサーカー(14、ジ・アンダーテイカー)
 15、ジ・アンダーテイカー(15、ジャイアント・ゴンザレス)
 16.テリー・テイラー(12、テッド・デビアス)
 17.ダミアン・ディメント(17、カルロス・コロン)
 18.IRS(19、アースクエイク)
 19.タタンカ(20、ヨコヅナ)
 20.ジェリー・サッグス(24、オーエン・ハート)
 21.タイフーン(16、アースクエイク)
 22.ヘッドシュリンカー・ファトゥー(18、ボブ・バックランド)
 23.アースクエイク(22、ヨコヅナ)
 24.カルロス・コロン(21、ヨコヅナ)
 25.エル・マタドール(ティト・サンタナ)(23、ヨコヅナ)
 26.”ザ・モデル”リック・マーテル(27、ボブ・バックランド)
 27.ヨコヅナ(優勝)
 28.”ザ・ロケット”オーエン・ハート(25、ヨコヅナ)
 29.リーポマン(26、ランディ・サベージ)
 30.”マッチョマン”ランディ・サベージ(29、ヨコヅナ)
 いきなりフレアー登場でしかも2番目にバックランド。ハルク・ホーガン以前のWWEの主役がなんと10年ぶりに復帰です。しかもこの2人は共に王者時代にお互いの王座を懸けて対戦していますから古いファンには感激でしょう。なので3番目のパパ・シャンゴ(ゴッドファーザー)が加わると違和感ありまくりで(笑)デビアスは前回よりは活躍しています。そして、ジェリー”ザ・キング”ローラー初登場です。今のキングしか知らない人には信じられないかもしれませんが、WWE入りする以前は反WWE派で有名でした。それが1993年にWWE入りして驚いたファンはかなりいました。まあこの時点では完全に現役ですね。そして当時WARのトップだった天龍も登場です。日本人初のランブル・マッチ出場者でもあります。でもWWEというかアメリカでは無名だから反応は薄いですね。それでもフレアーやデビアスなど関係のあるレスラーとの絡みがあったのでよかったかな。
 テイカーは思ったほど活躍できませんでした。その原因はゴンザレスにありますが。WCWではエル・ヒガンテとして活動していましたが、それほど活躍はできませんでした。テイカー登場以降はなんか中堅どころの登場でいまひとつ盛り上がりに欠けたかな。
 そこへヨコヅナ登場。圧倒的な強さを発揮しました。のちにリキシに変身するファトゥーとの絡みがなかったのが残念ですが、結局勝ち残りに成功しランブル・マッチ優勝しました。バックランドは前回のフレアー同様長時間粘りましたがヨコヅナに落とされました。
 こうしてレッスルマニア9にてブレットVSヨコヅナによるWWE世界王座戦へという流れになりました。更にレッスルマニア9であの男が復帰します。



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