New Worid

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防衛と転落

 親友ケビン・ナッシュ、スコット・ホールがWCWへ移籍しトリプルHと共にWWEに残留したショーン・マイケルズの次の抗争相手はブリティッシュ・ブルドッグ(デイビーボーイ・スミス)。1992年にインターコンチネンタル王座を巡って抗争をしていましたが、今回はWWE世界王座を懸けての抗争となりました。更に遺恨が加わりました。それはセクハラ!!スミスの奥さんであるダイアナに対してショーンがセクハラをしたという設定です。ダイアナはあのブレット・ハートの妹でオーエン・ハートの姉に当たる女性でブレットとオーエンにとってはスミスは義兄弟ということです。そして必然的にダイアナはスミスのマネージャーとして登場することになりました。1992年のサマースラムでブレットを破りインタコンチ王座を獲得以降はそれほど目立った活躍はしていなかったスミスにとっては久々のチャンスとなりました。
 ショーンとスミスの試合は5月26日”イン・ユア・ハウス”6月23日の”キング・オブ・ザ・リング”計2回行われました。5月での対戦は引き分けに終わりましたから6月が決着戦という形です。技(ショーン)対力(スミス)という見方なのでわかり易い試合になりました。ダイアナがセコンドに付きましたが、別にちょっかいをだすわけでもなく普通に試合をみていただけでした。まあそういうことが似合いそうもなかったし。最終的にはショーンが勝って抗争は終了しました。時の流れはショーンに味方していたということです。
 次の相手はベイダー。本名はレオン・ホワイトで1987年の暮れに新日本プロレスでビッグバン・ベイダーと名乗って以来、1989年にIWGP王座を獲得。メキシコではUWA世界ヘビー級王座、ヨーロッパではCWA世界王座、そしてWCW世界王座を獲得するなどWWE以外の団体で常にトップに立ちました。そして1996年WWE入りして当然ながらWWE世界王座を手に入れるべくショーンとの抗争をスタートしました。7月21日の”イン・ユア・ハウス”で6人タッグで激突(ショーン&サイコ・セッド&アーメッド・ジョンソンVSベイダー&スミス&オーエン)してなんとベイダーがショーンからフォール勝ち。8月のサマースラム96での対戦前に有利に立ちました。
 そしてサマースラム96での対戦。やはり世界を渡り歩いて常にトップに立ったベイダーの力量は侮れずさすがにショーンも苦戦を強いられました。なんとショーンはリングアウト負けを喫してしまいました。しかしマネージャーのジム・コルネットがショーンはワザとリングアウト負けをしたと言いがかりをつけて延長戦を求めました。というのもリングアウトではタイトルが移動しないためで、リング上でフォールかタップ、KO勝ちでないかぎり王座は獲得できません。しかし今度はショーンの反則負け。これまたコルネットが抗議して再延長戦へ。ショーンのスウィート・チン・ミュージックすら決め手にならないほどですからやはりベイダーは強いです。最後はショーンのムーンサルト・アタックで勝利。手強い挑戦者を退けることに成功しました。
 次も強敵といえる相手です。レッスルマニア12のあとにECWからWWE入りしたマンカインド、すなわちECWではカクタス・ジャックと名乗っていたミック・フォーリーです。コンクリートの床であろうと、画鋲の山であろうと一切かまわずクレイジーバンプを取り捲るハードコアキングがマンカインドというサイコパス系のキャラでWWEに登場して以来サマースラム96ではジ・アンダーテイカーにポール・べアラーの裏切りがあったとはいえ勝利するという実績を得て今回ショーンと9月22日のイン・ユア・ハウスで激突することになりました。ちなみにこの大会のサブ・タイトルは”マインドゲーム”神経戦ということですか。さて、試合はECWほどではないにしてもハードコアな展開になりました。つまりマンカインド…フォーリーの得意な展開ともいえます。しかしラダーマッチ、アイアンマン・マッチなど多彩な試合を経験しているショーンはハードコアに十分対応。
 残念ながらベイダー、テイカー、サイコ・セッドらの乱入でショーンの反則勝ちという不透明な結果に終わりました。しかし内容的には両者共に納得のいくものだったようです。フォーリーは自分の土俵で力量を十分に発揮したショーンに敬意を表しましたし、ショーンもこの戦いで幅が広がったことでフォーリーに感謝していました。
 こうして順調に防衛を重ねてきたショーンですが、11月のサバイバーシリーズにてサイコ・セッドに敗れてまさかの王座転落となりました。同時にライバルであるブレット・ハートの影がチラついていたのも転落の一因となっていたかも。そしてショーンにとって、いや…WWEにとって激動の1997年が待ち構えていました。



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