あくまでも神話ですが、天照大神は八百万の神々の中でもトップに位置する女神とされ、その名の通り、あらゆる生命にとって必要な太陽を象徴する神とされておりますね。
[天照大神]
その天照大神は伊邪那岐命が御祓をしたときに、光を表す左目から生まれたとされています。
つまり 日本国の始祖では無いのです。
そして、伊邪那岐命、伊邪那美命は、神話のなかに一番最初に出てくる夫婦神です。
[右が伊邪那岐命、左が伊邪那美命 二人は天の橋に立っており、矛で混沌をかき混ぜて島(日本)を作っているところ]
そこから、夫婦婚姻のはじめとか結婚の神などといわれ、また、結婚して数々の国土を誕生させる国生みや、地上の営みを司る多くの神々を誕生させる「神生み」を行ったことから、 国堅めの神、生命の祖神 などともされています。
特に、男女が結婚して子を産むという、我々の生活にそのまま当てはまる活動をしているという点で、宇宙を創造した天之御中主神をはじめとする他の根源神たちと比べて一番親しみやすい神様でしょう。
伊邪那岐命 に関して我々がふだんの生活のなかで身近に接することといえば、やはり神社に参拝したときに受けたりする禊祓の儀式です。
わざわざ神主からお祓いを受けるまでもなく、拝殿の前にある手水舎(チョウズシャ)で柄杓に水を汲んで手に注いだりします。
これも心身を浄める意味があり、もともとは伊邪那岐命が御祓をしたことにちなむものなのです。
日本人は古くから穢れ(不浄)というものを特別に意識し、嫌っていたようですね。
人間の罪や悪行、 病気やけがなど、正常で平穏な生活に災いをなす一切のことは、穢れによるものと考えるようになったのです。
病気でも、その原因は病を起こさせる穢れであって、これを祓い落とすことで病気を治すことができると考えたわけで、禊祓というものは我々の生活のなかに入り込んでいます。
たとえば盛り塩は、禊祓の方法として古くは海水が使われたことから来たものだし、相撲の力士がまく塩もこれの延長です。
他に、人形に罪穢れを託して川に流す流し雛や、旧年中の厄を祓って身を清めるという豆まきの行事も、禊祓の儀式の一種なのです。
一方、 伊邪那美命 は、多くの大地を生み出したとされることから大地と関係した存在と考えられています。
伊邪那岐命の天父神的性格 に対して 大地母神的な性格 を持っているといえます。
これは、人間が豊穣を願う心を反映しているといえますね。
しかし また、 伊邪那美命には黄泉の国の神 としての顔もあるのです。
神でありながらも神で冥府、死の世界の代表者として祀られたりもするわけで、伊邪那岐命がこの世の代表とすると、伊邪那美命は あの世の代表という訳です。
黄泉平坂での言い争いにも 「わたしは地上の人間を一日に1000人殺す」「それならば わしは一日に1500の産屋を建てる」 とあるように、伊邪那美命は人間の寿命を司る神でもあります。
非常に恐ろしい神ですが、やはり多くの神々を生みだした母神的な性格の方が目立ち、伊邪那美命が生みだした さまざまな神霊がこの世界を豊かにしてくれているのです。
たとえば、日本の四季折々の変化なども、伊邪那美命があったからなのです。
つまり、この神は我々の住むこの世界のよりよい環境や心の豊かさを守ってくれるというのが本来の顔であり、むしろ死の神としての顔の方が一面にすぎないといえるでしょう。
ところで、伊邪那岐命、伊邪那美命には、まだ上位の神様がいるのです。
それが 天御中主神 なのです。
[天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)から国づくりを任される伊邪那岐・伊邪那ニ神]
天之御中主神は天地開闢神話で宇宙に一番最初に出現し、高天原の主宰神となった神です。
その名が示すとおり宇宙の真ん中に在って支配する神で、日本神話の神々の筆頭に位置づけられています。
そういう偉い神なのですが、その姿は神秘のベールに包まれているのです。
なぜなら、宇宙の始まりに現れたものの、たちまちのうちに「身を隠す」からなのです。
顔も姿も現さなければ、語ることもなく、人間に分かるような形での活動は一切しない。本来が「その姿を知らしめない」という日本の神さまの典型ともいえます。
仏像のような偶像の具体的なイメージに慣れた今日的感覚からすれば歯がゆい感じもしますが、日本の神霊とはそういうものなのです。
そんなふうに人間界と隔絶した感じのする神様ですが、何もしなかった訳ではないのです。
その活動が人間には分からないだけで、天之御中主神は、その後に登場してくる多くの神々による一切の創造的な作業を司令することが役割だったといえます。
つまり、創造力と全知全能の力を持つ 至上神 なのです。
天之御中主神が一般に馴染みのある姿を現しているのが「妙見さん」であると付記しておきます。
なお、古事記、日本書紀に語られた日本神話は、大和朝廷が自らの権威を正当化するために創作した「政治宣伝文書」だという見方が、学界や歴史教科書で主流を占めております。Comments
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alisa.さん
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曲まめ子さん
elsa.さん