1993年8月30日ミシガン州オーバーンヒルズにてサマースラム93が開催されました。2ヶ月前に新しいPPV”キング・オブ・ザ・リング”が開催されました。トーナメント方式で行われ、ブレット・ハートが見事優勝しました。キング・オブ・ザ・リング自体は過去行われましたがPPVとして開催されたのは今回が初めてでした。以降2002年まで開催されました。そしてこの大会でヨコヅナがハルク・ホーガンを破りWWE世界王座の奪還に成功し屈辱の12秒敗北の汚名を晴らしました。
新しいWWEの主役となったヨコヅナの前に立ちはだかったのはレックス・ルーガー。7月に行われたヨコヅナをボディスラムで投げれるかというイベントで最後に登場したルーガーが見事投げることに成功し有力対抗馬となりました。良くも悪くもマッチョボディが好みのビンス・マクマホンがホーガンに変わるWWEの主人公になれる逸材と判断したのでしょう。
第1試合はレイザー・ラモンVS”ミリオンダラーマン”テッド・デビアス。第2試合はスタイナーブラザーズ(リック&スコット)VSヘブンリー・ボディーズ(トム・プリチャード&ジミー・デル・レイ)によるWWE世界タッグ王座戦。第3試合は”ハートブレイク・キッド”ショーン・マイケルズVS”ミスターパーフェクト”カート・へニングによるWWEインターコンチネンタル王座戦。第4試合はアーウィン・R・シャイスター(IRS)VS1・2・3・キッド。第5試合はブレット”ヒットマン”ハートVSジェリー”ザ・キング”ローラー。第6試合はルドヴィッグ・ボルガVSマーティ・ジャネッティ。第7試合はジ・アンダーテイカーVSジャイアント・ゴンザレス。第8試合はタタンカ&スモーキー・ガンズ(ビリー・ガン&バート・ガン)VSバンバン・ビガロ&ヘッドシュリンカーズ(サムー&ファトゥ)。そしてメインはヨコヅナVSレックス・ルーガーによるWWE世界王座戦。
さて第1試合からです。ベビーターンしたばかりのラモンが大物デビアスと対戦となりました。ホーガン時代からのトップヒールとして活躍してきたデビアスはサマースラム以降WWEを退団し嘗ての古巣全日本プロレスにスタン・ハンセンのパートナーとして復帰しますがすぐに首の負傷で途中帰国しそのまま現役を引退しました。まあそれによってジャイアント馬場&スタン・ハンセンというタッグが誕生することになりましたがそれは別の話。第2試合の世界タッグ王座戦ですが、2ヶ月前にマネーインク(デビアス&IRS)と激しい攻防の末スタイナーズが王座を獲得しました。対戦するヘブンリー・ボディーズですが、テネシー州ノックスビルを本拠地にしているスモーキー・マウンテン・レスリング(SMW)で活動し同団体のタッグ王者でした。トム・プリチャードはWWEのコメンテーターでありブラザーラブという名で活躍していたブルース・プリチャードの兄で1979年ホセ・ロザリオのコーチを受けてデビューしました。つまりショーンの兄弟子になります。ジミー・デル・レイはジミー・バックランドという名で各インディー団体で活躍し大仁田厚が設立したFMWの常連として活躍したこともあるレスラーです。試合ですがスタイナーズのWWE時代のベストといえる内容だったのでは?ボディーズの2人がそれだけ上手かったといえます。
第3試合はこれは名勝負になるのでは?と思いました。ショーンとヘニングの対戦なら今大会のベストとなってもおかしくないはずなので。しかし思ってたほどスイングできず。さてこの回からショーンの異名をハートブレイク・キッド(HBK)としました。やはりディーゼルことケビン・ナッシュが登場してからHBKとなったとみるのが自然かなと。90年代中盤の主役の1人となるディーゼルですが、この時点ではショーンの用心棒という役割です。入団して即ショーンと意気投合しました。これがザ・クリックという派閥へと発展していきます。ショーンは王座防衛に成功したもののステロイド検査でひっかかり王座を剥奪されました。ショーンはステロイド使用を否定してますしナッシュも同調していますが。第4試合は初登場となった1・2・3・キッドですが残念ながらIRSに敗れました。キッドもデル・レイ同様各インディー団体で活躍し日本のユニバーサル・レスリングでライトニング・キッドという名で人気がありました。マンデーナイト・ロウのデビュー戦でなんとレイザー・ラモンを破るという大金星を挙げました。おそらくラモンというかスコット・ホールがキッドの売り込みに一役買ったのでしょう。キッドはのちにWCWではシックス、そしてWWEに戻ってきたときはXパックとなってnWo,D-ジェネレーションXのメンバーとして活躍しました。
第5試合ですが足のケガを理由にドインク・ザ・クラウンを代役にたてました。一旦は反則でブレットが勝ちましたが、キングのケガがウソだとばれたので、改めてブレットVSキングとなりました。内容はキング最後の名勝負といってもおかしくないほど試合は盛り上がりました。結局はブレットが勝利。ある意味ビンスに対し自分のほうがルーガーより上だというアピールを感じさせる試合でした。第6試合はボルガというか新日本プロレスで橋本真也のライバルだったトニー・ホームといったほうがわかりやすいかな。正直レスラーとしてのセンスは微妙でしたね。実際WWE在籍は短く翌年離脱しました。
第7試合はレッスルマニア9の再戦です。しかしゴンザレスはやっぱり駄目ですね。リック・フレアーも自伝でゴンザレスはレスラーに相応しくないと酷評していました。テイカー低迷期だったかな、ライバル不足だったし。第8試合はアテテュード時代の名脇役の1人、ビリー・ガンが初登場です。スモーキー・ガンズという西部劇のガンマンっぽいキャラでパートナーのバート・ガンはマイク・バートンという名でのちに全日本プロレスの常連となりました。わりといい試合でした。隠れ好勝負というべきか。
そしてメインです。はっきりいってルーガーは良かった。おそらくWWE在籍時代でもっともいい試合だったかも。それだけに世界王座を獲得できなかったのが惜しい。もしここで奪取に成功していたらルーガー時代となっていたかも。逆にいうとブレットとショーンの時代到来が遅れるか無かったかもしれませんが。やはりヨコヅナはセンスがいい。試合を引っ張っていたのは間違いなくヨコヅナです。
主役が誰なのか。まだまだ迷っている感じのWWEですが、ディーゼル、キッド、ビリーなど期待できる新顔が続出した大会でした。