New Worid

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カーテンコール

親友が好敵手.jpg

 レッスルマニア12でのブレット・ハートとのアイアンマンマッチを制しWWE世界王者となったショーン・マイケルズにさっそく新たな対戦相手が登場します。かつての相棒”ビッグ・ダディ・クール”ディーゼル(ケビン・ナッシュ)です。レッスルマニア11ではディーゼルが王者でショーンが挑戦者でしたが今回は逆です。1996年4月28日ネブラスカ州オマハでのイン・ユア・ハウス7のメインで2人は激突しました。それもノー・ホールズ・バードで。序盤から中盤にかけてはディーゼルが巨体を生かしてショーンを攻め立てますが、ショーンも持ち前の身体能力の高さを生かして一進一退の攻防を繰り広げます。
 終盤ディーゼルは客席にいたモーリス”マッドドッグ”バションの義足をなんと奪ってショーンを攻撃しようとしますが、ショーンがかわして逆に義足を奪ってディーゼルにヒット。最後はスウィート・チン・ミュージックをきめてショーンが勝利。かつての親友を撃破することに成功しました。
 実はレッスルマニア12の前後でディーゼルことナッシュはスコット・ホール(レーザー・ラモン)と共にWWEを離脱してWCWに移籍が決定してました。今回のショーンとの抗争はWWEに対する最後の務めと親友ショーンのためにという意味も含んでいたのかも。
 そして5月19日、ニューヨークMSG(マジソン・スクエア・ガーデン)にてナッシュとホールはWWE最後の試合を行いました。ホールの相手はハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)、ナッシュの相手はショーン。”クリック”の仲間たちによるお別れ会といった催しなんでしょう。ホールとトリプルHの試合はトリプルHが勝ち、ショーンとナッシュの試合はケージマッチとなりましたがショーンが場外エスケープに成功して勝利。
 ここから衝撃のシーンが生まれました。ショーンとナッシュの試合後ホールとトリプルHが登場します。ナッシュを助け起こしたあと、それぞれが別れの抱擁を交わします。無論ビンス・マクマホンやWWEの首脳部にとって想定外の出来事でしたが、4人はそんなことはお構いなく別れを惜しんでました。観客のリアクションはというと戸惑いはあったもののこの光景を素直に受け入れて拍手を送りました。これが有名な”カーテンコール事件”です。
 このあとナッシュとホールはWCWへ移籍してハルク・ホーガンと結託してnWo(ニュー・ワールド・オーダー)を結成して一大ムーブメントを巻き起こします。一方WWEに残ったショーンとトリプルHはカーテンコール事件の責任を問われることになりました。ショーンは罰金に止まりましたがトリプルHはしばらくは干される…というほどではありませんがそれに近い状態となりました。本来はキング・オブ・ザ・リングでトリプルHを推す予定でしたがそれがなくなり、代わりにスティーブ・オースチンが推されることになりました。カーテンコール事件がなかったらストーンコールドのブレイクはかなり遅れていたかもしれなかったわけで、運命のイタズラというのを実感させられます。
 親友と別れたショーンの次の抗争相手はブリティッシュ・ブルドッグ(デイビーボーイ・スミス)。何故かテーマはセクハラです(笑)



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