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アイアンマン・マッチ

頂上対決.jpg

 ショーン・マイケルズのベストバウトともいえる1996年3月31日レッスルマニア12で行なわれたブレット”ヒットマン”ハートとのアイアンマンマッチ。前年の暮れから欠場していたショーンの復帰の舞台は96年1月21日でのロイヤルランブルにおけるランブルマッチ。今回は18番目に登場しヨコヅナとベイダーの2人を一気に落とすという見せ場を作り盛り上げました。最後は親友ディーゼルをスイート・チン・ミュージックで蹴り落とし2年連続ランブルマッチ制覇を成し遂げました。こうしてレッスルマニア12でのメインは王者ブレットVS挑戦者ショーンとなりましたがここで2人にふさわしい試合形式”アイアンマンマッチ”が登用されました。
 「ビンスは難色を示したが私は2人ならやり遂げると確信しアイアンマンマッチを企画した。」-パット・パターソン
 ルールは60分間戦い、ピンフォール、ギブアップ、リングアウト、反則などの勝ちをあいてより多く取ったものが勝ち。たとえば10分でどちらかがフォール勝ちをしたとしてもそこで終了にはならずそのまま60分まで試合が続きます。パワー、テクニック、スタミナ、そして60分間たたかうための精神力がアイアンマンマッチで勝ち抜くために求められます。実際当時この試合ができるレスラーはショーンとブレット以外にいなかったのでは?トリプルHは1年前、”ストーンコールド”スティーブ・オースチンはこの時期にWWE入りしていたもののまだまだビンスら首脳陣の信頼を得られていませんでした。彼らが真価を発揮するのはまだ先の話。ショーンはこの試合のために心臓を強化するための練習を師匠であるホセ・ロザリオとともに集中的に行ないました。すべては少年時代からの夢=ボーイ・フット・ドリームを実現させるために。一方ブレットはジ・アンダーテイカー、ディーゼルらを中心に精力的に防衛戦をこなしていきます。
 さて試合ですが、その前にショーンが史上最も華麗な入場シーンを演出します。まず入場曲が流れますが、なぜかショーンが姿をみせません。師匠であるホセ・ロザリオだけ入場。ファンがざわめくとロザリオが天井を指差すとそこにはショーンの姿が!!ワイヤーに吊るされながらまるで空を飛ぶかのように颯爽と入場。当時放送席で実況をしていたビンスがアンビリーバブル!!!と絶叫していましたが全く同感!!。もっとも99年にワイヤーをつかった登場シーンでオーエン・ハートが事故死してしまう悲劇があってからなくなりましたが。ともかくショーンの入場で館内は大盛り上がり。続くブレットの入場でいよいよ役者がそろいました。そしてレフェリーのアル・ヘブナーがルールを説明。遂に試合が開始。
 試合は両者共にヘッドロック、アームバーなどの基本的な小技の応酬を中心に進行していきます。というか30分位は殆ど大技がでなかったです。日本の、少なくとも最近の日本マットだと大技をより多くだして盛り上げようとする風潮が目立ちますが、むしろこうした腕の取り合いなどで観客にみせるレスラーこそ超一流だと思います。約40分過ぎにショーンが背中から派手に場外に転落してからブレットがペースを握ります。なんとかショーンも反撃するも背中を攻撃されては劣勢にたたされます。しかし残り時間5分位でようやくショーンがペースを掴みます。得意のダイビングエルボーに隠し技なのかドクターボムをくりだしますがブレットもしぶとく粘ります。残り1分でコーナーに上ろうとするショーン、しかし背中のダメージが響いてるのか上がるのも辛そうです。それでもミサイルキックをだしたところをブレットに掴まされて必殺のシャープシューターを極められます。残り時間は30秒。なんとか堪えるショーン。残り3,2,1、試合終了。結局どちらも譲らず引き分け。と思いきやゴリラ・モンスーンの指示によりハワード・フィンケルからのコールはサドンデス。あわててリングに戻るブレット。しかしシャープシューターのダメージで起き上がれないショーン。容赦なくブレットは攻撃します。コーナーに振られるがサッとよけたショーンがスーパーキック。カウンターで食らい意識が朦朧とするブレットになんとか立ち上がろうとするショーン。ブレットが立ち上がったところへスウィートチンミュージック炸裂!!すかさずフォールを取り遂に60分以上に亘る死闘を制しました。
 しかし結果を不服に思ったブレットはしばらく欠場します。ショーンとブレットの確執が明確になった瞬間です。同時にビンスとブレットの確執も。

 この試合はいちばん大好きな試合ですがなによりもベルトを受け取ったショーンが実感を噛み締めるような表情が印象深いです。ここからショーンの時代となります。

ボーイ・フット・ドリーム.jpg


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