New Worid

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苦難の時代

 1996年8月18日オハイオ州クリーブランドにてサマースラム96が開催されました。さて、そこに至るまでの経緯です。
 レッスルマニア12でのブレット・ハートとのアイアンマン・マッチを制してWWE世界王者となったショーン・マイケルズは親友ディーゼルと対戦し勝利。デイビーボーイ・スミスの挑戦も退けたのち、イン・ユア・ハウス9でベイダーに6人タッグながら不覚にもフォール負けを喫しサマースラム96で王座を懸けて対戦となりました。
 レッスルマニア12以前からWWEからの退団、WCWへの移籍が確定していたディーゼルことケビン・ナッシュとレイザー・ラモンことスコット・ホールの2人はショーンとハンター・ハースト・ヘルムスリーとの”カーテンコール”を経てWCW入り。”カーテンコール”に激怒したビンス・マクマホンは処罰の意味でハンターを暫く低く扱います。これが1人の中堅レスラーの大ブレイクのきっかけとなりました。
 そのレスラーの名は”ストーンコールド”スティーブ・オースチン。キング・オブ・ザ・リング96で優勝したオースチンは”オースチン3:16””ストーンコールド・セッド・ソウ”という名フレーズを生み出し一目置かれることになりました。
 そしてレッスルマニア12の翌日のマンデーナイト・ロウでWWEデビューしたミック・フォーリーことマンカインドの台頭と、WCWとのマンデーナイト・ウォーで劣勢に立たされているとはいえWWEは徐々に次世代のスターたちが現れてきた時期でもありました。
 第1試合はオーエン・ハートVSサヴィオ・ベガ。第2試合はザ・スモーキン・ガンズ(ビリー・ガン&バート・ガン)VSザ・ボディドナーズ(スキップ&ジップ)VSニューロッカーズ(マーティ・ジャネッティ&リーフ・キャシディ)VSザ・ゴドウィンズによるフェイタル4ウェイエリミネーション形式によるWWE世タッグ王座戦。第3試合はサイコ・セッドVSブリティッシュ・ブルドッグ(デイビーボーイ・スミス)。第4試合はゴールダストVSマーク・メロ。第5試合はジェリー”ザ・キング”ローラーVSジェイク”ザ・スネーク”ロバーツ。第6試合はジ・アンダーテイカーVSマンカインドによるボイラー・ルーム・ブロウル。そしてメインは”ハートブレイク・キッド”ショーン・マイケルズVSベイダーによるWWE世界王座戦。
 第1試合の前にダーク・マッチが行われました。ストーンコールド・スティーブ・オースチンVSヨコヅナの試合です。キング・オブ・ザ・リングでオースチンの真価が見えましたが、もう少し溜めてみようという意図があったのかな?結果はオースチンが嘗てのWWE世界王者を破りました。それとカーテンコール事件の影響なのかハンターは出場していません。しかし今思うとこの溜めが結果的にオースチンとハンターの商品価値を高めることになったのかも。
 それでは第1試合です。正直オーエンはこの頃精彩を欠いていた印象です。ブレットとの抗争、ヨコヅナとのチームで活躍していたときと比較すると…という感じです。ショーンと抗争すればオーエンほどのレスラーなら盛り上げていたはずですが…。第2試合の4ウェイ、スモーキン・ガンズのセコンドにサニーが付いています。元々はボディドナーズのマネージャーだったのが裏切ってガンズのマネージャーとなりました。リーフ・キャシディはアル・スノーなんですよね。器用なレスラーなんですが、地味な雰囲気なのでキャラ作りに結構苦労していました。同じくゴドウィンズの1人フィニアスもそうで、のちにテイカー率いるミニストリー・オブ・ダークネスのメンバーの1人ミディオンになります。まあこの4ウェイのメンツでいちばん出世したのはビリーですね。そのビリーも世界王座までは届きませんでしたが。
 第3試合は久しぶりに登場のセッドが勝利。本来アルティメット・ウォリアーが戦うはずだったのがウォリアーが辞めてしまったのでセッドが代役で登場となりました。ここからセッドはランクを上げてショーンと戦うという流れになります。対照的にスミスは停滞。第4試合ですが、レッスルマニア12である意味おいしい扱いを受けたゴールダストが勢いよく勝利。マークは素材はいいけど、嫁(当時)に喰われた感が強いかな。レッスルマニア12ではハンターのセコンドについたセイブル。アテテュード時代初期のセクシー路線の第一人者もこの時点では普通でしたが。
 第5試合はキングの勝利。80年代のWWEで活躍していたロバーツも衰えは隠せない状態でした。まあロバーツとの戦いでオースチンが覚醒するきっかけが出来たりと重要な役割を果たしていきましたが。キングはズル勝ちですね。キングらしいですが。第6試合はここでまさかの裏切りが発生しました。長年テイカーのマネージャーを務めていたポール・ベアラーがマンカインドに加勢、テイカーを裏切りました。さすがのテイカーもベアラーの裏切りに動揺したのか敗北。思えばここからマンカインドとの長い抗争の始まりとなりました。ベアラーの加勢があったとはいえ、テイカーに勝利したことでマンカインドは一気にステータスを上げてきました。
 そしてメイン。まずベイダーですが、新日本、WCW、Uインターとあらゆる団体で王者となりました。しかしWWEでは思っていたほど活躍は出来ませんでした。今回は大チャンスともいえる試合で、これに勝利すればその後の扱いも大きく変わっていたかも。しかし2度の延長の末勝ったのはショーン。結局ベイダーはWWEに関してはブレイクできないままフェードアウトしました。
 この時期WCWはnWoムーブメント誕生で一気にWWEに大きく差をつけました。試合内容ではWWEのほうが良かったのですがWCWの勢いが凄く苦戦。そこで休養していたブレットを復帰させることにしました。同時に新たな火種を生み出すことになりますが。



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