New Worid

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分裂への序曲

 1996年1月21日カリフォルニア州フレズノにてロイヤルランブル96が開催されました。まずはサバイバーシリーズ95からロイヤルランブル96直前までの流れを紹介します。サバイバーシリーズ95にてディーゼルを破り1年ぶりにWWE世界王座に返り咲いたブレット・ハートは12月のイン・ユア・ハウスでデイビーボーイ・スミスの挑戦を退け、次期挑戦者にジ・アンダーテイカーが立ちはだかりました。しかし前王者であるディーゼルもブレットを狙っており、三つ巴の様相を呈してきました。そして12月でのマンデーナイト・ロウで突如心臓発作を起こし欠場中のショーン・マイケルズがランブルマッチで復帰となりました。
 第1試合はアーメッド・ジョンソンVS”ダブルJ”ジェフ・ジャレット。第2試合はスモーキー・ガンズ(ビリー・ガン&バート・ガン)VSボディ・ダナス(スキップ&ジップ)によるWWE世界タッグ王座戦。第3試合はレイザー・ラモンVSゴールダストによるWWEインターコンチネンタル王座戦。第4試合はランブルマッチ。そしてメインはブレット”ヒットマン”ハートVSジ・アンダーテイカーによるWWE世界王座戦。
 まずは第1試合から。ジョンソンは当時は久しぶりに登場した黒人レスラーのスター候補で、実際身体能力は素晴らしいものがありました。試合運びの面ではまだぎこちない所はありましたが、相手が試合巧者のジャレットだったので比較的いい試合になりました。第2試合はボディ・ダナスのマネージャーであるサニーの憎らし可愛い振る舞いに目がいってしまいます(笑)。サニーだけの話ではいけないので、スキップとジップについて語ります。スキップはクリス・キャンディードとしてテネシー、SMW、ECWで活躍していたレスラーで、実生活ではサニーの夫でもあります。ジップはトム・プリチャードとしてかつてはジミー・デルレイとヘブンリー・ボディーズというチームで活躍していました。若いスキップとサニーのお目付け役ですかね。
 第3試合は実はかなり大きな意味合いを持つことになります。試合そのものはゴールダストが勝ちインターコンチネンタル王座を獲得に成功しました。しかしラモンは性倒錯キャラであるゴールダストとの絡みを嫌い、金銭面での不満を抱いていました。そこへ付込んだのがWCWのエリック・ビショフでした。ビショフはWWEよりも倍以上の条件をラモンというよりスコット・ホールに提示し、ホールも了承したのでWWEを離脱し、WCWへの移籍を決意しました。それはディーゼル(ケビン・ナッシュ)と1・2・3・キッド(ショーン・ウォルトマン)にも波及しホールと共にWCW移籍となりました。
 それではランブルマッチです。
 1.ハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)(18、ディーゼル)
 2.ヘンリー・ゴドウィン(2、ジェリー・ローラー)
 3.ボブ・バックランド(1、ヨコヅナ)
 4.ジェリー”ザ・キング”ローラー(15、ショーン・マイケルズ)
 5.ボブ・ホーリー(17、スティーブ・オースチン)
 6.メイブル(3、ヨコヅナ)
 7.ジェイク”ザ・スネイク”ロバーツ(6、ベイダー)
 8.ドリー・ファンク・ジュニア(5、サヴィオ・ヴェガ)
 9.ヨコヅナ(11、ショーン・マイケルズ)
 10.1ー2ー3・キッド(ショーン・ウォルトマン)(12、ショーン・マイケルズ)
 11.大森隆男(4、トリプルH&ジェイク・ロバーツ)
 12.サヴィオ・ヴェガ(10、ベイダー)
 13.ベイダー(11、ショーン・マイケルズ)
 14.ダグ・ギルバード(7、ベイダー)
 15.ヘッドハンター・A(8、ベイダー)
 16.ヘッドハンター・B(9、ヨコヅナ)
 17.”ザ・ロケット”オーエン・ハート(20、ショーン・マイケルズ&ディーゼル)
 18.”ハートブレイク・キッド”ショーン・マイケルズ(優勝)
 19.ハクシ(新崎人生)(13、オーエン・ハート)
 20.タタンカ(16、ディーゼル)
 21.アルド・モントア(14、タタンカ)
 22.”ビッグ・ダディ・クール”ディーゼル(28、ショーン・マイケルズ)
 23.カマ(27、ディーゼル)
 24.ザ・リングマスター(ストーンコールド・スティーブ・オースチン)(22、ファトゥ)
 25.バリー・ホロウィッツ(19、オーエン・ハート)
 26.ファトゥ(リキシ)(23、アイザック・ヤンカム)
 27.アイザック・ヤンカム(ケイン)(24、ショーン・マイケルズ)
 28.マーティ・ジャネッティ(21、デイビーボーイ・スミス)
 29.”ブリティッシュ・ブルドッグ”デイビーボーイ・スミス(26、ショーン・マイケルズ)
 30.デューク・ザ・ダンプスター(25、ディーゼル&カマ)
 いきなりハンターが1番目に登場です。しかも当時のライバルであるゴドウィンが2番目です。今となっては信じ難いことですが、ゴドウィンに頭からブタのエサをぶちまけられるという屈辱をうけたこともありました。そして久しぶりにバックランドが3番目に登場します。ハンターとバックランドの絡みも新鮮です。そしてキングが登場しますがエプロンの下に隠れるという作戦に出ました。序盤は退場者は出ず続々と登場するという展開でした。その中にジェイク・ロバーツが4年ぶりにWWEに復帰しました。さすがに全盛期は過ぎていましたが。そしてドリー・ファンク・ジュニアも1987年頃までは在籍していたはずなのでこれまた久々のWWE登場です。
 11番目に大森が登場しているのも意外です。結局大森の参戦は単発に終わりましたが。13番目にWWE初登場となるベイダーが登場しました。新日本プロレスの外国人エースからUWFインター、WCWでは世界王座を獲得していた男がついにWWEに登場しました。ヨコヅナとの絡みはさすがに迫力満点でした。
 そして12月に欠場して以来の復帰となったショーンが登場します。なんとベイダーとヨコヅナの2人を同時に落とすという離れ業をやってのけました。もっともこれに逆ギレしたベイダーが八つ当たり気味で大暴れするという番外シーンとなりましたが。そのあとにエプロン下に隠れているキングをショーンが見つけてリング上に引きずり出し失格に追い込みます。
 24番目にザ・リングマスターが登場します。のちのストーンコールド・スティーブ・オースチンです。1995年の夏にWCWを解雇され、ECWで活動していたのをWCW時代からの友人であるディーゼルことケビン・ナッシュやのちに親友となるジム・ロスがビンス・マクマホンに獲得を求められビンスが了承したことでオースチンのWWE入団となりました。
 ショーンと因縁深いジャネッティやスミスが登場し、案の定ショーンと絡みます。のちにランブルマッチで大活躍するオースチンやヤンカム(ケイン)はこのときは目立った活躍は出来ず失格となりました。最終的にはショーンがディーゼルをスウィート・チン・ミュージックで落として2年連続優勝となりました。2年連続制覇はハルク・ホーガン以来の快挙です(1990~1991)。
 ではメインのWWE世界王座戦です。ブレットとテイカーの間にはこれといった遺恨は存在していないのでフェアな戦いが期待されました。しかしこのときテイカーは眼底骨折していてフェイスマスクを着用というハンデがありました。もっともブレットはテイカーの弱点を攻撃せず正々堂々と戦いました。しかしディーゼルが乱入し反則裁定が下りました。
 WWE世界王座を巡る戦いはブレット、テイカー、ディーゼル、そしてショーンの四つ巴の戦いへとなりました。



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